<<来栖>>
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#271 [nanoka]
「ここ、多分角部屋じゃないですね」
「えっ?」
意味がわからないという顔で神崎さんは蒼井さんの顔を見た。
:09/10/28 04:09
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:lksf9tkg
#272 [nanoka]
「壁の音も変ですし、さっき外から見た感じだと隣に部屋があると思うんです。ここよりは狭いかもしれませんが…」
蒼井さんの言葉を聞いた神崎さんは無言のまま、ベランダに向かった。
:09/10/28 04:11
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:lksf9tkg
#273 [nanoka]
ベランダの柵越しに隣の部屋を確認しているようだった。
「確かに変だな…」
独り言とも蒼井さんに向けた言葉ともとれる口調で、神崎さんはそう言った。
:09/10/28 04:14
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#274 [nanoka]
神崎さんが変だと言ったのには理由が二つあった。
一つは角部屋のはずの神崎さんの部屋のベランダの横が外ではなく壁だったこと。
「ちょうどベランダのスペース分くらい手前に壁があったから今まで気付かなかった」らしい。
:09/10/28 04:18
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#275 [nanoka]
カタカナのコのようなコンクリートでできた壁の出っぱりが見えたという。
そのコの字型の部分は東側の壁にくっつくように作られているようだ。
二つ目の疑問は、一面コンクリートの壁のその空間から音が聞こえるということだ。
:09/10/28 04:22
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#276 [nanoka]
「玄関を出てすぐの通路も壁で行き止まりだし、ベランダ側も壁だから入り口がないはずなのに…」
神崎さんの口にした疑問に俺は部屋に入ってから初めて怖さを感じた。
確かにそうだ。部屋があると過程しても入り口のない部屋の意味がわからない。
:09/10/28 04:26
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#277 [nanoka]
「五階の角部屋はどうなってます?」
蒼井さんの質問に、神崎さんはあっ!と声を漏らした。
「そういえば五階の角部屋もなかなか入居者が決まらなくて空き部屋なんです」
:09/10/28 04:29
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#278 [nanoka]
「その部屋見れますか?」
「はい。大家さんの家すぐ近くなので鍵借りてきますよ」
そう言って出ていった神崎さんが戻ってくるまで10分もかからなかった。
:09/10/28 04:32
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#279 [nanoka]
「部屋を見たいっていうお客さんがいるって言ったらすぐ貸してくれました」
と、手に持った鍵を蒼井さんに見せた。
「じゃあ早速行きましょうか」
:09/10/28 04:34
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#280 [nanoka]
調べた結果、五階は普通の角部屋だった。
ただその部屋の上にあるのは位置的に神崎さんの住む部屋ではなく、あの奇妙な空間だろうという結論にまとまった。
「こっちの角部屋を借りなくて良かったですね」
:09/10/28 04:38
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