<<来栖>>
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#224 [nanoka]

神崎さんいわく

「よくあること」

のようだ。

「幽霊が出るってわかってても平気で入居者募集するしな」

⏰:09/10/27 21:39 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#225 [nanoka]

多分“大人の事情”というやつなのだろう。

「やっぱり幽霊が出るとかって入居前に伝えないんですか?」

「伝えないよ。殺人事件とか自殺とかあった部屋は事前に伝えなきゃいけないんだけど、自然死や幽霊の類いは黙ったままだね」

⏰:09/10/27 21:42 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#226 [nanoka]

「そうなんですか?」

「あぁ。まぁ俺たちは入居者を探して大家さんに紹介するのが仕事だから」

そう言って神崎さんは何か考えるように黙りこんだ。

⏰:09/10/27 21:44 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#227 [nanoka]

沈黙を破ったのは蒼井さんだった。

「よろしければもう一杯いかがですか?」

いつの間にか神崎さんのグラスは空になっていた。

⏰:09/10/27 21:45 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#228 [nanoka]

「あ…じゃあ同じものを」

蒼井さんは静かに微笑むとカクテルを作り始めた。

同時に神崎さんが再び口を開いた。

⏰:09/10/27 21:48 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#229 [nanoka]

「俺のとこの不動産屋で扱ってる物件で社員の間でも有名な物件があってさ」

と、神崎さんは幽霊マンションについて説明してくれた。

外から見た外観も暗くて、いかにもってマンションらしい。

⏰:09/10/27 21:50 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#230 [nanoka]

「両側にもマンションがあって、日が当たらないからなんだけど、それだけじゃない暗さがあるんだよな、あそこは」

「そこは何か事件とかあったんですか?」

「いや、何も。でもこの間そのマンションに住んでる夫婦が部屋を探しに来たんだ。担当したのが俺だったんで色々と聞いたよ」

⏰:09/10/27 21:53 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#231 [nanoka]

「心霊現象ですか?」

「あぁ。女の霊が出るらしい。鏡に写ったり視界の隅に見えたりするって言ってたよ」

「俺、そのマンションには絶対住みたくないです」

⏰:09/10/27 21:55 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#232 [nanoka]

「俺も」と、笑ってから神崎さんは言葉を続けた。

「毎日のように同じ女を見かけたらしい。でも実害っていうのかな。何かされるわけでもないしってことであまり気にしてなかったみたいなんだ」

すごい夫婦だなと思わず笑ってしまった。

⏰:09/10/27 21:58 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#233 [nanoka]

「でも奥さんが妊娠したんで引っ越しを決心したんだってさ。子供には見せたくないって言ってたよ」

「そのマンション今もあるんですか?」

「あるよ。しかも意外と入居者いるんだよ」

⏰:09/10/27 22:02 📱:P906i 🆔:BSCzB462


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