曖 昧 ミ ー 。
最新 最初 🆕
#1 [あんず]


「わかんない、」


君は曖昧なその言葉で
僕を拒み続ける。


何度愛を囁いても
何度想いを伝えても
その言葉で僕の口を塞ぐ。


その言葉が僕にとって
とても残酷なことを

君は知らないだろう?

⏰:09/10/12 17:55 📱:W61K 🆔:cIblCj7A


#2 [あんず]




曖 昧 ミ ー 。




⏰:09/10/12 17:56 📱:W61K 🆔:cIblCj7A


#3 [あんず]

感想板
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4514/

第二作目です!!
こちらもまったりと
頑張りますので、
よろしく
お願いします∩^ω^∩x

⏰:09/10/12 17:59 📱:W61K 🆔:cIblCj7A


#4 [あんず]



episode 01.

謎の少女



⏰:09/10/12 18:34 📱:W61K 🆔:cIblCj7A


#5 [あんず]
 


「おい、コラ。
起きろ。遅刻するぞ。」


バシッバシッと朝から
痛々しい音が響く。

この音が朝から響くのはそう珍しいことではない
むしろ毎朝、と言ってもいいほどだ。


 

⏰:09/10/12 18:35 📱:W61K 🆔:cIblCj7A


#6 [あんず]
 


何度叩いただろう。
それでもコイツは起きる気配がない。
そんなコイツを見て、
俺は毎朝ため息を吐く。

どれだけ幸せが逃げていることだろうか。

もうこの俺には幸せなんかないんじゃないか、なんてたまに思ったりもするほどだ。

 

⏰:09/10/12 18:39 📱:W61K 🆔:cIblCj7A


#7 [あんず]
 

「そろそろ起きねぇと置いて行くぞ。」

そう言いながら俺はコイツの頭をもう一度叩いた

するとやっと目を覚ましたのか、コイツはむくりと上半身を起こした。


「…ん、あれ…梓。
おはよう、今日も一段と起きるの早いね。」


 

⏰:09/10/12 20:06 📱:W61K 🆔:cIblCj7A


#8 [あんず]
 

寝起きの癖に爽やかな顔で俺に笑いかけるこの憎たらしい男。

名前は早瀬 皐月。


そしてコイツを毎朝起こしている俺。

名前は早瀬 梓。


 

⏰:09/10/12 20:16 📱:W61K 🆔:cIblCj7A


#9 [あんず]
 

「お前が遅いんだよ。」


俺はため息を吐きながら朝食のトーストを強引に皐月の口に押し込める。


そんな苦しい食べ方でも、「おいひい(美味しい)」と嬉しそうに食べる皐月の笑顔には敵わない。


「ほら皐月、早く食って顔洗え。歯磨きも忘れんなよ。」

 

⏰:09/10/12 20:58 📱:W61K 🆔:cIblCj7A


#10 [あんず]
 

「ははっ、梓ったら母さんみたいだなぁ。」

「うるせぇ突き飛ばすぞ。…いいから早く支度しろ。」


食べ終わったのか、皐月は洗面所に向かってゆっくり歩いて行った。
一方俺は時計を気にしてばかりだ。



こんな俺らは兄弟。
そして一卵性の双子だ。

 

⏰:09/10/12 21:04 📱:W61K 🆔:cIblCj7A


#11 [あんず]
 

そして、
皐月は俺の双子の兄。

一応アイツは俺の兄貴なのだ。(認めたくないが)


顔は瓜二つ、と言ってもいい程似ているが、性格は全く違う。
絶対に違う。


 

⏰:09/10/12 21:10 📱:W61K 🆔:cIblCj7A


#12 [あんず]
 

おっとりな皐月と
せっかちな俺。

人懐っこい皐月と
人見知りな俺。


もちろん親戚や色んな人に可愛がられるのは皐月の方で。



…昔から皐月にコンプレックスを持っていた、のかもしれない。

 

⏰:09/10/21 20:36 📱:W61K 🆔:RmmmgJr6


#13 [あんず]
 

「(…昔から、ね。)」


薄れた昔の記憶の中で圧倒的な存在感があるあの記憶。


中3の頃の、
一人の女の記憶。



「遅くなってごめん梓、行こっか!!」


靴を履いている俺の後ろからトコトコと歩いてきた皐月。
時計を見ると、8時10分を指していた。

 

⏰:09/10/21 20:57 📱:W61K 🆔:RmmmgJr6


#14 [あんず]
 

「やば、遅刻する。皐月、急いで靴履け!!」


急げと言っても
皐月はもたもたと
靴を履いている。


…コイツは“急ぐ”という言葉を知っているのだろうか。


 

⏰:09/10/21 21:01 📱:W61K 🆔:RmmmgJr6


#15 [あんず]
 

皐月の様子を見ると、もう少し靴を履くのに時間が掛かりそうだ。


―――…いい。
先に外に出てしまおう。


そう思い、俺は勢いよく白い玄関のドアを開いた


 

⏰:09/10/21 21:36 📱:W61K 🆔:RmmmgJr6


#16 [あんず]
 



「きゃっ!!」


小さな悲鳴が耳に入る。
きゃ…?女の声…?
ドアノブにあった
視線を、前に移すと



ふわりと白いワンピースを着た小さな女が、空を飛んでいた。


 

⏰:09/10/21 21:39 📱:W61K 🆔:RmmmgJr6


#17 [あんず]
 


…否、
俺の方に突っ込んできた


「危なっ…!!」



そう思った時にはもう、全ては遅かった。


――――ドサッ!!


