― 短編箱 ―
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#8 [栢]
彼女の腕に
力が入るのがわかる。
その言葉を待っていたんだろう
ただ"好きだよ"と
言われたかったんだろう。
期待に応えられなかった俺。
情けない男だ
:09/10/02 15:59 :D905i :xQZDlkoQ
#9 [栢]
「太一、
好きって言ってくれたことない」
ふてくされたような
今にも泣き出しそうな
そんな声で言われちゃあ‥
グサッと棘がささる。
女の子ってわからない
:09/10/02 16:02 :D905i :xQZDlkoQ
#10 [栢]
なんで?
あたしのこと好きじゃない?
俺に問い詰める声が
だんだんと小さく
だんだんと安定感をなくしていく
2年間も不安にさせていたんだと
ここでやっと気づいたのだ。
だけど
女の子ってわからない
言わなきゃだめ?
:09/10/02 16:05 :D905i :xQZDlkoQ
#11 [栢]
そして遂に
彼女は泣き出してしまった。
いつだって笑ってた彼女
時々落ち込んだり、怒ったりはしたけど
俺の前で泣いたことはなかったのに
今目の前で泣いている彼女を
どうするべきなのか
わからなかった
本当に情けない男
:09/10/02 16:15 :D905i :xQZDlkoQ
#12 [栢]
どうしても
言ってやれなかった。
気持ちは確かなのに
言葉にすることを拒む口
この気持ちを
たった二文字で表すことを
惜しく思ってて、
今まで言葉にできなかったんだけど‥
:09/10/02 16:21 :D905i :xQZDlkoQ
#13 [栢]
黙り込む俺を見かねてか
「わかった」
と小さく呟いて
俺を抱きしめる手を話した。
そのまま言ってやればよかったのに
好きじゃ伝わりきらないって
言ってやればよかったのに、
‥情けない男は彼女を失った
:09/10/02 16:24 :D905i :xQZDlkoQ
#14 [栢]
あれから5年が経つ
「女の子ってわからんないよ」
「好きって言って欲しいのよ。
ただ言葉にしてもらえるだけで
安心するものなの」
「好きなんかじゃ足りない場合だって
あるんだからな?」
そんな口論は日常になった。
:09/10/02 16:28 :D905i :xQZDlkoQ
#15 [栢]
未だに好きだと言わない俺に
彼女はすでに呆れ
情けなく頑固な俺を受け入れてくれた
「太一の匂いだぁ
太一もドキドキするんだね」
相変わらずそんなことを言われる
そんな「‥好きだよ」と
俺は初めて言って見せた
:09/10/02 16:36 :D905i :xQZDlkoQ
#16 [栢]
彼女は驚いたようにぽかんとした
そりゃあそうだ。
7年経ってやっとだもんな
しかし彼女は
くすりと笑ってこう言うのだ。
「‥好きって言われるより、
あなたの匂いを感じてたほうが
よっぽど安心するみたい」
つられて俺も笑ってしまった。
そして、いつものように
抱き合って眠りについた。
:09/10/02 16:40 :D905i :xQZDlkoQ
#17 [栢]
>>2-16「君の、匂い。」
なんかよくわかんない第一作目
男の子と女の子の
典型的な考えの違いを
書いてみました(´・ω・`)
中途半端な終わりかたですね×
:09/10/02 16:59 :D905i :xQZDlkoQ
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