―‥ 殺したいほどに ※BL
最新 最初 🆕
#1 [雪]


何度も夢を見たんだ


君は、 誰だっけ ‥?


>>1-50

⏰:09/09/22 23:34 📱:D905i 🆔:kWoLOAIg


#2 [雪]

誰だっけ‥

夢の中で
いつも俺を呼んでんだ

誰だっけ‥

「‥い ‥い ‥かい‥
海 !!

早く起きなさいよ !」

ベチーンと
すっかっとするような音と共に
右頬に痛みが走った

⏰:09/09/22 23:38 📱:D905i 🆔:kWoLOAIg


#3 [雪]

あぁ ‥
もやもやすんなぁ。

俺はひりひりする右頬を
軽く撫でて 眠たそうに言った

「‥はよ」


今日も友梨は元気だった

友梨ってのは俺の彼女で
一年くらい付き合ってる

ちなみに同棲中

⏰:09/09/22 23:43 📱:D905i 🆔:kWoLOAIg


#4 [雪]

大学は違うけど
友達の紹介で知り合った

普通にかわいいし
普通に優しいし
普通に泣くし怒るし
普通にいいやつ
ちょっと気が強いかな

いつもこうして
朝はやーく起こされる

「‥ねみ。」

⏰:09/09/22 23:46 📱:D905i 🆔:kWoLOAIg


#5 [雪]

カーテンを一気に開けるもんだから
眩しいったらありゃしねぇ

「目が潰れるわーどあほ」

朝が苦手な19歳。
栗色の髪が寝癖パラダイスで
目は死んだ魚の目
布団ごちゃごちゃ

ひどい時には
床にこんにちはしてやがる

とりあえず
朝は生き生きしていないわけで

⏰:09/09/22 23:50 📱:D905i 🆔:kWoLOAIg


#6 [雪]

「あたし先行くよ ?」

俺の寝癖を
さりげなく直して
友梨はガチャンと出ていった


‥ ねみ。

あー‥誰だっけかなぁ
胸くそ悪い

⏰:09/09/22 23:54 📱:D905i 🆔:kWoLOAIg


#7 [雪]

たまに見る夢だった

俺くらいの年の男が
「海ー海ー」って
馴れ馴れしく呼んでんだ

知らない奴ではないはず
嫌な気にはならなかった
むしろ
なんか心地よかった


確かいっつも
笑ってたような‥
気もしなくもないような‥

あー‥わけわかんね。

⏰:09/09/22 23:58 📱:D905i 🆔:kWoLOAIg


#8 [雪]

「んー‥」

寝ぼけながら考えながら
ぼーっと歯を磨く

寝癖からパーマへと変身させて
速攻着替えて
家を出た

飯‥忘れた。

俺が飯を抜くなんて前代未聞
どんだけ夢が気になってんだよ

⏰:09/09/23 00:03 📱:D905i 🆔:uoG52s76


#9 [雪]

電車に乗って
いつも通り大学に向かう

ふと吊革の向こうの
広告に目をやった

きゃぴきゃぴした感じの
ピンクな広告に目が行く

そりゃ俺だって男。


んまぁ、
電車にそんな広告があるはずはなく‥

⏰:09/09/23 00:08 📱:D905i 🆔:uoG52s76


#10 [雪]

友梨の女子大の広告だった。

そーいえば
今日文化祭だとかなんとか
言ってた気がする‥。


行ってやりたかったけど
今日テストあるしなぁ‥

案外俺は真面目で
案外‥ってこたぁないな

ちっちゃい頃から
学校を休むのが嫌だったわけで

⏰:09/09/23 00:11 📱:D905i 🆔:uoG52s76


#11 [雪]

正直行く気はもともとなかった

女にきゃーきゃー言われるのが
なんか最近苦手だったから

いつものように講義を受け
友達の修也が飯食いながら

「今日友梨ちゃんとこ文化祭だろ?」

‥出たよ女好き。

「行けばよかったなぁー
可愛い娘いっぱいなんだろーな」

興味ねぇなぁ

⏰:09/09/23 00:16 📱:D905i 🆔:uoG52s76


#12 [雪]

俺は頬杖をついて
退屈そうに頷いた

「俺は友梨だけだってか?
かっこいい上に一途とか
嫉妬しちゃうねー海くん。」

「どうだかねぇ」

無意識にそんな言葉をこぼした
なんとなくマンネリ化 ?
よくわかんないくど
女を通り越した存在になりつつあって

刺激がほしいのか ?