 

⏰:09/10/21 21:41 📱:W61K 🆔:RmmmgJr6


#18 [あんず]
 

「「痛………。」」

低い俺の声と
高い声が重なる。
思い切り床に打ちつけた腰が悲鳴を上げている。



…上に乗っかっているこの女が重たい。


 

⏰:09/10/21 21:43 📱:W61K 🆔:RmmmgJr6


#19 [あんず]
 

「梓…とそこの女の子、大丈夫……?」


まだ靴を履いていた皐月が少し眉を八の字にさせてこっちを見ている。

俺の腹には白いワンピースを着た小さい女がいつまでも乗っている。


びくともしないこの女。
…さすがに生きているか心配になってきた。

 

⏰:09/10/21 21:50 📱:W61K 🆔:RmmmgJr6


#20 [あんず]
 

「おい、大丈…」


“大丈夫か”
そう言い掛けた時、その女はむくっと顔を上げた


“美少女”…と言ってもいいくらい綺麗なその顔立ちに、思わず俺は目を見開いた。


 

⏰:09/10/21 21:53 📱:W61K 🆔:RmmmgJr6


#21 [あんず]
 

女は俺から身体を離し、俺の目の前に立った。
腹の解放感が心地よい。



―――胸騒ぎが、した。
胸騒ぎというより、全身の毛が逆立つような。

そんな感覚が、した。

 

⏰:09/10/21 23:15 📱:W61K 🆔:RmmmgJr6


#22 [あんず]
 

「早瀬皐月くん…っ」

女は俺にしっかりと視線を捕らえながら、小さく口を開いた。
透き通るような、声で。


「(なんで名前を知ってる……?)」


初めて見る顔。
決して見たことの
ない顔なのにこの女は
皐月の名前を知ってた…




……あれ?皐月?

 

⏰:09/10/22 09:15 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#23 [あんず]
 

あれ?コイツ皐月に
用があるんだよな?

でも皐月じゃなく俺に
話し掛けている。


……あれ、もしかして
この女………。



俺と皐月を間違えてる?


「あ、ああ、あのっ
私……私、私と…っ!!」


 

⏰:09/10/22 09:19 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#24 [あんず]
 

間違えているとも知らず
コイツはひたすら
俺に話し掛ける。
(俺から見ればなんとも
恥ずかしい光景だ。)


緊張しているのか、
肩を震わせながら
目をきゅっと閉じている
しかも言葉は噛みまくり


(コイツ、皐月に
告白でもするのか…?)

いかにも、な
この雰囲気に、
俺は気付いてしまった。

 

⏰:09/10/22 09:30 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#25 [あんず]
 

いやいや、
気付け。気付けよ。
お前皐月と俺を
間違えんなよ。

確かに似てるけど、
間違えちゃ駄目だろ。


何より、このまま
俺と皐月を間違えたまま
告白でもしたら
お前――――……。

 

⏰:09/10/22 09:51 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#26 [あんず]
 


「わ、私と……っ!!」

間違えてるとは気付かずにコイツは次の言葉を言おうとしている。

顔は真っ赤。
身体も声も震えてる。


このまま次の言葉を
言ってしまったら
お前、皐月の前で
恥をかくことに……。

 

⏰:09/10/22 12:11 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#27 [あんず]
 

女はきゅっと
閉じていた目を開き、
1つ深呼吸をした。
変わらずその目は
俺を捕らえている。

そしてスッと
息を吸い込み、
口を開いた。


「待っ…「私と



結婚して下さいっ!!」

 

⏰:09/10/22 12:55 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#28 [あんず]
 

俺は思わず
固まってしまった。
口をぽかん、と開けて。

結婚…?
“付き合って下さい”
じゃなくて
“結婚して下さい”?

告白じゃなくて
逆プロポーズ?

今流行りの肉食系女子?


いやいや今は
そうじゃなくて…。

 

⏰:09/10/22 13:01 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#29 [あんず]
 

後ろを振り向くと、
俺と同じように
口をだらしなく開いた
皐月の姿。

鈍感な皐月もさすがに
理解したのだろう。


前を見ると、
更に顔を真っ赤に染めて
再び目を固く
閉じている女の姿。


 

⏰:09/10/22 13:18 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#30 [あんず]
 

なんという光景。


これは本当のことを
言っていいのか、
言わない方がいいのか。


「…だから…その、
返事、下さいっ!!」


あぁ、やっぱり
気付いてないようだ。
ここは素直に
言うべきなのか…。

 

⏰:09/10/22 13:35 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#31 [あんず]
 

真剣に俺を
見つめる目は
今にも泣きそうで。


本当のことを
言うのも可哀想だが、
言わない方が
可哀想な気がしてきた。



……よし、言うか。


 

⏰:09/10/22 13:44 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#32 [あんず]
 

「…あのさ、俺…」


俺が口を開くと、
女はビクッと
肩を震わせた。


よほど緊張
してるのだろう。

…あぁ、更に
言いにくくなってきた。


 

⏰:09/10/22 13:47 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#33 [あんず]
 

俺は女の緊張してる
雰囲気に呑まれ、
言葉を失ってしまった。

微妙な空気が流れる。


そんな空気を
切り裂いたのは、


「よろしく、
お願いします。…?」


まさかの皐月だった。

 

⏰:09/10/22 14:28 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#34 [あんず]
 

え、普通に言った。
何も戸惑いもなく
普通に言ったよコイツ。



…てかプロポーズ
受け入れた!?


