triangle
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#57 [ロー]
兄貴の衝撃的な告白と宣言から実家での4日間、俺はますますふたりを避けるようになった。
兄貴はまるで何も言わなかったかのようにしたので、俺も何も聞かなかったことにした。
そして1月3日、俺は寮に戻ってきた。
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:09/12/19 17:48
:SH706iw
:fYq7rvpg
#58 [ロー]
「で、どーだった?」
年明け一発目の練習で、俺を見つけた田中大輔が真っ先に聞いてきた。
「何が?」
普通あけおめとか言うんじゃねーの?っていうありきたりのツッコミを引っ込め、あえて無関心に答えてみた。
大輔のやたらと気に障る満面の笑みで、こいつが何を聞きたいのかは、十分すぎるほど予測はできた。だけど無視する。単にむかつくから。
:10/01/16 21:56
:SH01B
:cWI1.GME
#59 [ロー]
「もお!わかってるくせに〜」
わざと頬をふくらませてみせる大輔を殴りたい衝動を押さえつつ、やっぱりスルー。
それにしてもよく喋れるなと思う。今、俺と大輔は二人一組でペアになってストッチ中だ。
俺の背中合わせで上になり、背中を伸ばしながら大輔は続けた。
「みきちゃんだよ!何か進展あった?」
:10/01/21 00:06
:SH01B
:OLdjix/w
#60 [ロー]
やっぱり予感的中。
大輔は俺が実家に帰る度にこの質問をしてくる。
大輔とは1年の時からずっと同じクラスで、寮でも同じ部屋だ。性格は全く似ていないが、何となく気が合って、みきのことも兄貴のことも、大輔にだけは話していた。
大輔はみきと兄貴を知らないから、話しやすいというのもあった。
一瞬兄貴の告白のことを言うか言わまいか悩んだか、止めた。なんとなく。
「・・・・別に」
:10/01/21 00:08
:SH01B
:OLdjix/w
#61 [ロー]
「あ!なんだよその間?」
今度は俺が上になる番だったのに、急に大輔は振り向いて興味深々に目を輝かせた。
「なんもねーよ」
ぶっきらぼうに答えると、また大輔は頬をふくらませてみせた。
今度もやっぱりスルーで。
:10/01/21 00:10
:SH01B
:OLdjix/w
#62 [ロー]
「ストレッチ終わったか〜?」
ちょうどその時、練習開始時間から30分も遅れて湯川コーチがグランドに現れた。
「湯川ちゃん、おせーよ!」
大輔は俺のスルーにもめげず、頬を膨らませ続けていたが、湯川コーチの方を振りかえって文句をたれた。
「あ、悪りぃ」
全く悪いとは思っていないであろう笑顔で、湯川コーチは軽く答えた。腹が立つほどの爽やかさで。
:10/01/21 00:12
:SH01B
:OLdjix/w
#63 [ロー]
「ぢゃあ監督まだ来ないし、とりあえず外周でもするか。そーだな・・・」
湯川コーチはそこで言葉を切り、わざとらしく考えるような素振りをしてみせた。
「20週とか挑戦してみるか!」
1、2年生の集団のあちこちから小さなブーイングがもれる。
:10/01/22 21:34
:SH01B
:ZBvTVIA.
#64 [ロー]
「え、足りないって?」
湯川コーチが笑顔で続けた。
「おまえらチャレンジャー!ぢゃあ30週!」
今度はみんな声を失った。俺たちの通常の練習メニューでは外周10週だ。それだけでも十分きついのにその3倍。
湯川コーチは楽しくて仕方がない、といった顔だ。その顔を見て、俺は絶対初めからこのつもりだったのだと確信した。
:10/01/22 21:36
:SH01B
:ZBvTVIA.
#65 [ロー]
「湯川ちゃん、休み明けにそらねーよ!」
ほとんど諦めながらも大輔が一応の反発をしてみせた。
みんながほんの僅かな期待を込めて、湯川コーチの方を一斉に見た。
「休み明けだからこそ、だよ。」
問答無用といった感じで湯川コーチが答えた。最高の笑顔で。
:10/01/22 23:35
:SH01B
:ZBvTVIA.
#66 [ロー]
「出た、ドS・・・」
隣で大輔が呟いた。おそらく、このグランドにいる全員が同じことを、頭の中で呟いているのは間違いない。
湯川コーチはいつもこんな感じだ。俺らを扱くことが生きがいとでもいうかのようで、一度言ったことは決して曲げることはない。
高校生の時に、海外の大学の、サッカーをやってるやつなら誰もが憧れるようなクラブチームから、オファーを受けていたというくらいだから、コーチとしては最高なんだけど。
練習以外でもいろんな相談にものってくれるし、みんなの頼れる兄貴って感じで、なんだかんだ言いながらみんな湯川コーチを慕ってるし、尊敬している。
:10/01/22 23:37
:SH01B
:ZBvTVIA.
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