こいごころ
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#788 [向日葵]
「私、お菓子作り好きだから。お口に合うといいんだけど」

宗助はにこにこ微笑む馨と、お菓子が包まれているその小さな包みとを交互にみる。
そしてふわりと微笑んだ。

「ありがとうございます」

宗助は深々と礼をした後、靴を履いて玄関を出て行った。
茉里もその後を追いかける。
パタンと閉まったドアを見て、頬に指先をあてながら馨は呟く。

「宗助くんなら息子でもいいわねー」

少々気が早い呟きだった。

⏰:11/06/18 23:03 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#789 [向日葵]
「私も行こうか?」

「いいよ今日は。結構疲れたんじゃないのか?」

「ううん。むしろ胸のつっかえが取れたから、体が軽い感じよ」

にっこり微笑むと、宗助も口元にえみを浮かべる。

今日1日はとても濃いくて、まるで何日も費やして今の状況になってるんじやないかと思えた。

やっと動きだせたと思う自分の時間が、茉里はなんだかいとおしくも感じた。

⏰:11/06/18 23:04 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#790 [向日葵]
宗助の本心もきけたし……。

ニヤける口元を気合いで防ぐ。
宗助に見えないように太ももをつねって、気を引き締める。

宗助はもう元通りだから驚く。
むしろ異性なれしてるのは宗助の方じゃないのかと思うくらい。

華名がいるから女の子には基本慣れてはいるだろうけれど。

「じゃあ、また明日な」

ポンと頭を撫でられ、さっきの気合いはどこへやら、相好が崩れる。

⏰:11/06/18 23:04 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#791 [向日葵]
「うんっ」

宗助は車に乗り込む。
車が発進しても、茉里は見えなくなるまでずっと見ていた。

数時間前、そうやって見送った時とは正反対の気持ちで。

ポケットに手を突っ込み、携帯を出す。
リダイヤルでよく知った人物の番号に電話をかけた。

「もしもし、ミュシャ?あのね……」

ーーーーーーー…………

20分くらいして、宗助の家まで帰ってきた。

「またいつでもおいで」

⏰:11/06/18 23:04 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#792 [向日葵]
裕之は柔らかくそう言う。

「ありがとうございます」

「君なら、茉里を預けても大丈夫そうだ」

「それは気が早いと思いますが……。でもありがとうございます」

「お礼を言わなきゃいけないのはこちらさ。今日は僕の中で、3番目くらいにいい日さ」

⏰:11/06/25 16:33 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#793 [向日葵]
言われなくてもわかる。

きっと1番と2番は、馨や茉里のことに違いない。

「もうきっと2人を泣かせたりしないよ。絶対に幸せにする。君に話をきいてもらえてよかった」

裕之はより笑って車を発進させた。
宗助はその車をずっと見送った。
そして同時に、眠気に襲われた。

ああ……、自分でも気づかないうちに、すごく緊張していたんだな……。

ーーーーーーーーー…………

帰ってきた裕之は、リビングで家族水入らずでゆったり過ごそうと思い、リビングの戸口にやって来た。

⏰:11/06/25 16:33 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#794 [向日葵]
しかし茉里の姿がない。

戸口に立ったままキョロキョロと首を動かすと、帰ってきたことに気づいた馨が、洗い物をしている手をとめて、にこりと笑う。

「おかえりなさい。茉里ならお風呂ですよ。あがってきたらこちらに来るんじゃないかしら。お茶でもいれます?」

考えていたことを見透かされて、裕之は照れたように頬をかく。
馨の問いを頷きでかえし、椅子に座る。

「笹部くんはどうでした?」

お湯を沸かしながら馨が言う。

⏰:11/06/25 16:34 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#795 [向日葵]
「今時珍しい、誠実な青年だと思うよ」

「あら高評価ですね。未来の息子が決まりまって良かったわ。でも、父親としたら複雑かしら?」

本当ならそうなのかもしれないけれど、不思議とそうは思わない。

余程抵抗がありそうな男なら、自分のしてきたことを棚に上げてでもとめるが、彼はそういう類ではなかったから。

宗助の雰囲気は、どこか落ち着くものがあった。

⏰:11/06/25 16:34 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#796 [向日葵]
男同士、しかも遥かに裕之のほうが年上にも関わらず、愚痴をこぼしても軽蔑されることはないだろうと思い、いつの間にかするすると言葉を紡いでいた。

「二十歳を過ぎたら、是非酒を酌み交わしたいものだよ」

「それは楽しみね」

ほのぼのと会話しているうちに、お茶が出来た。
それと同時に、茉里がリビングへやって来た。

「帰ってきてたの」

バスタオルで濡れた頭を拭きながら茉里が裕之に言った。

⏰:11/06/25 16:35 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#797 [向日葵]
「うん。茉里もお茶を飲むかい?」

「もらう」

茉里は裕之の正面に座る。
馨は茉里のぶんのお茶を茉里の前に置き、裕之の隣に座って、皆と同じようにお茶をすする。

茉里は言おうと思っていたことがあった。
もうひとつ、胸にずっとずっと引っ掛かっていたものがあったのだ。

「…………。………………。…………っ!、げほっ!!げほげほっ!!」

「茉里!?大丈夫?よそにでもいった?」

⏰:11/06/25 16:35 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


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