「ちょ、皐月「え…?」


 

⏰:09/10/22 15:15 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#35 [あんず]
 

俺が皐月を
止めようとした時、
女の驚いた声が重なった


目の前にいる女を
見ると、あまりの驚きに
顔が青ざめ、
足がガクガクと
震えている。


ようやく自分の
間違いに気付いて
しまったのだろう。


 

⏰:09/10/22 15:17 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#36 [あんず]
 

口元を隠しながら
女は後退りをした。
目を見開き、
恐怖で歪んだ
ような顔を見せる。
…どんだけ
驚いてるんだよ。



「…皐月くんが、
二人も……?
もしかして………


ドッペルゲンガー…?」


 

⏰:09/10/22 16:24 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#37 [あんず]
 

「…………。」

俺は思わず絶句した。


あぁ、コイツアホだ。
おっちょこちょい
な上にアホだ。
皐月並みにアホだ。

コイツの頭に
双子という
言葉はないのか。

なんで双子より先に
ドッペルゲンガー?

どんな思考してんだ。

 

⏰:09/10/22 16:27 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#38 [あんず]
 

「えぇえっ!?
ななななになに僕の
ドッペルゲンガーがいるの……?
梓助けて怖い……」


「…………。」


それに怯えてる
後ろの皐月は
もっとアホだ。
もうただのアホだ。
そして弟に
助けを求めてる皐月は
ヘタレとしか思えない。


 

⏰:09/10/22 16:34 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#39 [あんず]
 

前には変な勘違いをした
訳わかんない
思考回路のアホ。


後ろにはヘタレな
もう救いようがないアホ


このアホ二人が
もし結婚したら……。

あぁ、もう想像
するだけで寒気がする。

 

⏰:09/10/22 16:38 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#40 [あんず]
 

俺は1つため息を吐き、ずっと背負っていた鞄を床に置いた。


「ドッペルゲンガー
なんかじゃねぇよ。
双子だ、双子。
お前の好きな皐月は、
俺じゃなく後ろの奴。」

冷たく言い放つと、
女はようやく
理解したのか、
頬を真っ赤に染めた。

 

⏰:09/10/22 16:45 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#41 [あんず]
 


「私…っ
勘違いして…。」


そう言った
女の顔は今にも
泣き出しそうで。
もう顔は真っ赤で。

正直その顔の赤さに、
凄い…なんて
思ってしまった。


 

⏰:09/10/22 18:04 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#42 [あんず]
 

「…いや、もう
勘違いのはいいから。
気にすんなよ。」


俺なりの必死な
フォローだった。
泣かれたら
本当に困るから。


「はい……。」


そう言いながら
幼い笑顔を見せた。
その顔は、美少女としか言いようがなかった。

 

⏰:09/10/22 18:11 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#43 [あんず]
 

すると後ろで
ドッペルゲンガーを
ずっと恐れていた皐月が
やっと立ち直ったのか、突然口を開いた。


「あのさ、梓。
…と僕のお嫁さん。
玄関で立ち話も
あれだし寒いし、
一回家の中入ろう?」


 

⏰:09/10/22 18:17 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#44 [あんず]
 

……珍しく
皐月が正論を言った。
(僕のお嫁さん辺りは
若干気持ち悪いが。)

俺は頷き、
開きっぱなしの
玄関のドアを閉めて
家の中に入った。


女も遠慮がちに
俺の後ろを着いてきた。
そんな姿が少し
犬みたいで、笑えた。

 

⏰:09/10/22 18:20 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#45 [あんず]
 

時間を忘れて
いたのに気付き、
俺は慌てて
腕時計に視線を向けた。



―――― 8時47分。


今日は学校
サボるしかねぇな。

1つため息をし、
俺はソファーに
ゆっくり腰をかけた。

 

⏰:09/10/22 18:26 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#46 [あんず]
 



早瀬 梓。
高校3年の18歳。



…最悪な日々の

幕開けです。




 

⏰:09/10/22 18:37 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#47 [あんず]



>>4-46
episode 01. 謎の少女

>>2
感想板


感想待ってますx´3`)ノ

⏰:09/10/22 18:42 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#48 [あんず]


×みす×


>>4-46
episode 01. 謎の少女

>>3
感想板


⏰:09/10/22 18:44 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#49 [あんず]



episode 02.

苦い朝ご飯



⏰:09/10/22 22:12 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#50 [あんず]
 


ソファーに座る
俺の視界には、


いつもの見慣れた
テレビと、窓と
本棚とテーブルと、


緊張しながら小さく
座っている、女の姿。


 

⏰:09/10/22 23:36 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#51 [あんず]
 

「…お前、もう少し
リラックスしろよ。」


あまりの固さに、
思わず笑いが溢れる。
ガチガチと動く姿は、
まるでロボットのよう。


 

⏰:09/10/22 23:39 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#52 [あんず]
 

「リラックス、
出来た…っ…!!」


声を震わせながら
俺に報告をする。

リラックス出来た、
という女の姿は
体育座り。


どこの小学生だ。


 

⏰:09/10/22 23:41 📱:W61K 🆔:ot4c4wEo


#53 [あんず]
 

…まぁそりゃ、
好きな人(皐月)の家だ。
緊張くらいはするか。


「梓と僕のお嫁さん、
お茶でも飲んで
まったりとしよう。」


キッチンから
出てきた皐月の手には
お茶が3つ。

見るからに熱そうだ。

 

⏰:09/10/23 09:48 📱:W61K 🆔:NHmb1IrM


#54 [あんず]
 

