虹色のオセロ
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#622 [ゆーちん]
そんな気持ちを感じ取ったのか、栄之助はソファーに寝転がりながら話し始めた。


「すみれちゃんへの未練はね、もうないよ。でも赤ちゃんへの未練…っていうか罪悪感があって。俺の子供じゃないけど可哀想な事したな、って」

⏰:09/05/09 21:56 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#623 [ゆーちん]
「うん」

相づちをうつ事しかできない私に、栄之助は話してくれる。


「昨日たくさん泣いて、ちょっと気持ちラクになったよ。ママと仁士のおかげ。助かった、ありがと」

「ううん。私なんも出来なかったけど」

「抱き締めてくれて嬉しかったよー」

⏰:09/05/09 21:57 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#624 [ゆーちん]
あ、いつものバカ猿スマイルだ。

久しぶりに見たよ、その笑顔。


「ねぇママ」

「ん?」

「ここらが潮時だと思うんだ。色々とけじめ付ける時が来たみたい」

「…何が?」

⏰:09/05/09 21:57 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#625 [ゆーちん]
体を起こし、ソファーに座り直した。


「はっきり言うね」

「…」


何となく、栄之助が今から言う事がわかる。


聞きたいようで聞きたくない。


「俺ママが好きだったよ。女として」

⏰:09/05/09 21:58 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#626 [ゆーちん]
ほらね、こういう話はあんまり聞きたくないもんだよ。


「だからキスしたし、それ以上もした。甘え知らずだったから、その反動でママが欲しいだなんてただの口実」


…私と仁士の予想またまたビンゴ。


「でも栄之助はママとしての柴田七海を選んだじゃん」

⏰:09/05/09 21:58 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#627 [ゆーちん]
「うん。ママの事が好き過ぎて失いたくなかったもん。体の関係なんかいらないから、ずっと俺の近くでいて欲しかった。それくらい好きだったんだよ」

「…女として?」

「たぶん恋愛感情を越えた愛みたいなのがママにはあったんだ。ママは特別な存在だから」

⏰:09/05/09 21:59 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#628 [ゆーちん]
「そんな褒めても何も出ないよ」


栄之助は猿みたいに笑った。

私も、その笑顔好きだったよ。

私だって今思えば栄之助への気持ちは、恋愛感情じゃなく、特別な愛だったのかもしれない。

⏰:09/05/09 22:00 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#629 [ゆーちん]
「ママに俺の気持ちバレた時はマジ耐えられなくてさ。軽蔑されて離れてくんだろなって思ってて、自分から離れてみたけどママは相変わらずですっげぇ嬉しかったよ。
ちょうどその頃すみれちゃんと付き合って…って言っても成り行きだったんだけどね」

⏰:09/05/09 22:01 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#630 [ゆーちん]
「成り行き?」

「酒に酔ってて、知らない内にホテル行っちゃってたんだ。お互いヤッた覚えはないんだけど。
それで、すみれちゃんと色々話してたら、なんか気が合うから付き合っちゃおっか〜ってなって、付き合った」

⏰:09/05/09 22:01 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


#631 [ゆーちん]
「じゃああの日更衣室に私が呼び出した時、彼女できたって…」

「そう、すみれちゃん」

「そうだったんだ」

「すみれちゃん、本当に明るくて元気で年上だから安心できる人だったんだ。段々好きになりかけてた。いつの間にかママへの恋愛感情消えて、すみれちゃんに移ってた。でも結果これだもんね」

⏰:09/05/09 22:02 📱:SH901iC 🆔:JSeFKct6


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