浮き世の諸事情｡

　
｢いや‥やめて｣

｢最後まで､されなきゃ‥
わからないんですかい？｣

｢いやぁあぁっ｣

縛られた手は役立たずで
声を上げても無駄だと言われ
ただ泣くしかなかった

　
｢優しさなんてのは‥
ただの餌､ですよ｣

酷いよ‥酷いよ貴方
みんながみんな‥
そういう訳じゃないじゃない

あたしに跨る壱助さんが
冷たい目で見下ろす

祥吉さんも‥そんな目だったかも

　
｢嬉しかったんです､か

こんな事‥されて｣

唇が今にも触れそうなくらい

壱助さんの吐息は暖かかった

：
：

あれから祥吉さんに
唇を奪われてしまい
運良く？悪く？
壱助さんに見つかってしまい
祥吉さんは何処かへ蹴り飛ばされ

‥あたしはこういう訳で

　
｢さて‥お仕置きです､よ｣

壱助さんは
"子供"と接吻なんて
‥真っ平だそうで

も､もちろんあたしもよ!!
この人としたら
唇食いちぎられそうだもの

　
体を離してまたお茶｡

お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶

その内体が緑色になるわよ!!
‥もう

　
｢どう‥されたいです､か｣

帯解かれたいです｡

｢ここで男を知ります､か
あぁ‥それは無理でした｣

｢へ？｣

｢‥中の下では､"目覚め"ません｣

‥本当に緑色になればいいのに
なんて､思うほど憎い

　
｢そうです､ねぇ
三角木馬に座るも結構
針山を登るも結構
爪でその皮膚
丁寧に剥いでやりやしょう､か

お薦めは‥
爪との間に針をぶすっと‥｣

｢ぎゃあぁあぁあっ｣

　
痛い‥痛すぎる
って言うか

なんでそんな拷問好き？
三角木馬とか‥本格的だし
本物の変態‥

爪とか､ぜーったい無理!!
だったら死んだほうが‥

　
｢死なせません､ぜ｣

急に柔らかくなる声
やっぱりわかる
壱助さんの微妙な声の変化

｢無駄な命に､してはいけない｣

｢‥わかってますよ｣