「皐月、お前その
僕のお嫁さんって言い方止めろよ気持ち悪い。」


そう言いながら
正面にいる女に目を移す
…案の定顔真っ赤。


「え、だって
僕のお嫁さんでしょ?」


更に女の顔は赤くなる。

皐月は本当に
天然なのだろうか。
確信犯なんじゃないか。

 

⏰:09/10/23 09:54 📱:W61K 🆔:NHmb1IrM


#55 [あんず]
 

「とりあえず…、
お前、名前は?
歳は?高校は?皐月と結婚したい理由は?」


「梓!!そんな質問攻めしちゃ駄目だって!!」


いやいやこれくらい
聞かないと
気がすまない。


だって俺は
この女のせいで
学校をサボらなきゃ
なんなくなったんだ。

 

⏰:09/10/23 09:58 📱:W61K 🆔:NHmb1IrM


#56 [あんず]
 

すると申し訳なさそうに
俯きながら、
女は口を開いた。




「…佐倉 葵です。
歳は17歳、高校は
皐月くんと同じです。」


 

⏰:09/10/23 13:57 📱:W61K 🆔:NHmb1IrM


#57 [あんず]
 

俺は少し驚いた。
まさか同じ高校だとは
思っていなかったから。


そんな俺の隣で、
皐月は何かを
思い出したかのような
顔を見せる。


「皐月?
知り合いなのか?」

 

⏰:09/10/23 14:55 📱:W61K 🆔:NHmb1IrM


#58 [あんず]
 

「なーんか、
知ってるような…。」


おいおい、
しっかりしろよ皐月。
お前がそんな
「思い出せない」って顔するから物凄く悲しそうな顔してるぞ、あの女。


「あの、サクラです。
サクラちゃん。」


女が一言そう言うと、
皐月がハッとした顔で
ポンッ、と手を叩いた。

 

⏰:09/10/23 15:03 📱:W61K 🆔:NHmb1IrM


#59 [あんず]
 

「サクラちゃんっ!!
あのサクラちゃんだ!!」


「そーですっ!!
あのサクラですっ」

一気にテンションの上がる俺を除いた二人。
俺だけは話に
着いていけてない。

その虚しさが、
なんとも言えない
気持ちにさせる。


 

⏰:09/10/23 15:33 📱:W61K 🆔:NHmb1IrM


#60 [あんず]
 

「盛り上がってる中悪いが、お前ら知り合いなのか?」


俺がそう言うと、
皐月は満面の笑みで
俺を見つめた。


「サクラちゃんはね、
一年前の入学式の時に出逢ったんだ。」


一年前の入学式…


俺がまだ、高2の時?


 

⏰:09/10/30 21:03 📱:W61K 🆔:gGqNti26


#61 [あんず]
 

「懐かしいね」と
女に笑い掛ける皐月に、
嬉しそうな笑顔で
それに答える女。


微笑ましい光景…
なのだが。



正直、気にくわない。


 

⏰:09/11/09 21:45 📱:W61K 🆔:3ENcLACo


#62 [あんず]
 

もし、こいつらが
結婚することになって。

そして同居することになったとしたら…。


俺、1人ぼっちだ。


…こんな俺だけど、本当は寂しいんだよ。少しは構って欲しいんだよ。

1人は嫌いなんだよ!!

 

⏰:09/11/09 21:54 📱:W61K 🆔:3ENcLACo


#63 [あんず]
 

結婚したりしたら毎日虚しさばかりの生活だ。

そんなの絶対嫌だ。


こいつらが結婚した姿を想像するだけで…寒気がする。



こいつらだけ
楽しく過ごすのは…

気にくわない。


 

⏰:09/11/09 22:00 📱:W61K 🆔:3ENcLACo


#64 [あんず]
 


そんな複雑(?)な
気持ちで俺は
二人を睨み付けた。


―――そんな時俺は、
皐月の隣で微笑む
女を見て何かが
引っ掛かったんだ。


記憶の中で、何かが。


 

⏰:09/12/06 22:38 📱:W61K 🆔:MNpwuoaE


#65 [あんず]
 


あれ………?


そう言えばコイツ、
俺らと同じ学校だって
言ってたよな…。



なのになんで
学校指定の制服でもなく
白いワンピース?


 

⏰:09/12/06 22:40 📱:W61K 🆔:MNpwuoaE


#66 [あんず]
 


「お前……、
なんで制服着てない?」

そう言うと、
女は不思議そうに


「え?だって、
休みの日まで制服なんて着たくないですから…
ってあれ?
なんでお二人共休みの日なのに制服……。」

そう、言ったんだ。


 

⏰:09/12/06 22:43 📱:W61K 🆔:MNpwuoaE


#67 [あんず]
 


「……………。」


本日2度目の絶句。

カレンダーを見ても
携帯を見ても
今日は月曜日の平日。
学校は勿論登校日だ。


なのにコイツは、
まだ休みだと思って…。


 

⏰:09/12/06 22:46 📱:W61K 🆔:MNpwuoaE


#68 [あんず]
 


ぽかん、と
俺に笑顔を向ける
女を見て、俺はもう
返す言葉もなかった。


天然過ぎる…
いや、馬鹿過ぎる…。


皐月に並ぶくらい、
もしくはそれ以上の天然かもしれない、コイツ。

 

⏰:09/12/06 22:49 📱:W61K 🆔:MNpwuoaE


#69 [あんず]
 


そんなコイツと
皐月を見比べると…


なんだろうか、
何処か似ている。
顔とかじゃなくて、
雰囲気が………。




…なるほど、これが
類は友を呼ぶって奴か。


 

