浮 き 世 の 諸 事 情 。
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#32 []
 
「何でもよいのなら‥
首をちょいと‥」

「やややややっ!!
やめて下さいぃいっ!!」

「それでは‥
所有物、と言うことで‥契約を」


ニコッと愛想良く笑ったが
なんと言うか‥心晴れず。

⏰:10/01/24 19:15 📱:D905i 🆔:ZJpO7xz6


#33 []
 
「‥って言うか!!
話逸らさないでくださいよ!!」

「さぁ‥」

むくっと立ち上がって
また壁にもたれかかり
‥ぼうっと空を眺めてた


無理矢理に体を起こしてみるが
やっぱり重い

⏰:10/01/24 19:16 📱:D905i 🆔:ZJpO7xz6


#34 []
 
「名前です!!貴方の!!」

「名前‥
何故"所有物"に教えな‥」

「名前無くちゃ‥
呼べないじゃないですか!!
ふ‥不便です!!」


なんかイライラしてきた‥
ほんとに何なのよ!!
もう‥嫌

⏰:10/01/24 19:18 📱:D905i 🆔:ZJpO7xz6


#35 []
 
「不便‥ねぇ
そうですね‥呼び名、か」

こうやってもったいぶるのも
あたしを馬鹿にしてるんだわ


逃げ出さなくちゃ‥!!



「逃げようなんて‥無駄、ですよ」

⏰:10/01/24 19:18 📱:D905i 🆔:ZJpO7xz6


#36 []
 
背筋がぞっとした
何かが不気味な冷たい物が
這い上がってくるような‥

「に、逃げようなんて‥!!」

「‥思っていらっしゃる」

鋭い眼差しが捉えて離さない

"イケない物に出くわした"
そんな気もしたけれど

美しすぎて、見とれてしまって

動けなくなっていた。

⏰:10/01/26 16:10 📱:D905i 🆔:3fGEyA9k


#37 []
‥見透かされてる?
特別な力でも持ってるの?

「あの‥」

だらしなく開けたままの口から
間の抜けた声が出た

その人は表情を全く変えずに
ゆっくりとこちらに視線を落とす


「何か、」

捕まえておきながら
その関心なさそうな声‥

⏰:10/01/26 16:15 📱:D905i 🆔:3fGEyA9k


#38 []
 
「どうするつもりですか?」

すると
やっと眉間がピクリと動いて
また同じ口調で"何を、"と言う

きっとこの人とあたしの性格は
正反対なのだと思う
ここまで白けてる人‥初めて

⏰:10/01/26 16:20 📱:D905i 🆔:3fGEyA9k


#39 []
 
ムスッとして少し睨みつける

‥動じない。


もっと睨みつける

‥全く。



ここまで来ると‥
何故か芽生える、寂しさ

⏰:10/01/26 16:21 📱:D905i 🆔:3fGEyA9k


#40 []
 
「どう、されたいんで?」

お茶をすすって放った声は
すごく低くて部屋中に響き渡った


「どうって‥
どうされたいも、こうされたいも
言わなくてもわかるでしょう?

所有物なんて嫌です!!絶対に」

つい声が大きくなってしまった
はっとして咄嗟に下を向く

⏰:10/01/26 16:26 📱:D905i 🆔:3fGEyA9k


#41 []
 
―‥沈黙
何故か急に恥ずかしくなる



「では‥夫婦にでも、なりますか?」

「め‥め、おと?!
ふざけるのもいい加減に‥」



と、言い終わる前に
あの綺麗な手で塞がれた馬鹿でかい声は情けなく語尾を弱めた

⏰:10/01/26 16:32 📱:D905i 🆔:3fGEyA9k


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