柚子 ー短編・中編ー
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#61 [柚子]

彼女はコンビニから一番近い駅で足を止めた。

電話を切った彼女は、鏡を取り出し髪型を整えていた。

誰かと待ち合わせをしているのだと、名探偵じゃない俺にも容易に想像できた。

⏰:09/06/28 15:22 📱:P906i 🆔:rbYytCdI


#62 [柚子]

彼女が見える位置に車を路駐し、煙草に火をつけた。

彼女が嬉しそうに手を振って車に駆け寄ったのは10分ほど経ってからだった。

そのまま車に乗り込んだ彼女を乗せた車を、俺はまた追いかけた。

⏰:09/06/28 15:23 📱:P906i 🆔:rbYytCdI


#63 [柚子]

その車がファミレスに入ったので、俺も後に続いた。

車から降りてきたのは彼女と男だった。二人は手を繋ぎ店内へと姿を消した。

少し迷って、俺も店内へ入ることにした。

⏰:09/06/28 15:24 📱:P906i 🆔:rbYytCdI


#64 [柚子]

(ここまできたらとことん尾行してやろう)

そんな意気込みで、入り口のドアを開けた。

店内を見回すと窓側の席に彼女の姿を見つけた。

⏰:09/06/28 16:14 📱:P906i 🆔:rbYytCdI


#65 [柚子]

案内された席からは相手の男の姿は背中しか見えなかった。

注文を済ませるとトイレへ向かった。

トイレへは、彼女のいる席の横を通るのが自然なルートだったからだ。

⏰:09/06/28 16:15 📱:P906i 🆔:rbYytCdI


#66 [柚子]

ちょうどその席の横を通る時、男の話し声が耳に入ってきた。

「クリスマスと言えばやっぱ酒だよな!」

聞き覚えのある声だった。

⏰:09/06/28 16:16 📱:P906i 🆔:rbYytCdI


#67 [柚子]

「去年もその前も、塀の中だったもんねー」

通りすぎようとしていた足を止め、振り返って男の顔を見た。

忘れもしない。渚を暴行したあのグループの一人の顔がそこにはあった。

⏰:09/06/28 16:17 📱:P906i 🆔:rbYytCdI


#68 [柚子]

「あ?何ジロジロ見てるんだよ、おっさん!」

威勢良く言葉を吐くそいつは、俺の顔など覚えてもいないようだった。

殴りかかりたい衝動を必死で抑え、席へ戻った。

⏰:09/06/28 16:19 📱:P906i 🆔:rbYytCdI


#69 [柚子]

あの再会は、神様からのクリスマスプレゼントだったんじゃないかと思う。

あのクリスマスの日、俺は生き返った気分だった。

渚がいなくなって死んでいた心が、感情を取り戻したのだ。

⏰:09/06/28 16:22 📱:P906i 🆔:rbYytCdI


#70 [柚子]

止まっていた時間が動き出すとは、ああいうことを言うのだろう。

俺の時計は動き出した。

憎しみと怒りを単3電池の代わりにして。

⏰:09/06/28 16:23 📱:P906i 🆔:rbYytCdI


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