⏰:09/12/06 23:23 📱:W61K 🆔:MNpwuoaE


#70 [あんず]
 

「サクラちゃん、
今日は登校日だよ?」


さらっと皐月は
女に突っ込みを入れる。
優しく、恐らく
何も考えずに。



すると女はすぐに硬直。
みるみるうちに、
顔は赤に染まっている。
それはもう、
すごく速いスピードで。

 

⏰:09/12/07 20:49 📱:W61K 🆔:kmQ3YqDI


#71 [あんず]
 

「そ、そんな…
だって私、そんな…。」

そんなそんな、と
何度もまるで機械のように繰り返す女。
頭を抱えながら、
真っ赤な顔を隠して。


「…まぁ、どうせ今日は休むしかねぇだろ。
結婚とかどうとかは、
今日1日で解決する話じゃねぇし。」


そんな女を軽くフォローすると、女はさっきとは全く違う花が咲いたような笑顔を見せた。


…すげぇ、変わり様…。

 

⏰:09/12/07 20:58 📱:W61K 🆔:kmQ3YqDI


#72 [あんず]
 

……思わず、
息を飲んでしまった。

その笑顔は
本当に美しく、
本当に華やかで。



「…どうかしました?」


目が、逸らせなかった。


 

⏰:09/12/07 21:11 📱:W61K 🆔:kmQ3YqDI


#73 [あんず]
 

俺の視線に気付いたのか、女は不思議そうに俺の顔を覗き込んだ。


「……いや、
なんでも、ない。」

俺はぶっきらぼうに
そう返事をし、
直ぐ様目を逸らした。


 

⏰:09/12/07 21:23 📱:W61K 🆔:kmQ3YqDI


#74 [あんず]
 

「じゃあそろそろ、
本題に入る?」


そう話を切り出したのは皐月だった。


「そうだな。」


結婚について…
話し合う時が
こんなに早いなんて
コイツに出会うまで
思いもしなかった。


 

⏰:09/12/07 22:34 📱:W61K 🆔:kmQ3YqDI


#75 [あんず]
 

「まずお前は、
なんで皐月と結婚したいと思ったんだ?」


未だ聞き出せていない、コイツが皐月にプロポーズした理由。


その理由を
まず聞かなくては。


 

⏰:09/12/07 22:43 📱:W61K 🆔:kmQ3YqDI


#76 [あんず]
 

するとその女は、
目を輝かせながら


「単純ですが、
皐月くんに運命的なものを感じたからです…っ
運命なんて…って思われちゃうかもですけど、運命だと思ったんです。」


そう言ったんだ。


 

⏰:09/12/07 22:47 📱:W61K 🆔:kmQ3YqDI


#77 [あんず]
 

いつもの俺なら、
「何が運命だ」なんて…冷めたことを思ってしまうと思う。

でもその女が
あまりにも自信満々に言うものだから、
そんなことは
考えられなかった。


寧ろ、本当は
運命があるんではないかなんて思ってしまった。


 

⏰:09/12/07 22:50 📱:W61K 🆔:kmQ3YqDI


#78 [あんず]
 

「素直に、私は
皐月くんが好きです…。
運命とかも関係なく、
あの日からずっと。」


そう言う女は、
皐月を愛しそうに
見つめていて。
本当に好きなんだ、と
すぐに感じた。


 

⏰:09/12/07 22:54 📱:W61K 🆔:kmQ3YqDI


#79 [あんず]
 

「皐月はどうなんだ?」

皐月に話を振ると、
ハッ(゚□゚)と
覚醒したみたいだった。


すると皐月は、
顔を真っ赤にしていた。
その表情は今まで
ずっと一緒にいた俺でも見たことない、照れた表情だった。


 

⏰:09/12/07 23:09 📱:W61K 🆔:kmQ3YqDI


#80 [あんず]
 

コイツ、
もしかして―――…。



そう察した時、

「…………っ!?」


俺は突然
皐月に腕を掴まれ、
廊下まで連れて行かれた


 

⏰:09/12/09 22:42 📱:W61K 🆔:u.rxRX76


#81 [あんず]
 

途中、「え!?」と言う
女の声が耳に入ったが、

俺はどうすることも出来ず、ただただ皐月に着いて行った。


バタン、とドアを閉めた音がやけに煩くて、
俺は思わず目を細めた。


 

⏰:09/12/09 22:46 📱:W61K 🆔:u.rxRX76


#82 [あんず]
 

「皐月…なした「梓、
ちょっと真剣に聞いて」


皐月の真剣な表情。
いつもとはまるで違うその表情に、少し戸惑った



皐月、
お前やっぱり……。

 

⏰:09/12/09 22:48 📱:W61K 🆔:u.rxRX76


#83 [あんず]
 


「梓、僕……


あの子と結婚したい。」


「……………。」



予想通りだった。
いや、解りやす過ぎる。
あの皐月の照れた顔を見た瞬間、絶対に惚れたとはわかってた。
だから絶対に
結婚したいと言うのは、わかっていたんだ。

 

⏰:09/12/09 22:55 📱:W61K 🆔:u.rxRX76


#84 [あんず]
 

「…それ、
アイツに言ったら?
まぁ結婚を許すかは
別としてさ。」


いつもとは少し優しく
皐月に言い掛けると、
嬉しそうに「うん!!」と返事をし、廊下に俺を残しあの女の所に歩いて行った。


…なんて自由な奴だ。


 

⏰:09/12/09 23:02 📱:W61K 🆔:u.rxRX76


#85 [あんず]
 