⏰:09/09/23 00:21 📱:D905i 🆔:uoG52s76


#13 [雪]

嫌いとかじゃなくて
なんだろーな‥

「友梨ちゃんいい女なのにー
いらないなら俺がもらうよ?」

「‥うん。」

適当に返事をした
友梨には悪いけど
今俺の頭んなかはアイツでいっぱいで

どうしょもなかったんだ。

⏰:09/09/23 00:26 📱:D905i 🆔:uoG52s76


#14 [雪]

修也はにやっと笑って
どこかへ行っちまった‥

あいつのことだ
本気で友梨に手を出すだろう
俺はいたって冷静だった


‥―
家に帰ると
もう友梨が先に帰ってたようで
電気がついていた

⏰:09/09/23 00:32 📱:D905i 🆔:uoG52s76


#15 [雪]

とりあえず
文化祭行けなかったことを謝ろうと
ドアを開けた瞬間

バタバタっと
友梨が駆け寄ってきた

「おかえり♪
文化祭話しかけたのにー‥
気付かなかったの ??」

は ?
酔ってんのか?こいつ

⏰:09/09/23 00:36 📱:D905i 🆔:uoG52s76


#16 [雪]

「わりぃ
俺行けなかったんだ。
誰かと見間違えたんじゃねぇ?」

「そうなんだぁ‥
見間違えたのかも。」

あっさりと受け入れて
俺の手を引いた

ついに友梨も
俺と誰かを見間違えるようになったんだな

友梨も今の俺と
同じ気持ちだったりして。

⏰:09/09/23 00:40 📱:D905i 🆔:uoG52s76


#17 [雪]

そんなこと思う頭の片隅には
やっぱりアイツがいた。

そうこうしていたら
珍しく友梨が甘えてきたわけで
少し戸惑った


「今日いろんな人に
アド聞かれたりしたけど‥
みーんな断ったよ!海がいるもんね」

自慢げに誇らしげに言っていた
もはや
嬉しいとも思わなくなってた俺は
"友梨の彼氏の海"を演じてみる

⏰:09/09/23 00:47 📱:D905i 🆔:uoG52s76


#18 [雪]

「ありがとな」

にっと笑って友梨を撫でた


「ねぇ?」
妙に友梨が積極的で
なんだか不自然。

気のせいか ‥?

俺をソファーに軽く押し倒して
軽くキスをされたんだが‥

‥。
いつもはスイッチ入るくせに
今日はそういう気分じゃなかった

⏰:09/09/23 11:10 📱:D905i 🆔:uoG52s76


#19 [雪]

「わりぃ、
ちょっと体調悪いんだ‥」

嘘をついた。
なんだかもやもやする

嫌な予感がしたけど
追うつもりもなければ
責め立てるつもりもない

もう無理だ‥。

⏰:09/09/23 11:12 📱:D905i 🆔:uoG52s76


#20 [雪]

先に寝ると言って
俺は布団にくるまった。

俺の匂いと友梨の匂いが混ざってて
きもちわりぃ‥

枕に顔を伏せて
―‥ またあの夢を見た


誰だっけかなぁ‥
未だにわかりゃしない

⏰:09/09/23 11:15 📱:D905i 🆔:uoG52s76


#21 [雪]

最近
あの夢を見ることが楽しみになっていた
なにより心地いい時間だった。

ジリリリリ‥

いつの間にか朝になっていて
耳元で鳴る目覚ましを乱暴にあつかった

「‥ねみ」

友梨がいねぇ‥
カーテンも開いてなかった

あ‥メールだ。

⏰:09/09/23 11:19 📱:D905i 🆔:uoG52s76


#22 [雪]

―――――――――
少し出かけてくるね。
夜には帰ります。

友梨より
―――――――――

勘が働いたようで
なんとなくだけど
友梨が男といるってわかった

むかつかなきゃいけねーのに
悲しまなきゃいけねーのに

俺はほっとしていた。

⏰:09/09/23 11:22 📱:D905i 🆔:uoG52s76


#23 [雪]

一年もつき合ってきたけど
好かれるために精一杯で
ほんとの自分なんか見せちゃいない。

あぁ‥俺疲れたんだ

やっと気づいて
気分転換に外に出ることにした


そこに
俺の欲しいものはあった。

⏰:09/09/23 11:25 📱:D905i 🆔:uoG52s76


#24 [雪]

