こちら満腹堂【BL】
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#655 [ひとり]
挑発。と謂ってしまえるような乱暴な誘いに乗った根岸は、さっきまでが嘘のように俺の唇にかぶりついてきた。
懐かしの歌謡曲が一瞬頭の中を過ぎる。男は狼なのよー気をつけなさいー。
まぁ、対する俺も狼。気をつけるも何も、上等じゃねぇか。
髪を鷲掴みにされ、身体を引き寄せられ、何度も角度を変えながら、奥まで舌で弄られる。
息つく暇がない
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:10/04/18 19:52 :F01B :Kn5n1jUU
#656 [ひとり]
でも、どうでも良かった。
苦しくなる呼吸も、キツい大勢も、そんなん関係ねぇ。
根岸───
俺の頭は、バカみたいにそれだけに占領されていく。
根岸、根岸、根岸、
奴の首に回していた腕に力を込め直す。
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:10/04/18 19:57 :F01B :Kn5n1jUU
#657 [ひとり]
すると、根岸はピタリと動きを止めて、俺を正面から射抜いた。
「三田さ、本気・・止まんない、俺、」
呼吸が苦しいのはお互い様だったようで、根岸は上がった息でつっかえつっかえそう謂った。
眉間に刻まれた皺が、本当に辛そう。
「根岸、」
「はい」
俺は奴の耳元に、こう、囁いた。
「止まんなくて、いんじゃね?」
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:10/04/18 20:32 :F01B :Kn5n1jUU
#658 [ひとり]
「三田さ・・」
「止めようなんて考えるから、苦しくなるんだ」
「・・・いいんですか、んな事、謂っちゃって」
「知らなかったのか?」
「何を」
「俺もお前と同じ気持ちだってこと」
「はは」
根岸は短く笑う。俺達はまた互いを求め始める。
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:10/04/18 21:23 :F01B :Kn5n1jUU
#659 [ひとり]
今この瞬間。俺の頭がお前で一杯になってるこの瞬間に、お前の頭も俺で一杯になったらいい。
そう強く、もう"思う"ってより、"願う"に近い気持ちで舌を交えた。
さっきまでひやりとしていた根岸の手が熱い。
いつの間にかそれは直に俺の肌の上を滑るように動き回っている。ただそれだけのことで興奮しちゃうんだから、俺も、俺の息子もそうとういかれてる。
「三田さん、下が苦しそうですよ」
「ば・・か・・・」
油断したらアハンとか謂っちゃいそうで、俺は歯を食いしばって堪えた。
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:10/04/19 10:54 :F01B :Szzdx9cw
#660 [我輩は匿名である]
:10/04/19 13:20 :P03A :3sbxmL8g
#661 [ひとり]
「強がっちゃって」
目を瞑ったままでも、相手が微笑ったのが気配でわかる。
俺の前を寛げようと、根岸が手をかけたベルト。カチャカチャと響く音はやけにイヤらしい。
脳みそがドロドロに溶けてくみたいだ。もう、何も考えられない。ただ、根岸が欲しかった。根岸を、俺だけのものにしたかった。
「三田さん」
「根ぎ・・し」
「くわえていい?」
「一々聞くな・・・バカ」
するとまた、根岸が微笑った。そしてゆっくりと、自身(オレ)を包んだ。
「ぁ・・ん・・・」
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:10/04/19 23:08 :F01B :Szzdx9cw
#662 [ひとり]
まさかコイツとこんなことになるなんて、ちょっと前の俺なら考えられなかっただろう。うん、絶対。
でも人生、何が起こるかわからんもんだ。
まさか根岸が俺を好いてるなんて思いもしなかった。そんな根岸に俺が惚れるなんてのはもっと予想外だ。そんで今、ダチの家の便所に二人籠もってイソイソと"ナニ"に励もうってんだから、これまた予期せぬ事態な訳で。
べぇやん、ごめん。汚さないように、善処します。
それにしたって、根岸の舌使いがヤバい。
「・・・ぎし・・もぅ・・・」
「だしていいよ」
あぁ、チキショー、気持ちいいなコノヤロー。
根岸の肩に、乱暴に爪を立てた。
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:10/04/19 23:29 :F01B :Szzdx9cw
#663 [ひとり]
【休憩】
今晩はーひとりです。
第二十九話、完結。です★
振り返ってみると、なんだかてんこ盛りな回でした。ハイ。
おや、最後が中途半端だっておっしゃりたいんですね?いやいや、それがひとりなんですごめんなさいm(_ _)m
あ゙ぁぁぁ〜エロは難いんだよチキショォォォオ(;;´Д`)!!!!
誰かひとりにエロの書き方教えて下さい、三百円あげるから。ちーん
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:10/04/19 23:38 :F01B :Szzdx9cw
#664 [ひとり]
【第三十話/ほっけの人気】
点滅しだした信号。
正直謂って、泣きそうだ。
あぁ、わかった、わかったから、そんなにを引っ張らないでくれ。
「ゆうちゃーん、早くぅー」
アキに急かされて小走りに横断歩道を渡りきる。
「セーフ」
審判のように大きくセーフのジェスチャーをするアキは、いい具合に出来上がっている。
今駆けてきた後ろを見やれば、赤信号。でも別に、走る必要なんてないんじゃないかと思う。深夜二時半過ぎ。車なんて、忘れた頃にやってくるくらいのペースだ。
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:10/04/19 23:52 :F01B :Szzdx9cw
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