浮 き 世 の 諸 事 情 。
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#846 []
第二八章 【煙に、染めて】
>>831-845
*。*。*。*。*
壱助さんが自分を見失ってます
どこまでも冷静だけど
感情的になるべきとこでも
冷静なのがもどかしい(゚-゚)

好いてる方には
簡単に手を出さない主義です、よ
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4676/

⏰:10/03/11 13:49 📱:D905i 🆔:dGcWPyzM


#847 []


「あの‥
ご迷惑をお掛けしてしまい
本当に申し訳ありませんでした」

額を畳にこすりつけ
深々とお詫びをした


しかし此処は
男性の住まいらしき所

‥やっぱりそんな
一筋縄ではいかないかな?

⏰:10/03/11 13:50 📱:D905i 🆔:dGcWPyzM


#848 []
 
壱助さんが
あんな破廉恥なこと言わなければ


はぁ‥。

頭に浮かぶ貴方の隣に
あの娘さんが寄り添って
少し‥不愉快なのです

⏰:10/03/11 13:51 📱:D905i 🆔:dGcWPyzM


#849 []
 
「頭を御上げください
そんな、お気になさらず‥」

見た目通り優しい方で
暖かくて柔らかい

目尻に出来た笑い皺が
人の良さを引き立てた


「本当に‥
あたしのこの性格のせいで」

⏰:10/03/11 13:52 📱:D905i 🆔:dGcWPyzM


#850 []
 
お詫びしようにも
壱助さんがそばにいないあたしは
無能で一銭も持ってない

ただ頭を下げるしかできないのだ


「これも何かの縁ですから‥」

初めて会った気がしない
其れほどの安心感

⏰:10/03/11 13:52 📱:D905i 🆔:dGcWPyzM


#851 []
 
「あたし‥香夜と申します!!
お金もないし、色気もないけど
お裁縫は得意なので‥
お着物の解れなど有りましたら
‥な、何なりと!!」

案の定
男性からはクスッと笑い声


本当にあたしって役立たず
俯き指で畳の網目をなぞった

⏰:10/03/11 13:53 📱:D905i 🆔:dGcWPyzM


#852 []
 
「自分は"幸太郎"と申します
年は‥香夜さんより
一回りくらい上です、たぶん
不器用なもんで‥
裁縫は苦手ですね」

柔らかい笑顔を浮かべた

一回りくらい上なら
お父さんと同じくらいかな‥
生きてたら‥、
幸太郎さんと同じくらい

⏰:10/03/11 13:53 📱:D905i 🆔:dGcWPyzM


#853 []
 
催眠術にかかったように
頭の中がぽーっとした

もう与えられることのない
父からの愛情を‥
今目の前に見てしまう


「今は、一人暮らしですが‥
自分には妻と娘が居ました。」

何故かその時胸が泣いた

⏰:10/03/11 13:54 📱:D905i 🆔:dGcWPyzM


#854 []
 
幸太郎の姿が
亡き父と重なってしまった


隠れていた寂しさが
奥の方から湧き上がる

「もう、十年も前ですか‥
三人で暮らしていた住まいが
‥火事に遭いまして
全焼でした、
真っ黒な炭になった木材が
ぼろぼろと崩れていく光景は
本当に‥見てられませんでした」

⏰:10/03/11 13:54 📱:D905i 🆔:dGcWPyzM


#855 []
 
遠くの過去が
最早思い出となってるのか
ほんのり浮かんだ悲しげな笑みが
胸を突き刺した


「自分は丁度出掛けてまして‥
帰ってきたら‥"それ"だけ。
逃げ切れなかった妻と娘は‥」

⏰:10/03/11 13:55 📱:D905i 🆔:dGcWPyzM


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