ピンクな気分。U
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#236 [のの子]
 
っ?
ガシッ

「ひぁっ‥‥」

後ろから私の目を隠すよう大きな腕が私に被さった。

「しかもバカなくせに短気で泣き虫でチビで‥」

チビは余計でしょ‥

「‥はぁっ全く手間が掛かってほっとけないバカ女だな、お前の元カノは。」

「っ‥またバカって言ったぁ‥」

大きな腕が被さった事で涙はこぼれたけど、泣き顔をみせる事も彼がどんな顔をするか見る事もない。

また助けられた‥

勝手にしろって言ってたくせに‥なんでいるの?

彰君‥
.

⏰:09/11/17 22:34 📱:SH06A3 🆔:wt7S7trI


#237 [のの子]
 
「なんで彰がいんの?」

竜二君の冷静な声が聞こえた。

‥彰君も竜二君もどんな顔をしているんだろ?

私は彰君の大きな腕に顔をうめるよう、ただじっとする。

「別に〜。生意気なこいつにお仕置きしに来ただけだよ。」

お仕置き?

「まさかお前がいるとは思わなかったけど‥まぁこいつ連れてくから。」

グッと引っ張られて私はモタモタしながら歩く。
.

⏰:09/11/18 00:56 📱:SH06A3 🆔:Ugr4bHZk


#238 [のの子]
 
前‥見えないや‥

大きな腕から少し離れ彰君を見上げると、彰君が私服で来ていた事に初めて気づいた。

「‥泣き虫。しっかり歩け。」

彼はそう一言言うと今度は私の肩を抱いてまた一歩ドアに向かう。


「ちょっと待って。」

竜二君が私達を呼び止める。

⏰:09/11/18 01:07 📱:SH06A3 🆔:Ugr4bHZk


#239 [のの子]
 
「聡美ちゃんこれ‥これを返すために今日来たんだ。受けとって?」

「なにそれ?ピアス?」

っ!

彰君が振り返って小さなピアスを睨む。

「あっ‥あれ私のなの。だから‥」

彰君の黒いTシャツ掴む。

「‥んだよっめんどくせぇな。竜二、投げて。」

「なんでお前は上から目線なんだよ‥ほらっ。」

キラッ

竜二君の手から離れたピアスが一瞬輝いて彰君の手の中に渡った。
.

⏰:09/11/18 22:18 📱:SH06A3 🆔:Ugr4bHZk


#240 [のの子]
 
「はいよ。」

「ありがと‥」

数ヶ月ぶりに私の手に戻ってきたピアスは変わらず輝いている。

でも、私の耳にはもう片割れのピアスはない。

竜二君と別れた日、どこかに落としたのかいつの間にかなくなってた。

このピアスも私と同じで一人ぼっちなんだ。

一人ぼっち‥‥
.

⏰:09/11/18 22:26 📱:SH06A3 🆔:Ugr4bHZk


#241 [のの子]
 
「‥‥‥竜二君‥」

やっと出た小さな声。

「?‥なに?」

「私達‥別れたらどうなるの?」

一人ぼっちは寂しくて悲しくて怖い。

やっと竜二君の方を向くと、竜二君はにっこり優しく笑っていた。

いつも私を見つめていたあの優しい温かい目。

「大丈夫‥友達だよ。」


‥私達の赤い糸の繋がりはなくなってしまったけど、また違う繋がりがそこにはあった。

それは私には十分な繋がりだった。

⏰:09/11/18 22:36 📱:SH06A3 🆔:Ugr4bHZk


#242 [のの子]
竜二Side

「友達か‥」

二人がいなくなった暑い教室に俺はポツンと一人残った。

聡美ちょっと痩せた?俺と別れたからかな‥

そんな事を考えながら机に顔をつけて窓の外を見つめる。

‥嘘つくのってこんな辛くて体力使うんだな。

スッと目の前に手を置く。

キラッ

俺の手で光ったのは‥聡美のピアス。
.

⏰:09/11/18 22:44 📱:SH06A3 🆔:Ugr4bHZk


#243 [のの子]
 
あの日聡美が俺の家から飛び出して行った後、母さんがこのピアスを見つけた。

きっと聡美はどこかでなくしたと思ってるだけで、俺が持ってるとは思ってないだろう。

「やっぱこれも返すべきだった?」

コロコロと転がるピアスをただじっと見つめる。

ってかなんで彰いたんだろ‥?あの二人俺がいなくなった途端にあんな仲良しとかひでぇ〜。

『手間が掛かってほっとけない』

そうだよ。そこが聡美の可愛いとこで魅力なんだっつーの!

⏰:09/11/18 22:54 📱:SH06A3 🆔:Ugr4bHZk


#244 [のの子]
 
二人の並ぶ姿を思い出すと腹がたつのと同時に、なんとも言えない切なさが込み上げる。

あの事を二人が知るのももうすぐだろう‥

どうなるかわからないけど、俺は二人を見守る。今の俺にはそれぐらいしかできないから。

キュッとピアスを握りしめる。

「好きだよ、聡美‥」

聡美なら大丈夫。

彰も‥二人なら大丈夫だよ。

だから笑って?
.

⏰:09/11/19 01:58 📱:SH06A3 🆔:iLN2SllM


#245 [のの子]
聡美Side

「どうした?」

私が立ち止まって大きな校舎を見上げてるのを、彰君は不自然そうに見つめる。

「ん〜‥竜二君はまだ帰らないのかなって思って。」

「また泣かされたくせにあいつの心配すんのかよ。こりねぇ奴だな。」

ムッと彰君を睨むと彰君はふっと笑って歩きだす。

私もその後をついて歩く。

「あっつ‥」

「今日最高39°らしいよ。」

ミーンミンミーン

真夏の太陽が私達を照り付ける。

⏰:09/11/19 20:37 📱:SH06A3 🆔:iLN2SllM


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