こいごころ
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#336 [向日葵]
そう言って、綾香は面をつけ始めた。
気持ちを押し込める……。
でも気持ちをさらけ出しても苦しいときは、どうしたらいいんだろう。
「あっ!」
綾香が面越しに声をあげる。
「どうしたの?」
「笹部くんが倒れた!」
えっ?!
宗助の試合場を見れば、確かに誰か倒れていた。
そして動かない。
茉里は慌ててそこへと向かう。
:09/09/13 18:02
:SH05A3
:☆☆☆
#337 [向日葵]
>>331「先に帰るね」の言葉は、操作ミスですんで、気にしないでください

:09/09/13 21:04
:SH05A3
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#338 [向日葵]
「どうしたの?」
宗助を応援していた男子の後輩に茉里は訊いた。
「相手に無理矢理、場外に押し出されたんですが、バランス崩したみたいで、頭打ったみたいなんです」
宗助はやっぱり動かない。
どうやら脳震盪らしく、気を失っている。
防具を取り、宗助は医務室に運ばれることになった。
他の部員は試合がある為、スコアなどを任せて、茉里は宗助についていく事になった。
:09/09/23 16:40
:SH05A3
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#339 [向日葵]
頭の打ち所が悪くなければいいんだけど……。
無意識に、スカートに入れていた、面紐が入っている袋を取り出し、握りしめる。
今日、初めて宗助の顔をまともに見た。
眼鏡を外せば、整った顔がそこにある。
顔を見てしまえば、やっぱり切なくなってしまう。
涙がじわりと、出てきてしまう。
[好きだった人を思い続けるのは、格好悪いことなの?]
:09/09/23 16:40
:SH05A3
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#340 [向日葵]
綾香の言葉が、頭をよぎる。
今までは、フラれたら「またか」とすぐにではなくても諦めることが出来た。
フラれる理由が一緒だからだ。
でも宗助は違うから。
茉里の中身をちゃんと理解してくれる人なんて、初めてだったから……。
諦められない。……いや、諦めたくない。
依存だとか、往生際が悪いって言われても、これが本当の気持ち。
宗助を諦めるなんて、絶対出来ないんだ……。
:09/09/23 16:41
:SH05A3
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#341 [向日葵]
叶わない恋なのにと、自分で呆れる。
素晴らしいくらいに馬鹿だ。
この目に、自分が映る日なんてこないのに。
いつの間にか、涙が頬を伝う。
袋を握りしめている手に、ぼたりと雫が落ちる。
すると、その音にまるで気づいたかのように、宗助が目を開けた。
その瞬間を見逃していた茉里は、起きた事に驚き、涙を拭く余裕がなかった。
そして涙を流している茉里に気づいた宗助は、驚いて目を見開く。
「あ……アンタ、なんで泣いて……」
:09/09/23 16:41
:SH05A3
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#342 [向日葵]
そこまで言ったはいいが、頭を打ったせいで痛みが宗助の頭を鋭く突き抜ける。
その隙にとばかりに、茉里は急いで先生を呼びに行こうとした。
「待て!」
しかしそれを宗助が止めた。
痛みに耐えながらも起き上がり、茉里の手を力強く握る。
振りほどこうと立ち上がる茉里。その反動で何かがパサリと落ちる。
それに気づいた茉里と宗助は、2人してその落ちた物を見た。
:09/09/23 16:42
:SH05A3
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#343 [向日葵]
それを見て、茉里は凍りついたまま頬を赤らめ、宗助は見覚えのあるそれを見入るようにじっとしている。
茉里の膝の上に乗っていた袋は、床に落ちた事によって紐が解け、中にある面紐が出てしまっていた。
「これ……」
「違う!宗助のじゃないっ!」
赤い顔をしながら言っても説得力がない。
茉里の腕を握る手に、さっきより力が加わる。
「は……放して……っ」
:09/09/23 16:42
:SH05A3
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#344 [向日葵]
「加賀、少し話をしよう」
「話す事なんてないっ!」
「俺はある!」
強い言葉にびくりとした茉里は、動きをとめる。
宗助の強い眼差しに、クラクラした。
「話、させてくれるな……?」
:09/09/23 16:43
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#345 [向日葵]
[10]霧の中の答え
気を失ってる間、暗闇の中で誰かいた。
座り込んで、泣いているのか、顔を両手で覆って、うつむいている。
どうした?
声をかけても反応がない。
気になって近づこうとすれば、それを拒否するかのようにその姿がまた遠のく。
何回かそれを繰り返していると、その誰かは立ち上がり、くるりとこちらを向いた。
その顔は、よく知る人物だった。
「加賀……?」
――構わないで。
:09/09/23 16:43
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