サークル ー番外編ー
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#71 [柚子]

でもそれは純くんにとって二回目の

“笑いごとじゃない”

事態だった。

「わ。わわっ。ちょ…ちょっと待って。部長と合流したらすぐ出発しますから」

あれは多分、後ろの人に言っていたんだと思う。

⏰:09/06/23 19:51 📱:P906i 🆔:FroRXXEo


#72 [柚子]

思えば、私が後ろの人の存在を信じたのはあの時だったかもしれない。

だって純くんが漕いでいないのに、自転車の車輪は回転を続けていたから。

驚いている私を残して、純くんを乗せた自転車は意思を持って走り始めた。

⏰:09/06/23 19:54 📱:P906i 🆔:FroRXXEo


#73 [柚子]

私は慌てて後を追った。

でも猛スピードで進む純くんに私が追い付けるわけもなく、何度目かの曲がり角で、私は純くんを見失った。

仕方なくとぼとぼと自転車を押しながらさっきいたコンビニまで戻ると、駐車場に亮太さんの車を見つけた。

⏰:09/06/23 19:55 📱:P906i 🆔:FroRXXEo


#74 [柚子]

車に駆け寄った私は、早口で事情を説明した。

話を聞いた亮太さんは

「そのうち連絡あるだろ」

と、落ち着いていた。

亮太さんの言葉通り、純くんからの着信があった時、私は助手席に座り、車内のクーラーで涼んでいた。

⏰:09/06/23 19:56 📱:P906i 🆔:FroRXXEo


#75 [柚子]

「どこにいるか分かった」

電話を切った亮太さんは、一度も迷うことなく純くんのいる場所まで車を走らせた。

純くんは、中学生くらいの男の子と一緒に一軒家の前に立っていた。

⏰:09/06/23 19:57 📱:P906i 🆔:FroRXXEo


#76 [柚子]

亮太さんの車を見つけ、車に向かって手を振る姿を見て私はホッとした。

事故に遇わないのが不思議なくらいのスピードで走っていたから。

「あのさ…」

⏰:09/06/23 19:58 📱:P906i 🆔:FroRXXEo


#77 [柚子]

車のそばまで来た純くんは、私を見ながら言った。

「あの自転車返してあげてもいいかな?」

「えっ?」

「あの自転車…あそこにいる男の子のお母さんのなんだ」

⏰:09/06/23 19:59 📱:P906i 🆔:FroRXXEo


#78 [柚子]

純くんは男の子に目をやりながらそう言った。

「でも私、リサイクルショップで買ったんだけど…」

純くんは少し声を落とし、頼むよって顔をした。

⏰:09/06/23 19:59 📱:P906i 🆔:FroRXXEo


#79 [柚子]

「あの子のお母さん、いつも自転車に乗ってたんだって」

「乗って…た?」

「うん。三ヶ月前に事故で亡くなったらしい」

私は返事に困った。

⏰:09/06/23 20:01 📱:P906i 🆔:FroRXXEo


#80 [柚子]

「いつもは自転車なのに、その日に限って乗り慣れてない車に乗った。酷い雨だったらしい」

純くんは、まるでその光景を見ていたかのような話し方だった。

お母さんかあの男の子のかどちらから聞いた話なのかは分からなかった。

「でも何で自転車がリサイクルショップに…」

⏰:09/06/23 20:02 📱:P906i 🆔:FroRXXEo


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