こいごころ
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#833 [向日葵]
「今日は帰るよ。お父さんが出かけたがってたから、相手してくる」
「そっか。じゃあ一緒に帰ろう」
こくりと頷き、茉里と宗助は道場をあとにした。
――――――――…………
時は少し進んで、バレンタインの前日。
茉里はミュシャの家へとやって来て、チョコ作りをしていた。
チョコ作りと言っても、茉里はチョコチップが入ったクッキーを焼いている。
ミュシャは茉里が大好きな生チョコを作ってくれた。
:11/07/23 19:15
:SH05A3
:☆☆☆
#834 [向日葵]
:11/07/23 19:20
:SH05A3
:☆☆☆
#835 [向日葵]
茉里はその生チョコをつまみ食いし、頬が落ちるほど美味しいとでもいうように、頬に手をそえ、幸せそうに笑んだ。
「んー……っ!ミュシャってお菓子作るのやっぱり上手だよねーっ!甘さも柔らかさも丁度いい!」
「そりゃアンタ好みにしてるもの。笹部なんかよりあたしの方がずっと茉里の好みを熟知してると思ってるけど?」
「もっちろん!」
と、いいタイミングでオーブンのタイマーが鳴った。
どうやら焼けたようだ。
:11/07/30 15:45
:SH05A3
:☆☆☆
#836 [向日葵]
オーブンを開け、天板にのせたクッキーを見てみると、いい具合に焼けていた。
ただ見た目と違い、中が焼けてないということもある、というのを理由に、茉里はクッキーもつまみ食いした。
サクリといい音がしたということで、どうやら茉里のクッキーもうまく焼けたらしい。
「ラッピングどうすんの?」
ミュシャが尋ねる。
「透明の小さめの袋に3つぐらいいれて、その上からまた奇麗な袋にいれるの」
「なるほどね。あとは持っていく時にクッキーが割れないように気をつけるのみね」
:11/07/30 15:46
:SH05A3
:☆☆☆
#837 [向日葵]
本当はピンク色の可愛らしい袋や箱で飾り付けたかったが、宗助はそういうのを好まないだろうと、色はグリーンで上品かつシンプルな柄の袋を買った。
もちろん、宗助はピンク色だとか、箱や袋に花がついてそうなものでも喜んで受けとってくれると思う。
でも出来るだけ完璧なものを渡したいから、今回はシンプルめにした。
にこりとはしなくても、雰囲気で嬉しいと思ってくれているのが分かればいいなと思う。
宗助はあまり口にはしないから。
:11/07/30 15:46
:SH05A3
:☆☆☆
#838 [向日葵]
「そういえば……」
ミュシャが茉里のクッキーをつまみながら言う。
「笹部って意外にモテるのね。何回か女子の会話がきこえた時、笹部に渡すって言ってた子が何人かいたわ」
「えっ!?なにその聞き捨てならない話!!」
思わずラッピング途中のクッキーを握り潰しそうになった。
宗助はミュシャとは違い、物語で言えば生徒A扱いでもされそうなほど目立つ容姿はしていない。
:11/07/30 15:47
:SH05A3
:☆☆☆
#839 [向日葵]
無愛想、無難、地味、パッとしないなどの表現が似合いそうなのだ。
しかし、茉里と付き合うことにより、笑ったり話したりしている姿に好感を抱き、接しやすくなったと評判になっていた。
そんなことを茉里は知らない。
「ど、どどどどうしよう……っ!突然現れた可愛い子に宗助をとられたら……っ!!」
「アンタ彼女なんだから堂々としてなさいよ。ってか彼女のくせに、いつまで自分に自信がないのよ」
「不安が拭いきれないのは恋する乙女の決まった問題ですから……」
「あんまりうっとおしいと、今年の生チョコはあげないわよ」
:11/07/30 15:47
:SH05A3
:☆☆☆
#840 [向日葵]
「そんな血も涙もない……っ!!」
「そんなしょうもないことをウジウジウジウジいつまでも考えるからよ。これがまだ片思いでどうのこうの言ってるんだったらまだ良心のかけらで慰めてあげるけど」
「片思いでも良心のかけらぐらいしかくれないのね……」
逆に泣きたい。
やっぱりいつもの調子が出ないなーと難しい顔をしていると、携帯が鳴った。
このバイブは電話だと思い、誰からだと確認せずにとってしまう。
:11/07/30 15:47
:SH05A3
:☆☆☆
#841 [向日葵]
「はい、もしもし」
「もしもし、俺だ」
「あら宗助。どうしたの?私が恋しくなったとか?」
「いや違うけど」
「即答するな!悲しくなるわ!」
ミュシャはやれやれといった風に首を振ると、台所へと向かっていった。
「私が恋しくないなら何の用でございますか?愛しの笹部宗助くん」
「なんかトゲがあるんだが……」
「気のせいじゃなくって?」
:11/07/30 15:48
:SH05A3
:☆☆☆
#842 [向日葵]
こっちは宗助の喜ぶ顔がみたくて、クッキーを作ってたっていうのに!!
クッキーに色づけとでも称して唐辛子のパウダーでもかけてやろうかしらっ。
怒りで半目になりながら、その声に耳を傾ける。
「華名が会いたがってるんだ。今どこだ?」
「ミューの家だけど」
「ああ先約があったのか。じゃあ無理だな」
:11/08/06 00:55
:SH05A3
:☆☆☆
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