少し時間をおいて
リビングに入ると、
目に入る女の真っ赤な顔。

皐月はさっきの余裕のない顔から一変して、いつもの緩んだ顔に戻っている。


少々入りにくかったが、仕方なく我慢して俺は皐月の隣に座った。


 

⏰:09/12/10 16:08 📱:W61K 🆔:CKgE3q12


#86 [あんず]
 

「梓っ、僕人生初の
プロポーズした!!」

目を輝かせながら
皐月は俺に笑い掛ける。
その姿はまるで犬。


……いや
それはいいとして、

俺はまだ結婚は
許してないんだが…。

 

⏰:09/12/10 22:43 📱:W61K 🆔:CKgE3q12


#87 [あんず]
 

だってもう、
皐月は結婚する気満々だ。


いや、どう考えても
今結婚は無理。
高校生だし、金銭的にも無理がある。


付き合うくらいなら、
どうぞお好きに、ってなるだろうけど結婚はそうはならない。


 

⏰:09/12/10 22:46 📱:W61K 🆔:CKgE3q12


#88 [あんず]
 


「皐月…、言っておくけど今結婚は無理だぞ?
せめて卒業して、収入が安定してからとか…」


少し現実的に
考えてもらわないと、と俺は結婚に反対する。


すると皐月は、
俺の肩に手を置いて


 

⏰:09/12/10 22:53 📱:W61K 🆔:CKgE3q12


#89 [あんず]
 

「大丈夫!!
それくらいはさすがに
わかってるよ。今すぐ結婚するとは言わない。
今は…サクラちゃんと



一緒に暮らせれば
それでいい。」


そう、言ったんだ。


 

⏰:09/12/10 22:54 📱:W61K 🆔:CKgE3q12


#90 [あんず]
 






…………は?



 

⏰:09/12/10 22:55 📱:W61K 🆔:CKgE3q12


#91 [あんず]
 

いやいやいや…
訳わかんねぇよ!!

金銭的に考えて、
結婚は無理なんだ。
だから一緒に住むことも
無理なんだよ!!




…コイツ、
全然わかってねぇ!!


 

⏰:09/12/10 22:57 📱:W61K 🆔:CKgE3q12


#92 [あんず]
 

「いやだから、
それも無理だって。」

早く懲りて貰いたく、
俺が冷たく
皐月に言い放つと


「梓お願い。
サクラちゃんと一緒にいたいってのもあるけど、
それ以上にサクラちゃんを放っておけない。」


負けじと
言い返して来る。

「サクラちゃんを
   放っておけない」

その時は、
この言葉の意味が
まだわからなかった。


 

⏰:09/12/10 23:05 📱:W61K 🆔:CKgE3q12


#93 [あんず]
 

「あの…、私のせいで、ごめんなさい…。
結婚の上に家に住ませろなんて、迷惑ですよね」


すると、俺の前で小さく座りながら俯いていた女が口を開いた。


申し訳なさそうに、
苦笑しながら。


 

⏰:09/12/11 20:16 📱:W61K 🆔:eqlwW/5k


#94 [あんず]
 

そんな女に、俺は何も言えず黙り込んでしまった


…ヤバい、
沈黙は肯定と同じだ。
そう思い口を開きかけた時には、もう遅かった。


「…っごめんなさい、
私帰ります!!
ご迷惑お掛けしました。」


 

⏰:09/12/11 22:11 📱:W61K 🆔:eqlwW/5k


#95 [あんず]
 

そう言い残し、
女は走って家を出て行ってしまった。



「サクラちゃん…」

部屋では皐月の
小さな声が虚しく響く。



…なんで、
あんな悲しそうな顔をして出て行った…?


 

⏰:09/12/11 22:31 📱:W61K 🆔:eqlwW/5k


#96 [あんず]
 

「皐月、なんでアイツ「いや、ごめんね。梓が悪いんじゃないんだ。」

俺の言葉を遮るかのように皐月は口を開いた。


「サクラちゃんと一緒に住むと言った理由を、梓にちゃんと話せば良かったんだよね。」


そう言った皐月の顔も
申し訳なさそうで。
俺は思わず、
胸を締め付けられた。

 

⏰:09/12/11 22:38 📱:W61K 🆔:eqlwW/5k


#97 [あんず]
 


「その理由って…。」


皐月の目を見て
理由を聞くと、皐月は

「サクラちゃんは昔の僕達とよく似ているから」

と、俯きながら呟いた。


 

⏰:09/12/11 22:42 📱:W61K 🆔:eqlwW/5k


#98 [あんず]
 

皐月は顔を上げ、
ゆっくりと口を開いた。


「サクラちゃんは――――――――…」





その理由を聞き終えると同時に、俺は皐月を置いて玄関を飛び出した。


 

⏰:09/12/11 22:47 📱:W61K 🆔:eqlwW/5k


#99 [あんず]
 

俺はなんであの時黙り込んでしまったんだろう。
なんで「迷惑じゃない」と言ってやらなかったんだろう。

後悔で胸がいっぱいになりながら、ひたすら走った。


俺らも昔味わった、
あの苦しみ。
追い出されることの辛さ。
それを知ってるのに、

俺はアイツを
追い出してしまった。


 

⏰:09/12/11 22:53 📱:W61K 🆔:eqlwW/5k


#100 [あんず]
 

キョロキョロと辺りを見回しアイツを探すと
遠くに、ゆっくりと歩く女の姿が見える。



――――…いた。



「やっと見つけた」
そう思った時にはもう、
俺はアイツの細い腕を
力強く掴んでいた。


 