唯一のストレス発散法は
衝動買いだった。

そんなわけで
服屋に行くことに‥

「もう秋物かぁー」

いつの間にやら
並ぶ服の色も暗くなってきていた


休日なのに客少ねぇなぁ‥

客は俺とあと一人だけ
珍しい

⏰:09/09/23 12:55 📱:D905i 🆔:uoG52s76


#25 [雪]
あ‥これいいかも

そう思って服に手を伸ばすと

ヒョイと
もう一人の客に先に取られた


‥ ちくしょ。

仕方なく他のとこを見て回る


あ‥これいいかも

するとまた ヒョイと
ヤツに取られてしまった


んだ こいつ。

⏰:09/09/23 12:58 📱:D905i 🆔:uoG52s76


#26 [雪]

たまたまだとしても
むかつく‥

しかもどうやら買うらしく
その服を抱え込んでいる


‥次行こ。

なんか嫌になったから
違う店に行こうと店を出ると


後ろから足音が近づいてきた

そしてアイツの声が聞こえたんだ

⏰:09/09/23 13:03 📱:D905i 🆔:uoG52s76


#27 [雪]

「海ー海ーっ!!」

その瞬間
心臓が飛び跳ねそうだった

頭ん中のもやもやが
一気に晴れた気がしたが‥

俺の後ろにアイツがいる
そう考えたら
嬉しい反面惜しくも思える


恐る恐る‥少し期待をして
思い切って振り向いた。


「‥んなっ‥」

⏰:09/09/23 13:07 📱:D905i 🆔:uoG52s76


#28 [雪]

時が止まったみてぇ‥

夢の中のアイツが
今俺の目の前にいる

しかも‥

はぁああぁあ ?

⏰:09/09/23 18:23 📱:D905i 🆔:uoG52s76


#29 [雪]

‥なんか、え ?

「海ーっ」

ガバッと一瞬にして抱きつかれた

だってよぉ‥
こいつ見たことある。


鏡で見てる俺の顔だ‥

⏰:09/09/23 18:30 📱:D905i 🆔:uoG52s76


#30 [雪]

そう
今俺に抱きついてるのは
俺と同じ顔。

ドッペルゲンガーだっけ ?
それか ??

そうだよな‥
世界中に3人だかなんだか
いるらしいし‥


「‥ってか、
こんなとこで抱きつくなよ!!!」

⏰:09/09/23 18:34 📱:D905i 🆔:uoG52s76


#31 [雪]

ドッペルゲンガーくんは
抱きついたまま
ぴょんぴょん跳ねてやがる‥


いつの間にか俺らの周りには
人 !人人人人人人 !!

そりゃそうだよなぁ。
こんな町中で男同士抱き合ってて
しかも同じ顔で

⏰:09/09/23 18:39 📱:D905i 🆔:uoG52s76


#32 [雪]

周りの視線が痛い。

ドッペル(略)くんは
気にもしてない様子‥


「ちょっ‥お前こっちこい」

ドッ(更に略)くんを抱え込み
人ごみをかき分けて

とりあえず
少し行ったところのファミレスへ

⏰:09/09/23 18:45 📱:D905i 🆔:uoG52s76


#33 [雪]

俺の目の前に座らせる

やっぱり同じ顔
本人の俺が見ても同じなんだから
端から見たら双子だなぁ‥

髪は黒と茶のツートーンだし
ちょっと俺より小さいし
なんか‥小動物っぽいし

違うって言えば違うけど

⏰:09/09/23 18:50 📱:D905i 🆔:uoG52s76


#34 [雪]

「海♪」

そんなニコニコして名前呼ばれても
‥反応しにくい。

「‥えーっと、唐突だけど 誰 ?」

俺のその質問に
驚いたように目をまん丸くして
こう言った。


「ゆ・い!!結!
わかんないの ?」

⏰:09/09/23 18:56 📱:D905i 🆔:uoG52s76


#35 [雪]

‥わかんねぇや。

「結 ?
んな名前、女でしか聞いたことねぇ」


するとニコニコした顔は
一気に曇った

「‥だよ。海の‥弟だよ」


は ? 今何て?

⏰:09/09/23 19:00 📱:D905i 🆔:uoG52s76


#36 [章]
続きが気になって
wktkしてます(゚ω゚)w←

⏰:09/09/26 00:42 📱:SH06A3 🆔:☆☆☆


#37 [雪]

章さんありがとです ^^*
へたくそですが
暖かく見守ってやってくださいw

⏰:09/09/26 09:26 📱:D905i 🆔:cXRV5epE


#38 [雪]

こいつ‥
頭イっちゃってんのか ?

