― 短編箱 ―
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#169 [栢]
「うるさいなあ!!
いちいち心配しすぎなの!
そうやってストレス溜めさせるから
来なくなるんでしょう?!」
今まで溜めてた
‥怒りじゃない
溢れ出したこの感情は
不安。
:09/10/23 20:45 :D905i :YKgWBHmg
#170 [栢]
睫が濡れる
息をするのを忘れる
「お願いだから‥!早く」
‥、結果はあたしの思い込み
あたしはまだひとりの少女。
:09/10/23 20:48 :D905i :YKgWBHmg
#171 [栢]
それを見て
お母さんが泣き崩れた。
今までの怒ったような顔が
一気に崩れた。
大きな雫をこぼして
「‥よかった‥よかった」
ただそう呟くの
:09/10/23 20:50 :D905i :YKgWBHmg
#172 [栢]
「お母さん‥
どうしようかと思った‥
毎日不安で、寝れなくて‥、」
久しぶりに視線を向ける
白髪が増えちゃったね‥
痩せこけちゃったね‥
だけど、"ごめんね"が
言えないあたし
:09/10/23 20:52 :D905i :YKgWBHmg
#173 [栢]
「自分の体は自分で守りなさい‥
自分をしっかり持ちなさい‥」
震えた声で力強く言うお母さんに
「わかってるよ!!
‥いちいちうるさいの!!」
泣きながら枕を投げつけた。
不安がほどけて
すべてが崩壊したように
泣き狂った
:09/10/23 20:55 :D905i :YKgWBHmg
#174 [栢]
あのときの
お母さんの寂しそうな後ろ姿
こんな姿にしてしまったのは
こんなに不安にさせてしまったのは
誰でもなくあたしなんだ。
大好きなのに、
:09/10/23 20:57 :D905i :YKgWBHmg
#175 [栢]
結局
ごめんねと言えなかった。
あの人と別れてから
お母さんを安心させようと
男の人と関わるのをやめた。
それでも
「どこ行くの?」
「生理は来たの?」
一年くらいはずっと
耳にべたりとへばりつくように
しつこく言われたものだ
:09/10/23 21:00 :D905i :YKgWBHmg
#176 [栢]
だけどもう反抗なんてしない
お母さんを追いつめたくないから、
誰よりも明るい人だけど
すごく心配性で傷つきやすい
大事にしなきゃいけない
初めてお母さんの弱いところに
真っ正面から向き合った。
強い人だ
:09/10/23 21:02 :D905i :YKgWBHmg
#177 [栢]
今となってはもう
そんなに心配はしなくなったけど、
親の気持ちを知ったから
今では考えられない反抗期。
そのしつこさもうるささも
全部があたしのためだなんて
気づくのは難しい
だけど、
お腹を痛めて産んでくれたんだもの
そんな風に言いたくなるのは
当たり前なのかな‥
なんて‥、
:09/10/23 21:06 :D905i :YKgWBHmg
#178 [栢]
恥ずかしくて
"いつもありがとう"なんて
言えやしないから
今日は肩でも揉んであげようか
お皿洗いでもしてあげようか
あたしに何ができるだろう
今でもあの涙が
忘れられないでいるの
あたし、たくさん愛されて育ったんだね。
ありがとうお母さん、
:09/10/23 21:09 :D905i :YKgWBHmg
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