こちら満腹堂【BL】
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#542 [ひとり]
【休憩】
今晩は、ひとりです。
ひとりがいない間にあげて下さったりんごさん、匿名さん、ありがとですヾ(^▽^)ノ
ん〜なんか平和な二人・・・きっとこのあと狭い湯船に二人仲良く浸かったりなんかしたんでしょうね。まぁ平和なんてそうそう続くもんでもないんでしょーが・・・・
アキがいるものww
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:10/02/20 20:39 :F01B :l7X8LntM
#543 [ひとり]
【第二十七話/追加注文しすぎると伝票がなんかもうぐちゃぐちゃであれになる】
頬が熱い。
凄い見事な往復ビンタだった。いやいや、ビンタなんて可愛い感じじゃすまねぇよもう。こりゃ平手打ちだよ、平手打ち。
うん、やっぱ漢字で『平手打ち』の方が、俺のくらったダメージがどれだけのもんかってイメージがつきやすいな。
つうか
「あのね、アキちゃん」
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:10/02/23 20:07 :F01B :T93pivbA
#544 [ひとり]
いい加減に腹の上からどいてくんないかな。いくら女の子の軽い体重でも、腹に圧がかかればそりゃどうしたって苦しいのよ。
最近腹筋をサボってたツケなのか、あぁ、息がしずらいったらない。
でもアキちゃんは一向にどいてくれる気配がないから、俺はため息をついた。満腹堂の、普段いろんな人が土足で踏みしめる床に頭やら背中やらをくっつけて。
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:10/02/23 20:13 :F01B :T93pivbA
#545 [ひとり]
毎日入念に磨き上げても、一日の営業が終わる頃にはすっかり元の木阿弥で、スタッフTから剥き出しの腕がベタベタして気持ち悪い。
「いい加減どいてくれると、おじさん凄い助かるんだけど」
「・・・・・・」
はい、無視ですか。
いいよ、無視したきゃしたって、そりゃ皆が皆と仲良くできる訳もねぇし、俺と口利きたくないってんならあぁそりゃ一向に構いませんとも。ただ
「もう息苦しんだよ、悪いけど」
今のこの体制で無視を決め込まれては、そんな呑気に構えてもいられない。
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:10/02/23 20:20 :F01B :T93pivbA
#546 [ひとり]
よし、今晩からまた腹筋始めよう。
誓いながら強制的に体をどかそうと、アキちゃんの腕に手をかけようとした、すると
「返してよ」
「え?」
久々に口を開いた彼女の声は、微かに低く、震えて聞こえた。
返すって、何を
「ゆうちゃん返してよ」
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:10/02/23 20:25 :F01B :T93pivbA
#547 [ひとり]
肝が冷えた。
返してって──
ゆうちゃんって───
この子は、根岸と俺の事・・・・・・知ってる?
「え、ちょ、アキちゃんいきなり何言って・・・」
「いきなりじゃないよ、ずっとそんな気してたんだよ」
俺を睨みつけるその瞳には、薄暗い何かが揺らめいている。華の女子大生を捕まえて、こんなん失礼かもしんないけど、普通に怖いです。
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:10/02/23 20:30 :F01B :T93pivbA
#548 [ひとり]
だいたい何でこんな事になったんだっけ。
普通に俺電卓たたいてて、アキちゃんが床を磨いてて、若い子の好きそうな恋愛ネタでもふってみるか〜みたいな軽い感じで話してて───
「学校楽し?」
「はい、楽しいですよ」
「そっかーサークルとか入ってんだっけ」
「はい、飲みサーですけど」
「いいじゃん飲みサー、出会いも多そうで」
「いや〜全然ですよ〜」
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:10/02/23 20:40 :F01B :T93pivbA
#549 [ひとり]
そうそう、いい感じで会話のキャッチボールしてたじゃん俺達。凄げぇ和やかだったじゃん。なのに───
「そうなの?でもアキちゃんなら出会いなんかなくてももう彼氏もちか」
「いえいえ、いないんですよ私」
「え、以外」
「・・・・好きな人なら、いるんですけど、ね」
電卓をたたく片手間に会話をしていた俺は、アキちゃんのその発言で彼女の方を見た。実は彼氏がいないってことは知ってた。だから兄貴的存在の自分にいつまでもひっついていて困るって、根岸から聞かされてたから。
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:10/02/23 20:49 :F01B :T93pivbA
#550 [ひとり]
でも、片思いする相手がいるなんて聞いてなかった。これはもしかしたら根岸も知らない事実なんじゃないか?
「へぇー好きな人いるんだ」
「はい、完全に片思いですけど」
「え、そうなの?ますます以外だわおじさん」
「ずっと、離れて住んでたんですよ、でも最近ようやくこっちに出て来て、頻繁に会えるようになって、私凄いアピって頑張ったんです。でもね、ダメみたいなんです」
・
:10/02/23 20:54 :F01B :T93pivbA
#551 [ひとり]
アキちゃんは寂しそうに微笑った。その表情(カオ)は恋する女の子そのもので、俺は密かにドキッとしてしまった。
「ダメみたいって・・・せっかく近くにいれるんだから、まだ諦めるのは早いんじゃないかな」
無責任な励ましの言葉。でも、それしか思いつかない。恋愛なんて不慣れな俺が、先輩面して言える台詞なんて、たかがしれてた。
「恋人、いるんです、彼」
うわ、俺の無責任な励ましのせいで、アキちゃんに余計な事を言わせちまった・・・俺のバカ。
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:10/02/24 19:55 :F01B :R2AVBU6I
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