曖 昧 ミ ー 。
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#93 [あんず]
「あの…、私のせいで、ごめんなさい…。
結婚の上に家に住ませろなんて、迷惑ですよね」
すると、俺の前で小さく座りながら俯いていた女が口を開いた。
申し訳なさそうに、
苦笑しながら。
:09/12/11 20:16
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#94 [あんず]
そんな女に、俺は何も言えず黙り込んでしまった
…ヤバい、
沈黙は肯定と同じだ。
そう思い口を開きかけた時には、もう遅かった。
「…っごめんなさい、
私帰ります!!
ご迷惑お掛けしました。」
:09/12/11 22:11
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#95 [あんず]
そう言い残し、
女は走って家を出て行ってしまった。
「サクラちゃん…」
部屋では皐月の
小さな声が虚しく響く。
…なんで、
あんな悲しそうな顔をして出て行った…?
:09/12/11 22:31
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#96 [あんず]
「皐月、なんでアイツ「いや、ごめんね。梓が悪いんじゃないんだ。」
俺の言葉を遮るかのように皐月は口を開いた。
「サクラちゃんと一緒に住むと言った理由を、梓にちゃんと話せば良かったんだよね。」
そう言った皐月の顔も
申し訳なさそうで。
俺は思わず、
胸を締め付けられた。
:09/12/11 22:38
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#97 [あんず]
「その理由って…。」
皐月の目を見て
理由を聞くと、皐月は
「サクラちゃんは昔の僕達とよく似ているから」
と、俯きながら呟いた。
:09/12/11 22:42
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#98 [あんず]
皐月は顔を上げ、
ゆっくりと口を開いた。
「サクラちゃんは――――――――…」
その理由を聞き終えると同時に、俺は皐月を置いて玄関を飛び出した。
:09/12/11 22:47
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#99 [あんず]
俺はなんであの時黙り込んでしまったんだろう。
なんで「迷惑じゃない」と言ってやらなかったんだろう。
後悔で胸がいっぱいになりながら、ひたすら走った。
俺らも昔味わった、
あの苦しみ。
追い出されることの辛さ。
それを知ってるのに、
俺はアイツを
追い出してしまった。
:09/12/11 22:53
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#100 [あんず]
キョロキョロと辺りを見回しアイツを探すと
遠くに、ゆっくりと歩く女の姿が見える。
――――…いた。
「やっと見つけた」
そう思った時にはもう、
俺はアイツの細い腕を
力強く掴んでいた。
:09/12/11 23:01
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#101 [あんず]
俺の荒い呼吸と、
走ったせいで速くなった鼓動だけが耳に入る。
驚いた表情で俺を見上げる女の頬には、涙の跡。
「梓……くん?」
口をパクパクしながら
俺の名前を呼ぶ。
その声に何故だろうか、
安心感を覚えた。
:09/12/11 23:08
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#102 [あんず]
「ど……っ、
どうしたんですか!?
なんか呼吸が荒いです…
もしかして家から走って来たんですか!?」
眉を八の字にして
俺の心配をする女に、
俺は思わず頬が緩んだ。
「謝り、に来た。」
俺がそう言うと、「なんで?」とでも言いたそうな顔で女は俺を見た。
:09/12/11 23:13
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