サークル ー番外編ー
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#11 [柚子]
部室というより、誰かの部屋だと言われた方がしっくりくるような場所だった。
部屋には、ドアを開けた彼の他に男の人が一人と、女の人が三人いた。
女の人の一人が、私に向かって
:09/06/23 16:25
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#12 [柚子]
「そんなとこに立ってないで、こっちに座って」
と、声をかけてくれた。
それから思い出したように
「千晃ちゃんだよね?」
と確認した。
私は頷き、言われるままにソファーに腰を下ろした。
:09/06/23 16:26
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#13 [柚子]
ショートがよく似合う彼女は、私が口を開く間もないくらいてきぱきと、指示を出した。
あっという間に、私の前にアイスティーとロールケーキが置かれた。
持ってきてくれたのは、口調からも見た目からもふんわりとした雰囲気を放つ女の人だった。
:09/06/23 16:27
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#14 [柚子]
(こんな可愛い人、うちの大学にいたんだ)
また脱線しかけた私の思考を呼び戻してくれたのは、ショートカットの女の人だった。
「遠慮せずに食べてね」
彼女に促されフォークを手に取ると、向かいのソファーに彼女も腰を下ろした。
:09/06/23 16:28
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#15 [柚子]
「遅かったから、ここの場所がわからないんじゃないかと心配してたんだよ」
「あっ。すいません…」
約束の時間を15分も過ぎていたことを思い出し、私は下を向いた。
:09/06/23 16:28
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#16 [柚子]
「あ、いやいや。時間のことは気にしないで。私らみんな暇人だから」
そう言って彼女は、さっきドアを開けた彼に視線を移した。
「迷子になっているかと思って、ちょうど純に探しに行かせようとしてたところだったんだ。入れ違いにならなくて良かったよ」
:09/06/23 16:39
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#17 [柚子]
迷子どころか、迷うことなく部屋の前まで着いていた私は、気を遣わせてしまったことを申し訳なく思った。
全く別の意味で、確かに私は迷っていたのだけれど。
今私が抱えている“問題”を、相談していいのかどうか私は迷っていた。
:09/06/23 16:43
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#18 [柚子]
ドアを目の前にしてなお、迷っていたのは、その“問題”が、あまりに現実離れしていたからだ。
話した途端、もしかしたら話している途中で、笑われおかしな子という烙印を押されてしまうかもしれない。
一度私の中に芽生えた不安を、私はどうしても拭うことができなかった。
:09/06/23 16:45
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#19 [柚子]
「あ、と。自己紹介がまだだったね。私は部長の空。よろしくね、千晃ちゃん」
こちらこそ。と私が言いかけた時だった。
ずっと黙って、私のことを見ていた彼が口を開いた。
:09/06/23 16:46
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#20 [柚子]
「部長は俺だ」
男の人にしか出せない、低く落ち着いた声だった。
(あ。この人、眼鏡外したら格好よさそう…)
そんなことを考えていた私の向かいに、空さんを押し退けるように彼が座った。
「部長の亮太です」
:09/06/23 16:47
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