<<来栖>>
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#237 [nanoka]

そんな神崎さんが、今まで見たことないくらい暗い顔で店に入ってきた。

初めて神崎さんに会った人でも

「何かあったんですか?」

と、訊いてしまいそうな雰囲気だった。

⏰:09/10/27 22:23 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#238 [nanoka]

「寝不足なんだ」

と、神崎さんは開口一番俺にそう言った。

自分でも暗い雰囲気を出していることに気付いているらしい。

⏰:09/10/27 22:25 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#239 [nanoka]

「仕事忙しいんですか?」

という俺の質問に

「あぁ…まぁ」

と、曖昧な答えが返ってきた。

⏰:09/10/27 22:27 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#240 [nanoka]

「前に幽霊マンションの話をしたの覚えてるか?」

「はい。社員さんの間で有名なマンションですよね」

記憶力がいいのは、自分の中で自慢できる部分だ。

⏰:09/10/27 22:30 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#241 [nanoka]

「他にもあるんだよ、そうゆうマンションや部屋」

「そうなんですか」

話の意図がよくわからなくて俺はそんなありきたりな相槌を返した。

⏰:09/10/27 22:33 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#242 [nanoka]

「この間話したマンションみたいに家賃を下げれば入居者がつくこともあれば、下げてもずっと空き部屋のままの物件もあるんだ」

返す言葉が思い付かず俺は黙ったまま神崎さんの話を聞いていた。

「そうゆう物件はさらに家賃を下げるんだ。それでも入居者がつかない場合どうするかわかるか?」

⏰:09/10/27 22:40 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#243 [nanoka]

俺は首を横に振った。

「入居者がいないってのは気まずいんだ。大家さんにしてみたらここの不動産屋に仲介を頼んでるから入居者がいないんじゃないかって思われることもあるし」

その辺の事情は何となく理解できた。

⏰:09/10/27 22:43 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#244 [nanoka]

「だけどこっちにしてみたら、お客さんに紹介できる物件は多い方がいいに決まってるよな」

「はい。わかります…何となくですけど」

「ま、大人の事情だよ。大家さんのご機嫌とりをするわけだ」

⏰:09/10/27 22:46 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#245 [nanoka]

「ご機嫌とり…ですか」

「そう。簡単に言えば俺ら社員がそうゆう物件に入居するんだよ」

礼金や敷金といった謝礼をなくしてもらい、社員が入居するんだと神崎さんは説明してくれた。

⏰:09/10/27 22:49 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#246 [nanoka]

「へー…何か色々大変なんですね」

俺の言葉に神崎さんは、ははっと力なく笑った。

「俺も今住んでるんだ」

「えっ?」

⏰:09/10/27 22:51 📱:P906i 🆔:BSCzB462


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