浮 き 世 の 諸 事 情 。
最新 最初 全 
#487 [笹]
「何って‥
助けるんですあの子を!!」
手を振り払おうとしても
壱助さんの手は
掴んで離さなかった
ひどい‥壱助さん
「壱助さんにはわからないんです
親に暴力を振るわれて
黙って耐えて‥」
:10/02/08 20:19
:D905i
:hMEINdHE
#488 [笹]
不安定な言葉を
無理に立て直しながら
何度も何度も振り払おうとした
「助けた所で‥
彼は、幸せになれますかい?」
悲しそうな壱助さんの目が
捕らえて離さない
幸せ‥?
幸せに決まってるじゃない
:10/02/08 20:20
:D905i
:hMEINdHE
#489 [笹]
「彼を助けて、その後
貴女が養うとでも‥?」
「それは‥」
「見知らぬ土地に放されても
‥彼は死に至るでしょう。
貴女は、彼の家庭の事情を
全てご存知なんですかい?
彼はあんな母親でも、
慕っているかも‥しれない」
何も言い返せない自分に
腹が立った
:10/02/08 20:21
:D905i
:hMEINdHE
#490 [笹]
「中途半端に
情に流されて動いては‥
却って苦しめることになる。」
だけど‥だけど
あの子死んじゃうよ‥
「今此処で
あの母親に何か言えば
‥彼は本当に殺されます、よ」
うずくまる少年が
ちらりとこちらを向いた
:10/02/08 20:21
:D905i
:hMEINdHE
#491 [笹]
助けを求めるでもない
憎しみも悲しみも
何も訴えてこない
曇った目をしていた。
恐怖をも覚えるほど
一番辛くさせる眼差しだった
:10/02/08 20:22
:D905i
:hMEINdHE
#492 [笹]
:
:
‥雨は止まない
さっきの少年の目が
頭に焼き付いて離れない
あたしには
何もできないと言う悔しさ
一方的に押しつけてしまった
自分の感情。
もうわからないよ‥壱助さん
:10/02/08 20:23
:D905i
:hMEINdHE
#493 [笹]
「死んじゃったら‥
死んじゃったら‥どうしよう」
ぶわっと泣き出し
顔を両手でふさいだ
これは不安よりも恐怖で
自分の無力さへの
憤りでもあった
たくさんの思いが
複雑に絡みうめき
涙になって流れてゆく
:10/02/08 20:23
:D905i
:hMEINdHE
#494 [笹]
「香夜さん‥」
畳を擦ってこちらに寄り添い
後ろから優しく
壱助さんが抱きしめた
「‥あたし‥もう」
濡れた体を
優しく撫でるように
手拭いをあてがう
:10/02/08 20:23
:D905i
:hMEINdHE
#495 [笹]
「もう、何も見なくていい‥
何も考えなくていいんです、よ」
いつもより暖かい
壱助さんの手が
あたしの目を覆った。
:10/02/08 20:24
:D905i
:hMEINdHE
#496 [笹]
「何も‥。
しかし、あの目を
一生忘れてはいけません、ぜ
あの目を忘れた瞬間‥
貴女は彼を‥
見殺しにした事となる。」
:10/02/08 20:25
:D905i
:hMEINdHE
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194