浮 き 世 の 諸 事 情 。
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#108 [笹]
「‥あたしの事
様子、見にきたんですか?」
ふてくされ気味に一応酒を注ぐ
「様子‥
さぁ何の事、でしょうね」
あの怪しい笑みを浮かべて
酒を手に取る
お隣は‥
どうやら"行為"に至ったらしい
色がましい声が耳にへばりつく
:10/01/28 15:47 :D905i :Ad90U/U2
#109 [笹]
沈黙‥と行きたいとこだけど
お隣の声の"おかげ"‥
"せい"で沈黙が破られる
―‥気まずい。
「香夜さん‥」
やっぱり素直に‥
「本当に‥」
謝ろうかな‥ぁ
:10/01/28 15:50 :D905i :Ad90U/U2
#110 [笹]
「お綺麗です、ね」
頬に冷たい感覚
あの綺麗な手で頬を包み込まれた
壱助さんの目が
いつもとどこか違う‥
「い‥壱助さん?」
「お美しい‥」
「壱助さん‥?ちょっと‥」
:10/01/28 15:52 :D905i :Ad90U/U2
#111 [笹]
あっという間に
壱助さんの顔がこちらに迫る
その向こうには天井が見える
壱助さん‥ちょっと待ってよ
たった一杯で酔ってるの?
「壱助さん‥
からかうのは止めてください」
引きつる笑顔を向けても
無駄だった
:10/01/28 15:55 :D905i :Ad90U/U2
#112 [笹]
やだ‥
「こんなに‥胸元を開けて」
「や‥」
細くて白い指が胸元を這う
「積極的です、ね」
「壱助さん‥」
華奢な手でも力は強かった
上で捕らえられた両腕が
びくともしなかった
:10/01/28 15:59 :D905i :Ad90U/U2
#113 [笹]
「まだ生娘となれば‥」
「いやぁ‥」
「こちらも力が入ります、ね」
「止めて‥壱助さん」
「そんな顔も、惹かれますねぇ」
首筋にねっとりと這う舌
思わず体が飛び跳ねる
:10/01/28 16:02 :D905i :Ad90U/U2
#114 [笹]
最初から‥
このつもりだったの?
最初から‥
喰らうつもりだったの?
ねぇ壱助さん‥
あたし、わかんないよ
せっかく‥せっかく
心が開ける人ができたのに
壱助さん‥
そんな簡単に信じたあたしが
馬鹿だったのかな‥、
:10/01/28 16:04 :D905i :Ad90U/U2
#115 [笹]
もう‥いいや、
もう‥
「今朝の威勢はどこ、に?」
首筋から感覚が消えた
「男とは‥こういう者、ですよ」
溢れ出した涙を
壱助さんの手が拭う
:10/01/28 16:09 :D905i :Ad90U/U2
#116 [笹]
「言わんこっちゃ、ない」
そして‥笑った。
:10/01/28 16:10 :D905i :Ad90U/U2
#117 [笹]
:10/01/28 16:13 :D905i :Ad90U/U2
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