サークル ー番外編ー
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#21 [柚子]

全く事態の飲み込めていない私は、戸惑いを隠せなかった。

その場を納めてくれたのはさっきの可愛いらしい女の人だった。

「二人ともやめなよ。お客さんの前で。部長なんて、空でも亮太でもどっちでもいいじゃない。千晃ちゃんもそう思うよね?」

⏰:09/06/23 16:47 📱:P906i 🆔:FroRXXEo


#22 [柚子]

突然意見を求められた私は、思わずコクコクと頷いてしまった。

「いや、重要だ!」

と譲らない亮太さんに、空さんも同意していた。

⏰:09/06/23 16:48 📱:P906i 🆔:FroRXXEo


#23 [柚子]

「あーもう。じゃあ千晃ちゃんに決めてもらおう。依頼が完了した時点で、部長に相応しいと思うほうを選んでもらう。これでどう?」

思いがけず重大な決断を任されてしまったけど、おかげでようやく話の本題に入ることができた。

⏰:09/06/23 16:49 📱:P906i 🆔:FroRXXEo


#24 [柚子]

喧嘩の仲裁をしてくれた女の人は

「私は、優ね」

と自己紹介をした後、私に聞いた。

「それで相談って?」と。

⏰:09/06/23 16:50 📱:P906i 🆔:FroRXXEo


#25 [柚子]

空さんと亮太さんの真剣な眼差しにたじろぎながら、私は自転車の話を始めた。

最初に誰かが後ろに乗っていると感じた時の話をした時点で、私が抱えていた不安は消えていた。

私の話を聞いても、二人の真剣な表情には変化がなかったから。

⏰:09/06/23 16:50 📱:P906i 🆔:FroRXXEo


#26 [柚子]

「その一回だけのことだろうと、次の日にまた自転車で大学に行ったんです」

空さんと亮太さんだけでなく、私の話を笑う人は誰もいなかった。

「行きは何も起こりませんでした。だから安心して、帰りも自転車に乗ったんですけど…」

⏰:09/06/23 16:52 📱:P906i 🆔:FroRXXEo


#27 [柚子]

「また誰かが後ろに乗っているような気配がした?」

そう言ったのは、優さんだった。

私は首を縦に振り、言葉を続けた。

「行きは何もないんですけど、帰りは…」

⏰:09/06/23 16:53 📱:P906i 🆔:FroRXXEo


#28 [柚子]

必ず背後に誰かの気配を感じる気味が悪いその自転車に、私は今も乗っている。

実家からの仕送りだけで一人暮らしをしている私には、新しく自転車を買い換える金銭的な余裕がない。

あの自転車だって、リサイクルショップで安く買ったものだ。

⏰:09/06/23 16:54 📱:P906i 🆔:FroRXXEo


#29 [柚子]

心霊の類いが好きな友達にそれとなく相談した私は、その時初めてこのサークルの存在を知った。

「学祭でコックリさんの店出してたサークルだよ」

と言われても、何のことだかわからなかった。

⏰:09/06/23 16:56 📱:P906i 🆔:FroRXXEo


#30 [柚子]

でも今、私の話を笑わずに聞いてくれている彼らを見ていると、相談して良かったと思える。

信じてもらえないかと思っていたのに、亮太さんは

「その自転車が見たい」

と言ってくれた。

⏰:09/06/23 16:57 📱:P906i 🆔:FroRXXEo


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