<<来栖>>
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#470 [nanoka]

いつものように談話室に入ると

「今日はみんなにも視えるようにしましょう」

そう言って蒼井さんは両手であのもやを包んだ。

⏰:09/11/10 17:41 📱:P906i 🆔:bCXhyViA


#471 [nanoka]

「あ…!」

そばにいた亮太たちが声を洩らした。

どうやら亮太たちにももやが視えるようになったらしい。

⏰:09/11/10 17:42 📱:P906i 🆔:bCXhyViA


#472 [nanoka]

「この黒い塊がそもそもの原因です」

と、蒼井さんは言った。

「最初はもっと大きかったんですけど、今はここまで小さくなりました」

⏰:09/11/10 17:43 📱:P906i 🆔:bCXhyViA


#473 [nanoka]

そう説明をすると、蒼井さんはその塊を指で掴んだ。

右手の人差し指と親指で挟まれた塊は、逃げようと暴れているようにも見えた。

亮太たちも黙ってその光景を見つめていた。

⏰:09/11/10 17:45 📱:P906i 🆔:bCXhyViA


#474 [nanoka]

「さて…」

蒼井さんはそう呟くのと同時に指で掴んでいた塊を勢いよく指で押し潰した。

“ぱちん”という音が部屋に響いた。

⏰:09/11/10 17:47 📱:P906i 🆔:bCXhyViA


#475 [nanoka]

黒いもやは消えていた。

呆然としていると、枢先生の声が聞こえた。

「亮太くん…?と空に優ちゃん?」

枢先生は驚いた顔で亮太たちを見ていた。

⏰:09/11/10 17:50 📱:P906i 🆔:bCXhyViA


#476 [nanoka]

「行こうか」

蒼井さんに囁かれ、枢先生から目を離した。

蒼井さんはすでにドアの前にいた。慌てて後を追うと

「詳しいことは車で話すから」

⏰:09/11/11 02:26 📱:P906i 🆔:l/Kchu/.


#477 [nanoka]

そう言われた。

事態が飲み込めなかったけど前を歩く蒼井さんの背中が小さく見えて、俺は黙ってついて行くことにした。

車までの距離がやけに長く感じた。

⏰:09/11/11 02:29 📱:P906i 🆔:l/Kchu/.


#478 [nanoka]

蒼井さんが車のドアを閉めたのを確認すると、俺は口を開いた。

「何で声かけなかったんですか?せっかくあの塊が消えたのに」

「消えたからだよ」

蒼井さんは言った。

⏰:09/11/11 02:32 📱:P906i 🆔:l/Kchu/.


#479 [nanoka]

「悪い夢を見ている人を起こしちゃいけないという話を覚えてるかな」

俺の返事を待たず蒼井さんは続けた。

まるで俺にではなく別の誰かに話しているみたいだった。

⏰:09/11/11 02:34 📱:P906i 🆔:l/Kchu/.


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