「いや待て、人違いだな
俺は一人っ子だ
ちびの頃からひとりだ」

冷静にそして淡々と


すると
俺の言うことを予想してたかのように
鼻で笑われた

⏰:09/09/26 09:29 📱:D905i 🆔:cXRV5epE


#39 [雪]

ガサガサと
リュックの中を探り始めた

おいおい‥何が出てくんだ?
目を細めて見つめていると

「これ!見覚えない?」

そう言って
写真を手渡された

⏰:09/09/26 09:32 📱:D905i 🆔:cXRV5epE


#40 [雪]

俺と‥親父。

それと‥もう一人俺。



俺が2人 ??

⏰:09/09/26 09:35 📱:D905i 🆔:cXRV5epE


#41 [雪]

待て待て待て待て‥
落ち着け

頭がついて行かねぇ。
ゾッとした

俺は自分のカバンの中から
財布を取り出した。


「‥嘘だろ?」

一瞬にして俺の人生の歯車が狂う
ここまでくると
なんだか笑えてきちまうよ

⏰:09/09/26 09:40 📱:D905i 🆔:cXRV5epE


#42 [雪]

コイツの写真と俺の写真を
横に並べてみた

俺の写真はいびつな形をしてて
小さい頃から不思議に思ってた

俺を抱きかかえる親父
親父のもう片方の手のとこで
切られていた

この不思議な形は気に入っていて
親父のことも好きだったし‥

まさかこんなとこで
この形の意味がわかるなんて

⏰:09/09/26 09:44 📱:D905i 🆔:cXRV5epE


#43 [雪]

親父のもう片方の手には
"もうひとりの俺"の手が
しっかり握られていた。


なんだよ‥親父
なんで隠してたんだよ
なんで‥切らなきゃいけなかったんだよ


‥―すると結が口を開いた

「父さんを恨んじゃだめだよ
父さんは悪くないんだ」

⏰:09/09/26 09:51 📱:D905i 🆔:cXRV5epE


#44 [雪]

いきなり
いろんな事を知ったもんだから
なんだか頭が痛くなってきた。


「コイツは‥結なのか?」

写真の"もうひとりの俺"を指す
俺の指は小さく震えてた

「うん。‥一応、はいっ」

母子手帳を渡された
これを見てしまったら‥
全部受け入れなきゃいけねぇのか

⏰:09/09/26 09:54 📱:D905i 🆔:cXRV5epE


#45 [雪]

サエジマ カイ
冴島 海 O型 2984g

サエジマ ユイ
冴島 結 O型 2792g

一卵性双生児

⏰:09/09/26 10:01 📱:D905i 🆔:cXRV5epE


#46 [雪]

もう驚かなくなった。

意外と俺、素直に受け入れられんだな



俺‥双子だったんだ

⏰:09/09/26 10:02 📱:D905i 🆔:cXRV5epE


#47 [雪]

「‥なんかもっと
うまい伝え方できたらよかったんだけど
俺、バカだからさぁ。ごめんね ?」

初めて会ったような気がしなかったのは
俺らが兄弟だったから?

一緒にいて落ち着くのは
俺らが双子だったから?


「違うとこで‥話すか」

俺たちは場所を移動した

⏰:09/09/26 10:08 📱:D905i 🆔:cXRV5epE


#48 [雪]

時間を気にしてなかったが
もうあたりは暗くなり始めてた。

結は俺の少し後ろを
下を向きながら歩いてた

「‥んな、元気だせよ
教えてくれてありがとな」

すると
一気に元気が出たようで
にこにこと少し弾むように歩いてやがる

単純だなこいつ‥
なんかかわいいわ。

⏰:09/09/26 10:12 📱:D905i 🆔:cXRV5epE


#49 [雪]

さぁて‥どこ行くかなぁ。

「‥俺んち来るか?」

いや、特に深い意味はねぇよ?
うん。弟だからなうん

「‥行くぃ‥たいけど、いいの?」

行くぃってなんだよそれ

今までひとりだったから
誰か隣にいると
どんなことでも楽しかった

⏰:09/09/26 10:17 📱:D905i 🆔:cXRV5epE


#50 [雪]


>>51-100

⏰:09/09/26 10:18 📱:D905i 🆔:cXRV5epE


#51 [雪]

玄関をあけると

友梨が帰ってきてた。




案の定男と一緒に

⏰:09/09/28 22:47 📱:D905i 🆔:IjAAVtBU


#52 [雪]

