浮 き 世 の 諸 事 情 。
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#926 [笹]
結局いつも通り
意地になって反論してしまう
乗せられるとは
こういうことかな?
隣に腰を下ろせば
ふわり漂う壱助さんの香り
着物の襟から伸びた
首筋が淡く溶けてしまいそう
何だか緊張する
体がじわりと熱を帯びた
:10/03/20 21:32 :D905i :Z99/cef.
#927 [笹]
「おや‥何処かで酒を
召してきたんですかい?」
「飲んでないですよっ!」
そう答えれば怪しげに笑い
細い指があたしの頬に触れた
「良い色に染まってます故‥
そうなのかな、とね」
:10/03/20 21:32 :D905i :Z99/cef.
#928 [笹]
完璧にからかわれてる‥
そうわかっててもやっぱり駄目で
「んもっ‥馬鹿っ!!」
羞恥に目を潤ませて
その指を払いのければ
一気に顔が熱くなり
:10/03/20 21:33 :D905i :Z99/cef.
#929 [笹]
「‥紅い」
楽しそうに笑みを浮かべ
お猪口を此方に差し出した
乗せられる‥
やっぱりこういうことかぁ
:10/03/20 21:34 :D905i :Z99/cef.
#930 [笹]
:
:
あっという間に日が暮れて
昼とはまた違う
大人な雰囲気の夜桜
賑わいはさらに増して
陽気に踊り出す人々もちらほら
あんなにあった団子も
いつの間にかあと数個
:10/03/20 21:34 :D905i :Z99/cef.
#931 [笹]
「あぁっ
もう‥飲めないれす‥ッヒク」
自分でもわかってた
だんだん酔っていくのを
頭がぼーっとして
何だか楽しくなって
勧められればぐいぐいと
調子に乗らされました
:10/03/20 21:34 :D905i :Z99/cef.
#932 [笹]
「まぁ、まぁ
まだ夜は長い‥ですよ」
お猪口いっぱいに
とくとくと酒を注がれる
透き通ったこの液体が
あたしの中をめぐって
気分よくさせてるのか
見た目なんて
水と変わりやしないのに
:10/03/20 21:36 :D905i :Z99/cef.
#933 [笹]
「おっとっと」
結局溢れそうなそれを
口元に運んで一気に飲み干す
頭じゃわかってる
頭ん中は至って冷静
だけど体は分離してる
もう空の瓶が
いち、に、さん、し‥
あれ?
四本以上あるのはなぜだ
どこから湧いて出てきたんだ
:10/03/20 21:37 :D905i :Z99/cef.
#934 [笹]
それにしても‥
「いちしゅけさんは‥
お酒‥ちゅよいれすねぇ」
今にもふらり倒れそうなあたし
打って変わって
先ほどから全く変化のない貴方
顔色一つ変えやしない
化け物かって思いますよ
:10/03/20 21:37 :D905i :Z99/cef.
#935 [笹]
「まぁ‥ね」
「ふぅん‥
そおいえば、いちしゅけさん」
完璧に呂律が回ってない
もうさすがにやめよう
「想い人っていましゅかあ?」
あたしは何を聞いてるんだ
:10/03/20 21:38 :D905i :Z99/cef.
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