こいごころ
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#861 [向日葵]
宗助も友達と話ていたりして、結局挨拶すら出来ないまま朝のホームルームが始まった。
「これから毎朝、歌の練習するらしいから、各自その間にちゃんと歌詞覚えんだぞ」
先生の言葉に、空気だけでほとんどの人が「ダルい……」と思っているのがわかった。
大体私たちが歌う意味ってあるのかしら……。
先輩たちは去年、どんな気持ちでこれを歌っただろうか。
「んじゃ歌うから、全員起立」
教室がブーイングの声に包まれた。
:11/08/13 02:41
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#862 [向日葵]
:11/08/13 02:48
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#863 [向日葵]
きっと卒業式にこれを歌ってから、次に自分たちが歌ってもらう番の時がくるのは、あっという間なんだろうな……。
茉里はちらりと教室を見渡す。
やる気ないながらも、みんな歌っている。
中には歌ってない人もいるし、立っている人に紛れて座ってる人だっている。
真面目にやってる人からすれば、ちゃんとしろと苛立つ光景だけれど、卒業して、この教室のことを思い浮かべる時、そんなことすらも懐かしく、いとおしく、さみしくもあるのだろう。
:11/08/20 13:06
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#864 [向日葵]
そう思うと、少しやる気を出して歌おうと思えた。
―――――――――…………
「加賀ー。現国の阿部先生が模造紙取りにきてくれってさー」
朝のホームルームも終わると、担任が言った。
ちょっと……、今日だけやけに日直の仕事多いじゃない……。
ちらりと宗助を見ると、茉里のことを気にしないかのように友達と談笑している。
:11/08/20 13:06
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#865 [向日葵]
また気にしているのは私だけかと茉里は苛立つが、それをなんとか押さえる。
今日は喧嘩をする日じゃない。
仲直りをする日なのだから。
茉里は教室を出て、日直の仕事に専念しようと思った。
すると。
「茉里」
へ?
振り返ると、友達の輪から抜けたのか、宗助がこちらにやって来た。
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#866 [向日葵]
「日直の仕事、手伝う」
「え、でも……」
「だからさ……、ああ……、えっと……」
歯切れの悪い返事をするので、早くと心の中で思ったが、辛抱強く待つ。
「早く……、俺にチョコ……ください……」
言い終えてから、すぐに宗助は顔を真っ赤にさせた。
茉里はそれが宗助の精一杯の気遣いだと思うと、宗助が可愛く思えて仕方なかった。
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#867 [向日葵]
「ありがと。じゃあ荷物運ぶの手伝ってね」
「おう」
「ちなみにチョコじゃなくてクッキーだからね」
「いいよ。なんでも」
と言い終えた後、「あっ」と手で口を隠す。
茉里はどうかしたのかと宗助を見る。
「なんでも……っていうのは……、茉里の物ならなんでもって意味で」
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#868 [向日葵]
おお、なんかすごい頑張ってる。
華名ちゃんがなんか言ってくれたのかしら。
「はいはい。私も悪かったから、あんまり無理しなくてもいいわよ」
「別に無理は……」
「宗助はそのままでいいの。あの時は……。私が少し過剰になってただけよ」
茉里はきょろきょろと辺りを見渡す。
「よし」と小さな声を出したかと思えば、宗助を手招きする。
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#869 [向日葵]
なんのことかと、宗助が茉里に顔を近づけると、一瞬やわらかな感触を頬に感じた。
してやったりと笑う茉里に対し、なにがあったかわからず、きょとんとした顔をする宗助は、次第になにをされたかを理解し、また赤くなった。
「さてと、宗助がゆでダコになる前に、早く日直の仕事しなくちゃだわねー」
「誰がしてるんだ誰が!」
「もちろん私。とっても嬉しい限りだわー」
:11/08/20 13:09
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#870 [向日葵]
「覚えとけ……」
「記憶力はいいほうだから安心して」
言い負かされて、宗助は少しムッとするも、仲直り出来たほうに安心して、ムッとしたくても出来なかった。
―――――――――…………
そう、別にそれはそれでいい。
ただ見てみたい。
こんな機会だから見てみたい。
いや別に大した機会ではないけれど。
:11/08/20 13:09
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