大きなスニーカーが
友梨のヒールに寄り添うように
置かれてた。


さあ‥どうしようか


「誰か来てる‥うぅっ」
俺は結の口をふさいだ

⏰:09/09/28 22:51 📱:D905i 🆔:IjAAVtBU


#53 [雪]

「そこの部屋が俺のだから
ちょい、入って待ってて」

結の耳元でそう囁いて

冷静な足取りで
2人のいる寝室へ向かった。

⏰:09/09/28 22:53 📱:D905i 🆔:IjAAVtBU


#54 [雪]


「あぁ‥ん/
修也くん‥はぁはぁ‥/」

聞き飽きた声だ。

「ここ ?
友梨ちゃんって以外と‥」

やっぱり修也は有言実行だな
関心関心

「ひぁあ ッ/だめ //」

誰としても
同じような反応するんだ

今までにないくらい
俺は冷静にその声を聞いた

⏰:09/09/28 22:58 📱:D905i 🆔:IjAAVtBU


#55 [雪]

いきなり入ったら
非常識だよな。
それに男の裸なんて見たかねぇし‥

少し意地悪をしたかった
焦ってばたばたするとこ
落ち着きがない声
豆鉄砲くらったような顔

俺はそんなものが欲しくて

「友梨 ? ただいま」
ノックをしてそう言いドアをあけた

⏰:09/09/28 23:02 📱:D905i 🆔:IjAAVtBU


#56 [雪]

俺の望み通りに
ばたばたと音を立て
震えた声で「か‥海??」なんて‥
相変わらずわかってくれるよ友梨は

目をでっかくして
友梨も修也もこっちを見た


だから‥さあ
「俺、男の裸とか興味ねぇの。」

あえて微笑んでやった
憎たらしいんだろーなぁ。

⏰:09/09/28 23:07 📱:D905i 🆔:IjAAVtBU


#57 [雪]

「わりぃなあ‥。
お前がいらないって言うからさ
俺がもらっとこうと思ってね」

服を着ながらそう言われた

「海‥ごめんね
あたし、こんなつもりじゃ‥」

ドラマから引っ張ってきたみたいなセリフ
友梨はぼろぼろ泣き出した

⏰:09/09/28 23:23 📱:D905i 🆔:IjAAVtBU


#58 [雪]

修也は
スタスタと帰って行った。


服を乱したまま
泣きじゃくる友梨と

じっくり観察するように
それを静かに見つめる俺

温度差は確かだった

もう‥疲れたんだ。

⏰:09/09/28 23:26 📱:D905i 🆔:IjAAVtBU


#59 [雪]

‥冷酷になろうと思ったのだ。

「友梨‥大丈夫だよ」

優しく頭を撫でてやると
ぎゅっと飛びつかれた

「もうこんなこと‥ヒクッ‥しない」

俺は意外にも
傷ついたのかもしれないな
だからこんなに
体の力が抜けていくのか‥

⏰:09/09/28 23:30 📱:D905i 🆔:IjAAVtBU


#60 [雪]

傷ついた姿なんて
見せたくないもんだよな‥

突き放さなきゃ。

だから俺は優しくした

「友梨‥大丈夫だから
泣かないで ?」

そっと囁くと

ずっと一緒にいてくれる? と
期待混じりに見つめてきた

かわいいね‥友梨

⏰:09/09/28 23:34 📱:D905i 🆔:IjAAVtBU


#61 [雪]

「気にしてないから‥

他人だよ俺たち
感情移入なんてしない」

「‥海?」



「‥どうでもいいから正直。
もう疲れたんだ
"友梨の彼氏"は疲れたんだ」

⏰:09/09/28 23:37 📱:D905i 🆔:IjAAVtBU


#62 [雪]


ひどいって言って欲しくて
嫌われたくて‥

疲れたんだ
ただそれだけ。

「‥ごめんね。ごめんね」

やっと出たような
今にも消えそうな声で‥
友梨は出て行った

⏰:09/09/29 16:20 📱:D905i 🆔:HV43NjPc


#63 [雪]

小さな後ろ姿が
いつもより
小さく小さくなってた気がした

「ごめんな‥友梨」

ただ傷つけたかった。
ヤったとかヤってないとか
そういうんじゃなくて‥

ほんとの俺に絶望する前に
嫌いになってほしかったんだ

⏰:09/09/29 16:25 📱:D905i 🆔:HV43NjPc


#64 [雪]

