こいごころ
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#803 [向日葵]
ーーーーーーーー…………

次の日の朝。
茉里はふと目を覚ました。

今……何時……?

近くに置いてあった携帯を見る。
起きる時間より一時間も早い。
もう一度寝ようと目を閉じるが、どうしてか寝れそうにない。

仕方ないとカーテンを開けるも、冬の太陽はまだ夢の中にいるらしい。
とりあえず顔でも洗うかと、下に行くことにした。

リビングには明かりがついている。
それもそのはず。
馨が裕之と茉里の分の弁当を毎朝作ってくれているのだから。

⏰:11/06/25 16:38 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#804 [向日葵]
なにか手伝うことがあるかもしれない。

そう思った茉里はリビングに入ろうとした、が。

「裕之さん、ご飯の準備ができないからあちらで座っててください」

「今日はとても目覚めがいいんだ。だから君を手伝うよ」

「そう言って、さっきから私に抱き着いてるだけじゃないですか」

「ああ、そういえば、朝のキスがまだだったね」

「ちょっ……、裕之さ……っ!」

⏰:11/06/25 16:39 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#805 [向日葵]
茉里は遠い目をしながら、足音をたてないように洗面所へと向かった。

二人がラブラブであることは知っていても、ああいうやりとりは出来ればききたくはないものだ。
こっちが恥ずかしくなってくる。

洗面所について蛇口をひねれば、つい手を引っ込めてしまうぐらい水が冷たい。
けれどそれぐらいが、まだ起きてない体には丁度いいのかもしれない。

手で器をつくり水をため、顔に勢いよく数回かける。
さっぱりして鏡を見るのと、洗面所に裕之が来たのとが一緒になった。

⏰:11/06/25 16:40 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#806 [向日葵]
「あれ、茉里。起きるのにはまだ早いんじゃないのかい?」

「でも目が覚めちゃったし……」

タオルで顔を拭きながらちらりと裕之を見れば、さっきのあんなやりとりの後のせいか、顔がツヤツヤとしているように見えた。

なんかそれって……欲求不満だったみたいでやだな……。
父親がエロいってどうなの。
いや、エロそうだけど……。

「ん?どうかした?」

「いやなんでも」

タオルを元の位置に戻して、立ち去ろうとするが、裕之がにこやかにじっとみつめてくるから、茉里は足を止める。

「……なに?」

⏰:11/06/25 16:40 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#807 [向日葵]
「おはよう」

「……?おはよう」

「おはよう茉里」

「うん、おはよう……。……?なに、一度言えばわかるけど?」

裕之は更ににこにこと笑うと、茉里の頭のてっぺんにキスを落とした。

急なことに驚くより、キョトンとしてしまった茉里は、変な顔をして裕之を見る。

「だ……だから……、なに……?」

裕之はなにも言わず、洗面台の前に立って、歯磨きをしだした。
その周りには音符やら花やらがいくつも飛んでる風に思えた。

ああ、なるほどね。
「おはよう」って言えることが、嬉しいってことね。

⏰:11/06/25 16:41 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#808 [向日葵]
せまい洗面所では自分は邪魔になると思い、茉里はリビングへ向かう。

頭に指先を触れて、口を変に歪ませる。
ニヤけるのを我慢しているのだ。

もう……、そんなことで、いちいち喜ばないでよ……。
私まで、音符が飛びそうだわ……。

深呼吸して、リビングに入ると、頬を赤らめた馨が、ぼんやりしながら朝食を並べていた。

まだ冬のはずなのに、お熱いことで。

茉里は内心手で顔をあおいだのだった。

⏰:11/06/25 16:42 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#809 [向日葵]
ーーーーーーーー…………

「解決お祝い。はい、チョコレート」

と、キャンディのようにくるんだチョコレートを、ミュシャは茉里の口へ放り込んだ。

「あひがほー」

甘いチョコレートの味に、茉里は満面の笑みになる。
ちなみに「ありがとー」と言ったらしい。

「ミューにはいっぱい迷惑かけたもんねー。お礼になにか奢るよ!なにがいい?」

「駅前のデパートの中に最近出来た『トロピカルカフェ』の『トロピカルスペシャルパフェ』」

⏰:11/06/25 16:42 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#810 [向日葵]
「え、あの!?これくらいのやつでしょ!?」

驚いた茉里は両手でその高さを表す。
手と手の幅は40センチくらいだ。

「高級マンゴーと桃を使ってるのにお値段1580円っていう、あのパフェ!?」

「テレビショッピングみたいになってるわよ。冗談よ。奢れなんて言わないわ。割り勘。あんなの一人で食べれるわけないじゃない」

でしょうね。

ディスプレイでしかみたことはないが、あんなもりもりとフルーツが盛られたパフェを、こんなにスレンダーなミュシャが入るわけない。
入っても体を壊しそうだ。

⏰:11/07/02 21:25 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#811 [向日葵]
「そういえば、もうすぐバレンタイン、アンド学年考査だけど、どう?その二大行事の進み具合は」

「あ…………」

「忘れてたのね、二大とも。笹部が泣くわよ」

「宗助はチョコレートもらわなくても気にしなさそうだなー……」

と言いながらも、やっぱり気にするかもと思う。

昨日だって、草食だと思ったら……ということがあった。
宗助のことをわかってない部分は、もしかしたらたくさんあるんじゃないかと思ったものだ。

⏰:11/07/02 21:26 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#812 [向日葵]
泣きはしなくても拗ねそう。
それかなにも言わなくて、最後の最後で渡したら、心底ホッとして「くれないかと思った」とか言いそう。

その顔みたいなと思うあたり、茉里はサディストだ。

でもその後、実はそういう顔が見たくてなんてことを話したら、宗助の肉食スイッチが入ってしまいそうで弱る。

宗助の肉食スイッチはよくわからないから。
そして茉里は宗助が肉食になるとひたすら弱い。

⏰:11/07/02 21:27 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


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