― 短編箱 ―
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#164 [栢]
「生理こない‥」
彼に電話で告げた。
産んでと言われたらどうしよう‥
そんな心配は無駄だった
「どうするの!?
俺、育てられないよ‥
病院行ってこいよ」
心配とは裏腹に、
この言葉を受け入れる準備を
まだ整えていなかったの
孤独が襲う
:09/10/23 20:29 :D905i :YKgWBHmg
#165 [栢]
あたし‥死のうか
ねぇ、一緒にあたしも消えるよ
すぐにあたし追いかけるから
ママと一緒に天国で暮らそうか
何度自らの腹を殴っただろう
1人になると
無意識に泣きながら
力を込めて殴る
鈍い音が響く
:09/10/23 20:32 :D905i :YKgWBHmg
#166 [栢]
「あんた‥生理は?」
張り詰めた空間
冷たい痛いお母さんの声
「そろそろ来る」
根拠なんてないの
あたしの願いよ
愚かなあたし。
:09/10/23 20:35 :D905i :YKgWBHmg
#167 [栢]
1人孤独を抱えたまま
長い長い時間を過ごす
あれから彼とは
連絡もまめにしなくなった。
また無意識に自らを殴る
もはや軽い習慣‥
:09/10/23 20:39 :D905i :YKgWBHmg
#168 [栢]
「‥ねぇ、何してるの?」
後ろを向くと
青ざめたお母さんの姿
「これ、
お母さんを安心させて‥!」
渡された"現実"
逃げられない受け入れなきゃいけない
ママ‥なんてまだなりたくないよ
:09/10/23 20:42 :D905i :YKgWBHmg
#169 [栢]
「うるさいなあ!!
いちいち心配しすぎなの!
そうやってストレス溜めさせるから
来なくなるんでしょう?!」
今まで溜めてた
‥怒りじゃない
溢れ出したこの感情は
不安。
:09/10/23 20:45 :D905i :YKgWBHmg
#170 [栢]
睫が濡れる
息をするのを忘れる
「お願いだから‥!早く」
‥、結果はあたしの思い込み
あたしはまだひとりの少女。
:09/10/23 20:48 :D905i :YKgWBHmg
#171 [栢]
それを見て
お母さんが泣き崩れた。
今までの怒ったような顔が
一気に崩れた。
大きな雫をこぼして
「‥よかった‥よかった」
ただそう呟くの
:09/10/23 20:50 :D905i :YKgWBHmg
#172 [栢]
「お母さん‥
どうしようかと思った‥
毎日不安で、寝れなくて‥、」
久しぶりに視線を向ける
白髪が増えちゃったね‥
痩せこけちゃったね‥
だけど、"ごめんね"が
言えないあたし
:09/10/23 20:52 :D905i :YKgWBHmg
#173 [栢]
「自分の体は自分で守りなさい‥
自分をしっかり持ちなさい‥」
震えた声で力強く言うお母さんに
「わかってるよ!!
‥いちいちうるさいの!!」
泣きながら枕を投げつけた。
不安がほどけて
すべてが崩壊したように
泣き狂った
:09/10/23 20:55 :D905i :YKgWBHmg
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