俺、自己中なんだな

なんか疲れたからって
傷つけて消そうとして


嫌なやつ。最低なやつ。


友梨が俺のそばからいなくなって
開放感に浸る間もなく
そんなことばかりが頭に浮かんだ

⏰:09/09/29 16:32 📱:D905i 🆔:HV43NjPc


#65 [雪]

"俺"を見せるのが怖かった

"俺"を見せたら
ひとりになるって思うから


小さいとき
いろいろあって
いつの間にか人前では
完璧を目指してたわけで

すべてを器用にこなしてきたつもり

⏰:09/09/29 16:40 📱:D905i 🆔:HV43NjPc


#66 [雪]

誰一人として
"俺"を見たことはないはず。

誰一人として
俺は信じやしないよ


結局は弱いだけ

心ん中はいつもひとりだった

⏰:09/09/29 16:42 📱:D905i 🆔:HV43NjPc


#67 [雪]

すべてが表向きだけだから
何一つとして執着しない

だから正直
友梨のことはもう気にならないんだ


ひでえーなあ俺。

自らを客観視してあざ笑う
ばかな習慣が染み着いていた

⏰:09/09/29 16:45 📱:D905i 🆔:HV43NjPc


#68 [雪]

乱れた毛布を几帳面にたたみ
消臭スプレーを撒き散らし
結の元へ戻る

もう12時か‥。
珍しく、眠くねぇや


ガチャ

ドアをあけると
ソファーで気持ちよさそうに
結が寝てて、

なんだか目頭が
じんじんと熱くなった

⏰:09/09/29 16:49 📱:D905i 🆔:HV43NjPc


#69 [雪]

あんなに騒がしかったのに
こんな安心した顔で寝てるよ‥。

少し微笑み涙を溢れるくらい溜めた


ひとりじゃなかったんだなぁ‥
小さい頃から
結と一緒にいられたら
俺はもう少し
素直になってただろーな。

優しく頭を撫でてやった

⏰:09/09/29 17:04 📱:D905i 🆔:HV43NjPc


#70 [雪]

すると
ゆっくりと目が開いた

「‥か‥い。」

子犬みてぇな顔だなー。

「‥はよ。」

にこっと笑ってみせると
お帰り とはっきりしない声で言った。

⏰:09/09/29 17:08 📱:D905i 🆔:HV43NjPc


#71 [雪]

何か聞かれると思ったけど、
結は気を遣ったのか興味がなかったのか
何も聞こうとはしなかった。


‥―
「僕たちは双子。
2歳の時に、お父さんとお母さんが離婚して
僕はお母さんに
海はお父さんに引き取られた。」
結は一呼吸おいてから
淡々と今までのことについて話し出す

しっかりとした口調で

⏰:09/09/29 17:15 📱:D905i 🆔:HV43NjPc


#72 [雪]

母さんは
結のために一生懸命働いた。
そして、俺のためにも働き
お金を親父に送ってたらしい

11歳のときに
母さんはガンで死んだと言う
実の息子なのに
俺はそんなことさえ知らなかった。

全くと言っていいほど
今まで
俺は結や母さんと関係を持っていない

なぜこんなことになったのかは
わからないままだ。

⏰:09/09/29 17:22 📱:D905i 🆔:HV43NjPc


#73 [雪]

それから結は
母さんのお姉さん
つまり叔母のもとで育てられた

「中学までは行かせてもらって
卒業してから自分で働いて
ずっとひとりでここまできたんだ」

そう言った。

⏰:09/09/29 17:25 📱:D905i 🆔:HV43NjPc


#74 [雪]

俺の知らなかった
俺の弟の生涯。

辛いのは
俺だけじゃなかったんだな‥


胸の奥が
ズシッと重くなる

「働いて‥って、何してんの?」

まさかとは思ったが、

⏰:09/09/29 17:29 📱:D905i 🆔:HV43NjPc


#75 [雪]

ホストでもやってんじゃないか‥?

そんなことがふと脳裏を支配した。


「‥えーっと、」

言葉をつまらせるってことは
やっぱりか‥


しかし、結からは
俺が想像もしなかった言葉が出てきた

⏰:09/09/29 17:33 📱:D905i 🆔:HV43NjPc


#76 [雪]


「‥援交‥。逆援交。」

⏰:09/09/29 17:33 📱:D905i 🆔:HV43NjPc


#77 [雪]

‥はぁ?

世の中には
逆なんてあんのか?