⏰:09/12/11 23:01 📱:W61K 🆔:eqlwW/5k


#101 [あんず]
 

俺の荒い呼吸と、
走ったせいで速くなった鼓動だけが耳に入る。

驚いた表情で俺を見上げる女の頬には、涙の跡。


「梓……くん?」


口をパクパクしながら
俺の名前を呼ぶ。
その声に何故だろうか、
安心感を覚えた。


 

⏰:09/12/11 23:08 📱:W61K 🆔:eqlwW/5k


#102 [あんず]
 

「ど……っ、
どうしたんですか!?
なんか呼吸が荒いです…
もしかして家から走って来たんですか!?」

眉を八の字にして
俺の心配をする女に、
俺は思わず頬が緩んだ。


「謝り、に来た。」


俺がそう言うと、「なんで?」とでも言いたそうな顔で女は俺を見た。


 

⏰:09/12/11 23:13 📱:W61K 🆔:eqlwW/5k


#103 [あんず]
 

「俺…お前の事情も知らずにお前を追い出した。
……悪かった。」


そう言うと、女は

「そんな…っ梓くんは悪くありません、私が…」


私が悪いんです、と首を横に振った。


違う、違う。
お前は悪くないんだ。


 

⏰:09/12/11 23:20 📱:W61K 🆔:eqlwW/5k


#104 [あんず]
 

俺はぶんぶん激しく首を振る女の頭を手で押さえると「ひぎゃっ」と女の悲痛な声が響いた。

…少し力が
強すぎただろうか。


「梓くん……?」


不思議そうに頭を傾げながら俺を見上げる女の目には涙。
(そんなに
痛かったのだろうか。)


 

⏰:09/12/12 00:21 📱:W61K 🆔:jBr7ypsI


#105 [あんず]
 

そんな涙を指で拭い、

「………来いよ。」

と小さく呟き女の腕を引っ張り俺は歩き始める。


「え?なんですか…っ」


訳もわからず
引っ張られるがままに
女は足を動かす。


 

⏰:09/12/12 00:26 📱:W61K 🆔:jBr7ypsI


#106 [あんず]
 

白いワンピースがふわふわと揺れるのを感じる。

掴んだ女の腕は、
外にいたせいなのか
とても冷たかった。



「…皐月と一緒に住むんだろ?ならお前の家はこっちだろーが。」


 

⏰:09/12/12 00:31 📱:W61K 🆔:jBr7ypsI


#107 [あんず]
 

俺がそう言うと、
女はピタッと立ち止まり目を見開いていた。


「…何してんだよ。」


その目からは、再び微かな涙が浮かんでいて。
そして、満開の
笑顔が浮かんでいた。

 

⏰:09/12/12 00:38 📱:W61K 🆔:jBr7ypsI


#108 [あんず]
 

皐月がコイツを
放っておけなかった理由


俺もわかる気がする。

だって俺と皐月は、
コイツの気持ちを
知っているから。



だからもうきっと、
俺もコイツを放っておけないんだ。


 

⏰:09/12/12 00:43 📱:W61K 🆔:jBr7ypsI


#109 [あんず]


「サクラちゃんは

小さい頃に両親を亡くして、昔から親戚の間でたらい回しにされていた子なんだ。

今もバイトでお金を貯めてるけど、やっぱり生活はかなり苦しいみたいで

そんなサクラちゃんが
昔の自分達と重なって見えちゃって…どうしても一人にしたくなくて、一緒に住もうと思ったんだ。」


⏰:09/12/12 01:02 📱:W61K 🆔:jBr7ypsI


#110 [あんず]
 

俺も、この女が昔の俺達と重なって見える。


だからもう、
一人にはさせない。



それに、コイツのこんな嬉しそうな顔を見たら…


 

⏰:09/12/12 01:04 📱:W61K 🆔:jBr7ypsI


#111 [あんず]
 




どんなに無理でも、
放っておけねぇよ。



 

⏰:09/12/12 01:06 📱:W61K 🆔:jBr7ypsI


#112 [あんず]
 


空を見上げると、
最早空はオレンジ色に変わってきていた。


時間って、
経つの早いんだなと
実感する。


 

⏰:09/12/12 01:10 📱:W61K 🆔:jBr7ypsI


#113 [あんず]
 

「梓、くん。」

「あ?」

「やっと私、
居場所を見付けられた気がします……っ」


「………おう。」


コイツの嬉しそうな顔を見て、不覚にも微笑んでしまった。

心が、温かい。


 

⏰:09/12/12 01:12 📱:W61K 🆔:jBr7ypsI


#114 [あんず]
 

「言っておくが、
タダでは住ませねぇぞ。
お前は朝飯を作ること。」

「わかりました!!
頑張りますね!!」


そう言って、女は俺にガッツポーズして見せた。


これで少しは俺も楽になるか、なんて考えながら俺はコイツを連れて家に帰った。


 

⏰:09/12/12 01:16 📱:W61K 🆔:jBr7ypsI


#115 [あんず]


とりあえず一旦
落ちようかと思います!

