こいごころ
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#471 [向日葵]
「大丈夫です……。ごめんなさい……」

青い顔をする栞は、明らかに大丈夫ではなさそうだった。
心配していると、栞は目を潤ませながら宗助のほうを見る。

「宗助え……、手当てしてくれる?」

宗助は仕方がないなというふうに栞のところまで来て、立たせるために手を貸す。

「加賀と華名……。……華名、栞の手当て、してやってくれ」

その言葉に、栞は目を見開く。

「な、なんで?あたしは、宗助に頼んだのに!」

⏰:10/03/18 13:09 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#472 [向日葵]
「華名のほうが手当ては綺麗にしてくれる。足なら尚更、歩くのに邪魔にならないよう綺麗にしたほうがいいだろ」

「でも……っ」

「うだうだ言ってる暇があるなら、さっさと行け」

冷たく引き離した宗助は、ソファに座り、もう華名のことには構わない様子だ。

それに気分を害し、青ざめていた顔が反対に赤くなった栞は、本当に足が痛いのかというぐらいスタスタとリビングをあとにした。
華名もあとに続く。

「そんな冷たい言い方しなくても……」

と言いながらも、宗助がここに残ってくれるのが嬉しい。

⏰:10/03/18 13:10 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#473 [向日葵]
「じゃあ、ついて行けばよかった?」

意地悪な問いに口を尖らせた茉里は、宗助の隣に座る。

「そういうわけじゃ……」

「だってアンタ、行かないでって顔してたように見えたからさ」

「うん……。ごめん、思った」

「なんで謝んの。いつものアンタなら、それで当たり前みたいな言い方するくせに」

おかしそうに、でも意地悪そうに笑う宗助に、ドキリとする。

⏰:10/03/18 13:10 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#474 [向日葵]
「心配しなくても、俺はアンタしか見てないし」

「……名前呼ぶのためらうくせに、そういうクサイ台詞は言えるのね」

「やかましい」

親しみのある力加減で、茉里の頬をつねる。
おかしそうに茉里が笑うと、宗助と目が合う。

茶目っ気を含んだ宗助の目が、切なげな雰囲気を漂わせる。
その目をじっと見つめているうちに、2人の距離が縮まっていた。

⏰:10/03/18 13:10 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#475 [向日葵]
つねられていた指が緩まったかと思えば、その手は、優しく頬にそえられる。

眼鏡かけたままキスって出来るのかしら……?

ふいに思った疑問は、今の状況にはどうでもよすぎて、頭のどこかへいってしまった。
前髪が触れ、吐息と体温を近くに感じる。

まつげ……長いなあ……。

そう思ったのを最後に、ゆっくりと目を閉じた。

「茉里……」

宗助が、名前を呟く。

すると、足音が近づいくるのが聞こえ、2人同時に目を開ける。
開ければお互いの顔がすぐそこにあり、うろたえ、素早く離れた。

⏰:10/03/18 13:11 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#476 [向日葵]
耳に、心臓があるみたい……。
うるさい……すごく……。

「栞ちゃんの手当て終わったよお」

「あ、そう!お疲れ様!」

絶対に顔が赤い。
それを知られたくなくて、テレビを見てるふりをしながら華名にちらりと視線を向け、またテレビを見る。

隣の宗助を盗み見れば、そっぽを向いていた。
しかし、その耳は、これ以上ないくらい真っ赤になっていた。

さっきみたいな甘いやりとりを、茉里は何度か経験したことがある。
しかし、その甘い雰囲気に浸りすぎて、相手をちゃんと見ていなかった気がする。

⏰:10/03/18 13:11 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#477 [向日葵]
手や、近くに感じる体温。
触れる柔らかな前髪。
潤んで自分を映し出す黒い目。
自分の名を呟く、低く、甘い声。

全てを意識し、全てが頭を真っ白にさせた。

こんなの、本当にキスしちゃったらどうなるんだろう……。
キスだけじゃない……。
もしも……。

そんなことを考えてしまうだけで、熱が出そうだ。

むずがゆい感情を、どうすればいいかわからなくて、茉里は立ち上がり、近くにいた華名をギュッと抱きしめた。

⏰:10/03/18 13:12 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#478 [向日葵]
[13]君は大切な友達

新年になり、自分の部屋でぼんやりと過ごしていたミュシャは茉里からのメールで初詣に行くための準備をしていた。

神社はミュシャからも近い場所なので、ミュシャも行くと返事をしたところだ。

階下のリビングにいる両親に一言言ってから家を出れば、初詣に向かうのか帰るのか、人がぽつぽつといる。

歩くこと20分、神社近くになればなるほど、ガヤガヤとした声が聞こえる。

⏰:10/04/26 22:22 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#479 [向日葵]
「あ、来た来た。ミュー!こっちだよー!」

鳥居近くの階段に、ミュシャに向かって大きく手をふる茉里。
その少し後ろに宗助と、知らない女の子が2人いた。

茉里はミュシャを待ちきれなくて、小走りで迎えにいくと、満面の笑みを向けた。

「あけましておめでとー!今年も仲良くしてねっ」

「あけおめ。こちらこそ」

2人で笑みを交わしていると、宗助が後ろから声をかける。

「おーい。2人の世界に入るなよ」

⏰:10/04/26 22:22 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#480 [向日葵]
ミュシャはにやりと笑いながら宗助たちの元へ行く。

「妬くな妬くな。女にまで妬いてたらアンタ身がもたないわよ」

「いや妬いてないから」

「それはそうと、こちらのお嬢さん方は?」

ミュシャは華名と栞に目を向ける。

ミュシャに見とれていた華名は、ハッとして、にこりと笑う。

「はじめましてえ。宗兄がいつもお世話になってますう、妹の華名といいまあす」

「栞です。宗助とは幼なじみで、昔から仲良くしてます」

⏰:10/04/26 22:23 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


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