言葉を失う俺に
付け足すように言った

「お金が必要だったから‥
叔母さんにもお金返さなきゃだし、
ひとりで生活しなきゃだし‥
逆援はすぐお金もらえるしね、
喜んでもらえるんだ。

俺のために
たくさんの女の子が集まってくれる
いつも誰かといられるんだよ?」

⏰:09/09/29 17:37 📱:D905i 🆔:HV43NjPc


#78 [雪]

‥結も、寂しいんだな

そう思ったら
叱ってやれなかった。

「でもね、やめようと思うんだ。
海に会えたし
僕、変われる気がする。」

俺はこいつと一緒にいなきゃいけないんだ
そう悟った。

弟に寂しい思いをさせちゃいけねぇ‥

結の手首の傷を
見て見ぬ振りをできなかったから

⏰:09/09/29 17:43 📱:D905i 🆔:HV43NjPc


#79 [雪]


「結‥今日泊まっていけよ」

心配でならなかった
こいつはいつも独りだった
辛かっただろうな‥

「‥いいの?」

ほんとに犬みてぇだな
かわいいやつ。

結はありがとうと言って
俺に抱きついた

⏰:09/10/04 13:50 📱:D905i 🆔:HFiTrH2Y


#80 [雪]

結の服からは
女物の香水の匂いがした。

俺と会う前も
"仕事"してたのか。

胸が痛む

男からしたら
自分自身には何の害もない
病気になるかもしれないけど‥

だけど俺はなぜかむかついたんだ
結が誰にでもしっぽを振って
かわいがられて‥

⏰:09/10/04 13:59 📱:D905i 🆔:HFiTrH2Y


#81 [雪]

何人もの女が結を触るんだ

汚らわしい。

今日、弟だと知った。
だけど一気に芽生えた



独占欲

⏰:09/10/04 14:01 📱:D905i 🆔:HFiTrH2Y


#82 [雪]

その日は
2人で寄り添って眠った


俺は結を強く強く抱きしめた
こいつの負ってきた傷を
全部俺が代わりに‥

負ってやりたかった。


だってこいつは
辛いくせに寂しいくせに
笑顔を振りまくんだ。

純粋すぎて、切なくなるな

⏰:09/10/04 14:09 📱:D905i 🆔:HFiTrH2Y


#83 [雪]

‥いっ ‥かい ‥海ーっ


また夢を見た。
いつものあの心地いい‥

結が俺を呼ぶ夢


「海ぃいいぃい !!!!」

鼓膜が破れそうだった

⏰:09/10/04 15:18 📱:D905i 🆔:HFiTrH2Y


#84 [雪]

「‥んだよばかっ!
んな馬鹿でかい声出されたら
鼓膜破れるわ !!」

飛び起きて早々怒鳴り散らす俺を無視して

「学校でしょ!?遅れるよ!!」


‥あ、ほんとだ。

「ほら早く着替えて!ほら」

なんか‥母ちゃんみてーだなこいつ(笑)

⏰:09/10/04 15:22 📱:D905i 🆔:HFiTrH2Y


#85 [雪]

結局
着替えてる途中に
口んなかにパン突っ込まれて
寝癖ぴょんぴょんのまんま
玄関に出された。

んな、急がなくても‥


「いってきまーす。」
されるがままに玄関を開けようとした

すると

「海っ待って!!」

早くしろとか待てとか
どっちなんだよおい。おい。

⏰:09/10/04 15:26 📱:D905i 🆔:HFiTrH2Y


#86 [雪]

「はいっ♪」

そう言って手渡された
ずっしりとした巾着袋。

「‥なにこれ」

にこにこしながら
お弁当♪と答えられたが、

‥なんでだか
新婚夫婦の朝の風景みたいなかんじで

むずかゆい。

⏰:09/10/04 15:29 📱:D905i 🆔:HFiTrH2Y


#87 [我輩は匿名である]
あげる

⏰:09/10/24 08:29 📱:W64SH 🆔:8y7tuGC.


#88 [雪]

久しぶりに
書きたいと思います !!

