こちら満腹堂【BL】
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#41 [ひとり]
「うるせぇな!!!!!」

「「!!!???」」

突然頭上から浴びせられた怒鳴り声に、ハッとそちらを仰ぎ見れば

「テメェら今何時だと思ってんだっっ!!!!とっとと帰ってクソして寝ろっっっ!!!!」

道路沿いのボロなアパートの一室から、冬場にも関わらずランニングシャツ一丁のおっさんが俺達を睨み下ろしている。

「「すんませーん」」

俺達は駆け足でその場を後にした。

⏰:09/12/09 19:58 📱:F01B 🆔:vju6tYo2


#42 [ひとり]
───
──────
─────────

「おじゃましまーすよっ」

「・・・・・・」


結局、三田さんは俺んちまで付いて来た。
鼻歌まじりに履き潰したティンバーのブーツを脱ぎ捨てる三田さん。

「お前んち何かいい匂いすんな」

「・・・・あぁ、アロマたいてるんで」

「うっわ〜恥ずかしいヤツだな〜」

「意味わかんねぇし」

⏰:09/12/09 20:04 📱:F01B 🆔:vju6tYo2


#43 [ひとり]
今だ赤みを帯びた鼻をひくひくさせて部屋の匂いを無遠慮に嗅ぎまくっている。

「いいから早く中入って下さい」

「へいへい、あ、便所貸して〜」

「・・・・嫌です」

「よし、じゃーここで「そこ、左側です」

「あいよー」

言ってトイレに駆け込んだ。

⏰:09/12/09 20:11 📱:F01B 🆔:vju6tYo2


#44 [ひとり]
「・・・・・ふぅ」

俺はフードを脱いで、その場にへたり込んだ。

「どうすんだよコレ・・」

マヂで途方に暮れた。密室に、好きな人と二人。これはかなり宜しくない展開だ。

とにかくアレだ、変な気が起きる前に寝てしまおう。

⏰:09/12/09 20:16 📱:F01B 🆔:vju6tYo2


#45 [ひとり]
そうと決まれば善は急げだ。ダウンとデニムは脱ぎ捨てて、とにかく着替えとバスタオルをひっ掴み風呂場へ向かう。と、

「・・・何やってんすか」

「いや、風呂借りようかと思って」

「したら先に一言あるでしょーよ」

「あ、借りまーす」

「遅せぇし・・・コレ、使って下さい」

「おぅ、さんきゅ」

⏰:09/12/09 21:10 📱:F01B 🆔:vju6tYo2


#46 [ひとり]
俺は自分のために持ってきたタオルと部屋着を脱衣所に置いて、ひとまずリビングへ退散。ベッドに倒れ込んだ。

「本当に勘弁してくれよ」

思わず声が漏れた。

俺んちの脱衣所で、勝手に風呂借りようとした三田さん。勝手に服脱いでた三田さん。

「身体・・・・」

見てしまった、あんな不意打ちで。まぁ、上裸だけだけど。

⏰:09/12/09 21:18 📱:F01B 🆔:vju6tYo2


#47 [ひとり]
でも、バッチリ目に焼き付けてる俺。しっかり反応してる俺。ボクサー一丁だったから、バレないように腰を引き気味にして退散した俺。






重傷だ。

⏰:09/12/09 21:22 📱:F01B 🆔:vju6tYo2


#48 [ひとり]
寝床はこのシングルベッドが一台。

三田さんにはここで寝てもらって、俺はカーペットで雑魚寝だな。

できるだけあの人に近づかないように、見ないようにしよう。

そうしよう。

頭ん中でシュミレーションしながら、身体がズンと重たくなるのを感じた──

⏰:09/12/10 20:28 📱:F01B 🆔:CoaqmSpo


#49 [ひとり]
──
────

程よくスプリングの効いたベッドの上、ふかふかと柔らかく肌に馴染む布団の中で。ブラインドの隙間から差す陽に瞼を灼かれ目が覚めた。

いつもの部屋で迎える、いつも通りの朝。

背を反らすように、ゆっくりと伸びをする。

⏰:09/12/10 20:29 📱:F01B 🆔:CoaqmSpo


#50 [ひとり]
その際横に張った肘の右側に、布団とも壁ともつかない感触。まだ薄らぼんやりした頭でもわかる違和感にそちらを向いて、


「!!??!!??」


寝起きドッキリ。冗談ぬきに息が止まった。鼻がつきそうな至近距離に、寝息をたてるおっさんが一匹。

「三田さん・・」

どうやらあのまま寝てしまったらしい俺の横で、壁に背をつけて狭さもお構いなしに爆睡している。

⏰:09/12/10 20:29 📱:F01B 🆔:CoaqmSpo


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