こんな文ですが…
見て下さってる方
いますでしょうか(´;ω;`)心配

とりあえず
梓をツンデレにしたくて
堪らないあんずです^ω^w

もし見て下さってる方が
いらっしゃいましたら
こちらの感想板に
意見や感想など貰えると喜びます∩^ω^∩x
待ってます*

それではおやすみなさい。

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4514/

⏰:09/12/12 01:21 📱:W61K 🆔:jBr7ypsI


#116 [あんず]
 

家に着き、
玄関のドアを開けると
皐月が慌ててリビングから飛び出してきた。



「…連れて来たぞ。」

そう言って俺は後ろにいる女を皐月の方に押した


 

⏰:09/12/12 17:22 📱:W61K 🆔:jBr7ypsI


#117 [あんず]
 

皐月は女を見て、
凄く嬉しそうに微笑み
俺の目の前で
女を抱き締めた。


「サクラちゃん…
おかえりっ!!」

「さ、ささ皐月くん!?」

玄関には、
皐月の歓喜の声と
女の照れた声が響く。


 

⏰:09/12/12 17:27 📱:W61K 🆔:jBr7ypsI


#118 [あんず]
 

「人前でイチャついてんなよ馬鹿。」


俺は皐月の肩を軽く叩き先にリビングに向かった

断じて二人の邪魔しないためとかじゃない。
俺が見たくないからだ。


そう自分に言い聞かせながら俺は部屋の後片付けを始めた。


 

⏰:09/12/12 17:37 📱:W61K 🆔:jBr7ypsI


#119 [あんず]
 

すると、慌てた足取りで
女がリビングに
入ってきた。


そして俺を見る。
ビー玉のように丸い、
透き通るような目で。

「…なしたんだよ。」

「あの、梓くん…

これから、
よろしくお願いします」


 

⏰:09/12/15 20:14 📱:W61K 🆔:C.HcKKWI


#120 [あんず]
 

そう言いながら俺に向かい深々と頭を下げる。

その少し幼さの混じった笑顔が綺麗だった。


「…朝飯頼むぞ。」

俺はポンっと
コイツの柔らかな髪を
くしゃくしゃと撫でた。

 

⏰:09/12/15 20:23 📱:W61K 🆔:C.HcKKWI


#121 [あんず]
 

「………っ!!」

そんな俺に驚いたのか、コイツは口をぽかんとしながら、目を見開いていた。


「んだよ、そんな珍しそうな目で見んじゃねぇ」

少し恥ずかしくなり、
俺は目を逸らし後片付けを再開した。


 

⏰:09/12/15 20:48 📱:W61K 🆔:C.HcKKWI


#122 [あんず]
 

「……っ頑張ります!!」


そしてその日の夜は、
俺と皐月と女3人で
食卓を囲んだ。

女の荷物とかは明日ここに届けられることになり


本格的に、
同居生活がスタートした。


 

⏰:09/12/15 20:54 📱:W61K 🆔:C.HcKKWI


#123 [あんず]
 

―――――――
――――――


「――…梓くん、
朝ですよ!!」

「ん………。」



朝、目を開けると

女が満面の笑みで
俺を見下ろしていた。


 

⏰:09/12/15 21:30 📱:W61K 🆔:C.HcKKWI


#124 [あんず]
 

「ぎゃっ!!」


俺はあまりにも
慣れない感覚に、
思わず声を漏らした。
そんな俺を見て、
女はニヤニヤと笑ってる。


「ぷ、梓くんの反応
可愛いっ…!!」

 

⏰:09/12/16 23:22 📱:W61K 🆔:N/0lcObM


#125 [あんず]
 

………腹立つ。


「笑うな!!」

俺は女の頬を摘まみ、
顔を真っ赤にしながら
ふん、と目を逸らした。


そんな俺の行動も
女には面白かったらしく
「梓く…、
女の子みたいです!!」
と笑い混じりに言った。

 

⏰:09/12/16 23:27 📱:W61K 🆔:N/0lcObM


#126 [あんず]
 

その言葉に、
俺は更に顔を赤くする。
冗談じゃない、
女と言われても何の嬉しさも感じねぇ!!


「ふざけんな馬鹿!!」

俺はそう一言言い付け、女を部屋から追い出した


…なんで朝から、こんな体力を使ってしまったのだろうと今更後悔する。

 

⏰:09/12/16 23:31 📱:W61K 🆔:N/0lcObM


#127 [あんず]
 


時計を見ると7時36分。

そろそろ皐月を起こさないと、昨日と同じように急がなきゃなんなくなる。遅刻してしまう。


それだけは避けたいと思い、俺は素早く制服を身に纏い部屋を出た。


 

⏰:09/12/19 16:36 📱:W61K 🆔:8cXmjqiU


#128 [あんず]
 

荒々しく階段を降り、
皐月の部屋に入る。

見慣れた部屋。
いつものようにベッドに向かい、思い切り布団を捲った。
すると、
目に飛び込んだのは


誰もいない、
真っ白な布団だった。

 

⏰:09/12/19 16:47 📱:W61K 🆔:8cXmjqiU


#129 [あんず]
 

「……あれ、」


皐月がいない…
もう寝ていない…?

=起きている!?


俺は皐月が起きているか確かめるべく、乱暴に部屋を出てリビングに入った。



するとそこにいたのは

 

⏰:09/12/19 22:37 📱:W61K 🆔:8cXmjqiU


#130 [あんず]
 

「おはよう梓。
今日は寝坊でもしたの?
ご飯出来てるよ。」


制服を身に纏い、
座りながら爽やかな笑顔で俺を見る皐月の姿。


俺はあまりの驚きと感動で、思わずその場に固まってしまった。


 

⏰:09/12/19 22:44 📱:W61K 🆔:8cXmjqiU


#131 [あんず]
 

だって皐月が起きてる。
あの皐月が、俺よりも早く支度を済ませのんびりと座っている。

今年に入って寝坊せずに起きられたのが2.3回程の皐月が起きている。



こんなこと、滅多にない。


 

⏰:09/12/19 22:48 📱:W61K 🆔:8cXmjqiU


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