⏰:09/11/04 16:34 📱:D905i 🆔:Z2Iaeddw


#89 [我輩は匿名である]
まってました∀

⏰:09/11/04 22:43 📱:W64SH 🆔:mtIzJN7w


#90 [雪]

そんなこんなで
結局遅刻ぎみに家を出た。

誰かに送り出されるのって
いつぶりだろう‥

弁当持たされたのも
久しぶりだなー‥


「にしても、弁当
重すぎやしないか‥?」

だけどその重みが
なんだか嬉しかった

⏰:09/11/04 23:51 📱:D905i 🆔:Z2Iaeddw


#91 [雪]

ベンチに座って
例の巾着を開ける

蓋を開けると‥

「宝石箱やぁ〜‥って、
本気で宝石箱みたいだな」

そこには
テレビでしか見たことないような
豪華なおかずが詰まってた。

なんかもはやお節みたいな‥
でっかい海老とか、丸ごと入ってる

⏰:09/11/04 23:57 📱:D905i 🆔:Z2Iaeddw


#92 [雪]

誰かに見られるのは
少し恥ずかしかったけど、
正直うれしかった。

「結って料理得意なんだなぁ‥」

「新しい彼女?」

ぽつり呟いた独り言に
なぜか返事が帰ってきた。

驚いて目を向けると
「あ‥真由美ちゃん」

⏰:09/11/05 00:01 📱:D905i 🆔:9fJnHxLI


#93 [雪]

「おいしそうだねー♪」

真由美ちゃんは
同じ学部の同級生。
‥修也の元カノ

「あぁ‥うん」

もう俺と友梨が別れたって
知ってんのかよ‥。

「あ、彼女じゃないよ」

動揺を隠すために
緩く笑って見せた。

⏰:09/11/05 00:06 📱:D905i 🆔:9fJnHxLI


#94 [雪]

ふぅん と言って
流すかと思いきや‥
真由美ちゃんはそうはいかない。

「えーじゃあ友達?
お母さんとかっ?」

キャピキャピした子は
どうやら俺は苦手らしい。
今‥気付いた

「あぁー‥うん、まぁ」

適当に流して嘘を付いた。
"弟"なんて言ったら
きっと修也と同じように
食ってかかられる(笑)

⏰:09/11/05 00:45 📱:D905i 🆔:9fJnHxLI


#95 [雪]

「そうなんだぁー‥」

無理やり納得したようで
真由美ちゃんは
俺を観察するようにじっと見つめていた

「あ、そうだ
今度‥海くんデートしない?」

デ‥デート‥だと?

「海くんのこともっと知りたいし
ねぇ?いいでしょ?」

展開が早すぎてついて行けず
あほらしく
ぽかんと口を開けたままだった

⏰:09/12/04 12:40 📱:D905i 🆔:/pht6/sY


#96 [雪]

「あぁー‥えっと‥」

最近苦手になった女の子。
ましてやきゃぴきゃぴされたら
たまったもんじゃない。

そのたまったもんじゃない女の子が
俺をデートに誘っている。

断りたい‥断りたい‥
断り‥

「じゃあ決まりね♪」

「‥は?!」

⏰:09/12/04 12:43 📱:D905i 🆔:/pht6/sY


#97 [雪]

「ちょっと待って!俺‥」

マシンガン野郎だほんと。

真由美ちゃんは
無理やりだとわかっていて
話を進めているのがわかった。

「詳しいことはまた後で♪」

またねと手を振り
ヒラリとスカートを揺らし
嵐は去っていった。

その時から俺は頭をフルに使い
やんわり断る理由を考え始めた

⏰:09/12/04 12:47 📱:D905i 🆔:/pht6/sY


#98 [雪]

「まじ勘弁‥」

結に相談しようと決めて
いつもより早く帰った。

――――――‥

窓から明かりがもれていた。
結は家にいるらしいとわかったら
何だか胸が弾んだ。

ガチャ
「ただい‥「おかえりー!!!!」

玄関を開けた瞬間
勢いよく吹っ飛んできやがった。

⏰:09/12/04 12:50 📱:D905i 🆔:/pht6/sY


#99 [雪]

「た‥ただいま」

友梨とはまた違う新鮮な出迎え。
弟ににやける俺。
おい俺、しっかりしろ俺。

‥ギュウウウ
「おかえり、」

一気にさっきのテンションから
寂しそうな声を出して
結が抱きついてきた。

自然と緩んでいた口元に
俺ははっと我に返る。

⏰:09/12/04 12:55 📱:D905i 🆔:/pht6/sY


#100 [雪]

>>100-150

⏰:09/12/04 12:56 📱:D905i 🆔:/pht6/sY


#101 [雪]

「ねぇ‥海?」

上目遣いで見つめる結。
‥ときめいてしまった俺を
どうかお許しください神様(笑)

「ご飯、食べた?」

そんなこと聞くために
こんな可愛い顔されちゃ‥、

「まだ‥だけど?」

まともに目を合わせられない

⏰:09/12/04 22:35 📱:D905i 🆔:/pht6/sY


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