<<来栖>>
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#191 [nanoka]
「絶対何かいるんだよ!最近俺、その何かにすっげー頭叩かれるんだ」
思わず「へ?」と間抜けな声が出てしまった。
睨み付けられた俺にはそれだけ?と聞き返す勇気はなかった。
:09/10/23 23:27
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:V9FMlRY2
#192 [nanoka]
「最初は気のせいかとも思ったんだけど、間違いなく叩かれてるんだ」
そう言って男は自分の後頭部を撫で下ろした。
「パーで平手打ちされたみたいな感じかな。でも振り向いても誰もいないんだよ。な?怖いだろっ?」
:09/10/23 23:39
:P906i
:V9FMlRY2
#193 [nanoka]
男に同意を求められ、俺は微妙に視線をそらした。
怖い話ならたくさん聞いてるし、正直他の人の話の方が何倍も怖かった。
でもその男にしてみたら、かなり怖いことらしく怖いだろ?と繰り返していた。
:09/10/23 23:47
:P906i
:V9FMlRY2
#194 [nanoka]
何度目かに男が怖いという単語を口にした時だった。
不意に蒼井さんが笑った。
笑ったのだ。いつもの微笑む方じゃなくて「ははっ」って声に出して。
:09/10/23 23:54
:P906i
:V9FMlRY2
#195 [nanoka]
蒼井さんがそんな風に笑うのを見るのはその時が初めてだった。
「何がおかしいんだ?」
蒼井さんに笑われたことがムカついたのか、止める暇もなく男は蒼井さんのシャツを掴んだ。
:09/10/23 23:58
:P906i
:V9FMlRY2
#196 [nanoka]
胸ぐらを掴むって光景を目にしたのも、あの時が初めてだった。
「痛っ!」
胸ぐらを掴んでいるのは男なのに、そう口にしたのはその男だった。
:09/10/24 00:04
:P906i
:pqfYGj1o
#197 [nanoka]
すでに蒼井さんから手を離し、殴られた(らしい)頭を押さえながら
「な?今見ただろ?」
と、今度は俺に詰め寄ってきた。
:09/10/24 00:07
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#198 [nanoka]
何だかもうただのおかしい人にしか見えなかった。
「覚えてませんか?」
そう訊いたのは蒼井さんだった。
俺と男の視線が蒼井さんに集まった。
:09/10/24 00:16
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#199 [nanoka]
「そんな風に頭を叩かれて怒られたこと、覚えてませんか?」
蒼井さんの言葉に男はしばらく考えてから問い返すように呟いた。
「ば…ばあちゃん…?」
:09/10/24 00:22
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#200 [nanoka]
「怒ってますよ、人の道に外れたことばかりしてるって。それから…」
蒼井さんは微笑みながら続けた。
「すごく心配してますよ。そんなことばかりしていたら長生きできないって」
:09/10/24 00:24
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