虹色のオセロ
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#592 [ゆーちん]
仁士も栄之助にすみれちゃんの妊娠の話は聞いたらしく、気になっていたようだ。


「今日水曜だから、休み始めて3日だね」

「七海んちに行ったのって金曜だろ?」

「正確には土曜の真夜中」

「じゃあ今日で4日か。ママの喝、効いてるといいんだけど」

⏰:09/05/09 12:55 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#593 [ゆーちん]
あの日、私の家に来た事は栄之助から直接聞いたらしく、月曜日の朝イチで私のところに飛んできた仁士。


結局どうなったのかを聞きたくても、当の本人が姿を現さないんじゃ話にならない。


おサボり3日目。

明日こそは登校しろ、と願いながら今日も一日、教師という苦痛を乗り切った。

⏰:09/05/09 12:56 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#594 [ゆーちん]
結局栄之助はその週、学校に来なかった。


あれからちょうど一週間。


気になってはいたけど、自分から電話なんかする気分でもなく、もう一人の方に電話をかける事にした金曜日の21:00前。

⏰:09/05/09 12:57 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#595 [ゆーちん]
「集〜合〜」


有無を言わさず呼び付けた。

金髪頭はご機嫌ななめで来てくれた。


「栄之助に電話しよ」

「自分でしろよ。何で呼び出されてんの俺」

「栄之助だって私より仁士の方が言いやすいよ」

「…で、その栄之助と仁士の会話を盗み聞きするつもり?」

「うん」

「最悪な教師だな」

⏰:09/05/09 12:57 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#596 [ゆーちん]
冷たい事言いながら、顔は笑ってんの。

ドS疑惑。


「気にならないの?もう一週間だよ」

「気にはなるけど無理に聞き出すのも悪いじゃん」

「そうだけど…でも栄之助はきっと聞いて欲しいって思ってるに違いない」

⏰:09/05/09 12:58 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#597 [ゆーちん]
「何でわかんだよ」

「ママの勘」


仁士は小さく笑ってから、栄之助に電話をかけた。


「七海が一緒だって事は内緒だからな。黙ってろよ」

「了解」


完全なる盗み聞きだね。


仁士は共犯者って事で、ちょっと申し訳ない。

⏰:09/05/09 12:59 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#598 [ゆーちん]
2コール目で栄之助は電話に出た。


スピーカー機能にしてもらい、私は黙って二人の会話を聞く。


「もしー、生きてんの?」

「死んでる〜」

「あっそ。今どこ?」

「部屋だけど」

「どうなったの、彼女と子供」

⏰:09/05/09 13:00 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#599 [ゆーちん]
しばし無言。


「おーい、栄之助」

「うん」

「言いたくねぇんなら別にいいけど」


栄之助はまた無言になった。

しばらくすると、悲しい音が聞こえた。

⏰:09/05/09 13:00 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#600 [ゆーちん]
「おい、泣くな」

「あのさ…笑うなよ?」

「おう」

「俺の子供じゃないんだって」


落胆した。

私も泣きたくなった。

そんな展開、誰も望んでないよ。


「何…で、だよ」

仁士もひどく動揺していた。


「すみれちゃんがそう言うんだから、そうなんだよ。それに、日数も合わない」

⏰:09/05/09 13:01 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#601 [ゆーちん]
「他に男がいた、って事?」

「…らしいね」

「何だよそれ…」

ため息しか出なかった。

栄之助を今すぐ抱き締めてあげたくなった。


「仁士、ごめん」

我慢できなかった。

気付いた時にはペラペラと口が動いてた。

⏰:09/05/09 13:02 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


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