こいごころ
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#828 [向日葵]
「落ち着かなくて、竹刀でも振ったら、雑念が吹き飛ぶかもって。でも、全然駄目だった」

宗助の背中を見ながら、きっと宗助は自分と同じような気持ちになっているんだと思った。

それがわかるから、会話が続かず、外で練習している他の部活の声が、ただでさえ響く道場で響いていた。

「私も、そんな感じ。もう帰ろうとしたら、竹刀の音がきこえたからよったの」

「本当は自主練でもしたかったけど、俺の勝手な都合に誰かを付き合わせることは出来なかったから、一人で来た」

⏰:11/07/23 19:10 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#829 [向日葵]
「私がマネージャーじゃなかったら良かったわね」

「女の子相手に、本気は出せないよ。力も体格も違うからな」

「私が宗助より強かったらどうするの?」

「力技は使わないだろ、やっぱり。体当たりしたらいくら強くても踏ん張れはしないだろ」

となると、綾香もそういう風に扱われているということになる。
綾香は女子主将なだけあって強い。

なんとなく、茉里はむっとなった。

⏰:11/07/23 19:11 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#830 [向日葵]
人形の横に置かれていた竹刀を取って、このもやもやとした気分を晴らそうとしたが、竹刀がささくれていたのでやめた。

「さ、帰るか。どっか寄るか?」

「珍しい。宗助が寄り道しようだなんて」

「まだ昼前だし、このまま帰るのもったいない気がして」

「んーっ」と考えてから、茉里はポンと手を叩く。

⏰:11/07/23 19:11 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#831 [向日葵]
「そういえば昨日、華名ちゃんからまた遊びに来てねってメールがあった!だから宗助の家がいい!」

「ダメ。今日は家族勢揃いしてる」

即答され、今度はしょんぼりと落ち込んだ。

家族に紹介してはくれないのか……。

茉里は成り行きでとはいえ、家族に宗助を紹介した。
それは宗助がすごく素敵な人で、家族に早く教えたいと思ったからだ。

そうしてくれないのは、茉里がまだそのレベルに達していないからということだろうか。

⏰:11/07/23 19:11 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#832 [向日葵]
ふと、これがもし先輩なら……と考え、急いで頭をふった。

今更そんなこと思っても仕方がないからだ。

ただ、不安じゃないわけではない。

二人して気づいた、先輩卒業の現実。
宗助にとって忘れられない人。
そんな人がいなくなるとわかったら、もしかしてそちらに行ってしまうんじゃないかと……。

それこそ今更だと、頬を軽くつねって自分を戒めた。

⏰:11/07/23 19:12 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#833 [向日葵]
「今日は帰るよ。お父さんが出かけたがってたから、相手してくる」

「そっか。じゃあ一緒に帰ろう」

こくりと頷き、茉里と宗助は道場をあとにした。

――――――――…………

時は少し進んで、バレンタインの前日。

茉里はミュシャの家へとやって来て、チョコ作りをしていた。
チョコ作りと言っても、茉里はチョコチップが入ったクッキーを焼いている。
ミュシャは茉里が大好きな生チョコを作ってくれた。

⏰:11/07/23 19:15 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#834 [向日葵]
*アンカー*

>>817

⏰:11/07/23 19:20 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#835 [向日葵]
茉里はその生チョコをつまみ食いし、頬が落ちるほど美味しいとでもいうように、頬に手をそえ、幸せそうに笑んだ。

「んー……っ!ミュシャってお菓子作るのやっぱり上手だよねーっ!甘さも柔らかさも丁度いい!」

「そりゃアンタ好みにしてるもの。笹部なんかよりあたしの方がずっと茉里の好みを熟知してると思ってるけど?」

「もっちろん!」

と、いいタイミングでオーブンのタイマーが鳴った。

どうやら焼けたようだ。

⏰:11/07/30 15:45 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#836 [向日葵]
オーブンを開け、天板にのせたクッキーを見てみると、いい具合に焼けていた。
ただ見た目と違い、中が焼けてないということもある、というのを理由に、茉里はクッキーもつまみ食いした。

サクリといい音がしたということで、どうやら茉里のクッキーもうまく焼けたらしい。

「ラッピングどうすんの?」

ミュシャが尋ねる。

「透明の小さめの袋に3つぐらいいれて、その上からまた奇麗な袋にいれるの」

「なるほどね。あとは持っていく時にクッキーが割れないように気をつけるのみね」

⏰:11/07/30 15:46 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#837 [向日葵]
本当はピンク色の可愛らしい袋や箱で飾り付けたかったが、宗助はそういうのを好まないだろうと、色はグリーンで上品かつシンプルな柄の袋を買った。

もちろん、宗助はピンク色だとか、箱や袋に花がついてそうなものでも喜んで受けとってくれると思う。
でも出来るだけ完璧なものを渡したいから、今回はシンプルめにした。

にこりとはしなくても、雰囲気で嬉しいと思ってくれているのが分かればいいなと思う。

宗助はあまり口にはしないから。

⏰:11/07/30 15:46 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


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