こちら満腹堂【BL】
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#781 [ひとり]
「いつも俺の腕にぶら下がってくるくせに」
「私からね。そうじゃなくて、ゆうちゃんから繋いで欲しいの」
よくわからないが、従兄弟同士でおて手繋ぐくらいでプレゼントになるならまぁ安上がりでいいか。
俺は軽い気持ちでアキの手をとった。
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:10/12/26 11:28 :F01B :sQ7DWHS.
#782 [ひとり]
「はい」
「・・もう!そうじゃなくって!」
だがアキの奴は気に食わないらしく、膨れっ面になる。
「なんだよ」
「恋人繋ぎがしたいの!」
「あぁ、はいはい」
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:10/12/26 11:31 :F01B :sQ7DWHS.
#783 [ひとり]
恋人繋ぎ。それは互いの指と指の間に相手の指を挟み込む繋ぎ方で、季節関係なく長時間そうする事により大量の手汗をかいてお互いうぇ〜となる繋ぎ方の名称だ。
「これでどうだ」
「うむ、満足じゃ」
「さようか」
そして俺達は駅に向けて歩きだした。
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:10/12/26 11:35 :F01B :sQ7DWHS.
#784 [ひとり]
【休憩】
第・・・わかんねーこれ何話目だっけ(・∀・)?←コラ
アキは根岸におめでとーって謂ってほしかったんです。恋人繋ぎがしたかったんです。なのに終始根岸は気づかないんです。
書いていてアキが不憫になってしもうたですじゃ(うω;`)
てか、皆様上げて下さってありがとうございます!
ひとり、感謝の涙と鼻水で顔中ベトベトんなりますた!!
:10/12/26 14:12 :F01B :sQ7DWHS.
#785 [ひとり]
【第三十四話/食用花ったって、花は花】
昔、学生の時分に好きになった娘がいた。学校は違った。年は、俺の一つ上で、でも頼りなくて、俺がいなくちゃ、とか思ってた。少し身体が弱くて、消えちまうんじゃないかってくらい透き通った白い肌をしていた。でも彼女が微笑うと、パッと辺りが鮮やかになる。そんな華のある娘だった。
当時はあの娘が全てで、あの娘で最後だって思ってた。"これから先もずっと"って───
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:10/12/26 15:42 :F01B :sQ7DWHS.
#786 [ひとり]
久々にあの夢を見た。あの娘の夢。俺等が別れた学校近くの土手。日は傾いて、遠く帰宅を促す終業のチャイムが響く中、すみれの頬を伝う一筋の滴。それが傾いた西日に透き通って、綺麗で、悲しくて──
行ってしまう。すみれが行ってしまう───
駄目だ───
駄目だ───行くな───
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:10/12/26 15:58 :F01B :sQ7DWHS.
#787 [ひとり]
「──ッッだ!!」
目が覚めたら、寝汗びっちょり。おえ、おやじ臭せ。
んだよ、朝から胸糞悪りぃな。
とりあえず纏わりつく汗がうざったくて風呂場へ向かう。
うぅ、頭がフラつく。
昨日は素面でいるのがしんどくて、滝と無理やりべぇやんちに押し掛けドンチャン騒ぎ。
バッチリ二日酔いを喰らったみたいだ。痛ってー。
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:10/12/26 16:04 :F01B :sQ7DWHS.
#788 [ひとり]
いやいやだってだよ?マヂありえないんだってあのじゃじゃ馬娘が。
俺の太平洋より広く底なし沼より深いこの優しさをいいように利用しやがって、根岸とこ、こ、恋人繋ぎだなんて!!
イヤン!バカン!破廉恥ッッツ!!!!
ちゃっかり繋いだ手を写メって俺に送りつけてきやがったわけだ。思い返しても腹が立つ。
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:10/12/26 16:09 :F01B :sQ7DWHS.
#789 [ひとり]
根岸も根岸だ。
俺は祝ってやれとは謂ったが、手を繋いでこいなんてひとッッッ───────・・・ことも謂わなかった!!!!
あのバカが。
次から次へ溢れ出る不満を熱いシャワーに強く打たれて誤魔化す。イラついてる時ってのはエネルギーが溢れ出ていいね!なんかこう、1ミクロンの汚れも見逃さねーぞってくらい憎しみを込めて全身をガシガシ洗ったら、逆にスッキリして二日酔いもちったぁマシになった気がしたり。
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:10/12/26 16:16 :F01B :sQ7DWHS.
#790 [ひとり]
シャワーから戻ると、まだ野郎二人は夢の中のようだ。
そういや今日滝は遅番だし、べぇやんは休みだったもんな。あーあ、だらしなく腹なんかだしちゃって、ジャージーのゴム跡がばっちりついてますよコノヤロー・・・・・・マジックマジック・・・・・・・
────
──────
これでよし。我ながらプロの仕事だ。さて、そんじゃ一旦帰りますか。
俺は一人そそくさとべぇやんちを退散した。
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:10/12/26 16:26 :F01B :sQ7DWHS.
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