<<来栖>>
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#194 [nanoka]
何度目かに男が怖いという単語を口にした時だった。
不意に蒼井さんが笑った。
笑ったのだ。いつもの微笑む方じゃなくて「ははっ」って声に出して。
:09/10/23 23:54
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:V9FMlRY2
#195 [nanoka]
蒼井さんがそんな風に笑うのを見るのはその時が初めてだった。
「何がおかしいんだ?」
蒼井さんに笑われたことがムカついたのか、止める暇もなく男は蒼井さんのシャツを掴んだ。
:09/10/23 23:58
:P906i
:V9FMlRY2
#196 [nanoka]
胸ぐらを掴むって光景を目にしたのも、あの時が初めてだった。
「痛っ!」
胸ぐらを掴んでいるのは男なのに、そう口にしたのはその男だった。
:09/10/24 00:04
:P906i
:pqfYGj1o
#197 [nanoka]
すでに蒼井さんから手を離し、殴られた(らしい)頭を押さえながら
「な?今見ただろ?」
と、今度は俺に詰め寄ってきた。
:09/10/24 00:07
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:pqfYGj1o
#198 [nanoka]
何だかもうただのおかしい人にしか見えなかった。
「覚えてませんか?」
そう訊いたのは蒼井さんだった。
俺と男の視線が蒼井さんに集まった。
:09/10/24 00:16
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#199 [nanoka]
「そんな風に頭を叩かれて怒られたこと、覚えてませんか?」
蒼井さんの言葉に男はしばらく考えてから問い返すように呟いた。
「ば…ばあちゃん…?」
:09/10/24 00:22
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#200 [nanoka]
「怒ってますよ、人の道に外れたことばかりしてるって。それから…」
蒼井さんは微笑みながら続けた。
「すごく心配してますよ。そんなことばかりしていたら長生きできないって」
:09/10/24 00:24
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#201 [nanoka]
これは後になって聞いた話なんだけど、頭を叩かれたのは何か悪いことをした時ばかりだったらしい。
男を心配したおばあちゃんなりのお仕置きだったようだ。
危害を加えるどころか心配して見守ってくれていたおばあちゃんを怖がっている男の姿に堪えきれず蒼井さんは笑ってしまったらしい。
:09/10/24 00:28
:P906i
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#202 [nanoka]
「だから悪いものではないって言ったんですね」
男が帰った後、ようやく静かさを取り戻した店内で俺は蒼井さんにそう声をかけた。
「はい。僕、嘘はつきませんよ」
:09/10/24 00:39
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#203 [nanoka]
そう言って微笑んだ後
「それに悪いものなら店の中には入って来れませんから」
と、説明してくれた。
「じゃあ今回みたいに守護霊みたいなものは中に入ってきてるんですか?」
:09/10/24 00:41
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