君に告げる
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#69 [すー]
声を聞いたら
後戻りなんてできない。


彼女を

春姫を


桜田春代という純粋な人間を今この手で汚している。


いや、愛しているのか。言葉にはできないことを今こうして、彼女に伝えてるのか。

⏰:10/02/02 00:47 📱:F706i 🆔:vMl7Ot9Q


#70 [すー]
『…るっ…い…』


名前を呼ばれるだけで、こんなにも嬉しいと思える人がこの世の中にいるのだろうか。



私は春姫を愛していた。

心も体も。
離れられない。

⏰:10/02/02 00:52 📱:F706i 🆔:vMl7Ot9Q


#71 [すー]
だから?……


春姫の噂がどうしても許せなかった。

愛しているからこそ、許せる。そう思っていたのに、できない自分がいた。だから別れを告げた。

『え?どうして?』

泣きそうになる春姫。
そして何か思い当たるのかハッとする春姫の顔を見たとき…


全てが事実だったのだと思った。何かが私の中で壊れたのだ。

⏰:10/02/02 01:03 📱:F706i 🆔:vMl7Ot9Q


#72 [すー]
春姫とのそんな関係は半年以上経っていた。


秘密の交際は知らぬ間に人に知られ、噂になる。
噂になっても変わらない関係。私は心底春姫を信じていた。

⏰:10/02/02 01:09 📱:F706i 🆔:vMl7Ot9Q


#73 [すー]
………―――



こんなことになるなら、あの時許すべきだった。


「はっ…はぁ…」


ざわざわと葉が風に揺られている。土の匂いと草木の匂いがする。


「しろっ…やま公園っ」


誰もいない公園。春姫だってそこにいないのに。私はまた駆けだした。

⏰:10/02/02 01:15 📱:F706i 🆔:vMl7Ot9Q


#74 [すー]
公園の奥へ行くと青々しい葉を揺らしている桜の木。


その下には緩んだロープと古ぼけた看板があった。


注意しながらロープをこえて崖のようになっている所を見下ろした。



ここから春姫が落ちるところを想像する。

叫んだろうか?
落ちる景色はいったい何色だったのか。

⏰:10/02/06 23:58 📱:F706i 🆔:6N2CEW/Q


#75 [すー]
どのくらいそこに立っていたのか、子供が無邪気に笑う声が聞こえる。



はっとして携帯を見るとあと十分で授業が始まってしまうことが分かった。


「………」


ポケットからくしゃくしゃになった手紙を取り出す。

⏰:10/02/07 00:07 📱:F706i 🆔:Cz1AutVs


#76 [すー]
「バイバイ春代」


本当にさようなら。




ビリッと手紙を破ると、もう一度破く。


ビリッビリッビリッ



できるだけ細かく。

⏰:10/02/07 00:10 📱:F706i 🆔:Cz1AutVs


#77 [すー]
両手にこんもりと山を作って、それを捨てようとすると

「あ………」

強い風が吹いて



パラパラと紙屑は舞いながら落ちていった。


まるで季節はずれの桜だと三橋は思った。

⏰:10/02/07 00:14 📱:F706i 🆔:Cz1AutVs


#78 [すー]
「……る……い?」



「!?」



見覚えのある声にゆっくりと振り向くと



そこにはいるはずのない者がいた。



「……は?え??」

⏰:10/02/07 00:17 📱:F706i 🆔:Cz1AutVs


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