記憶を売る本屋さん
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#423 [ちい]
:10/04/09 08:21
:F905i
:3LqOdeFo
#424 [我輩は匿名である]
>>422さん
そんなに


笑
じゃあ頑張って1日何回も更新するわ


笑
>>423さん
アンカーありがとうございます


:10/04/09 08:46
:N08A3
:D1zW908U
#425 [我輩は匿名である]
「でもさぁ、何でいきなり告ったの?」
3人で帰っていると、奏子がふと、響子にそう尋ねた。
響子は「え…」と口ごもる。
「それ、俺も気になる。告るのは絶対薫の方だと思ってたのに」
直人も便乗してみる。
「…私が急にワガママ言ったの。
“長谷部今日子”じゃなくて、“香月響子”として見てほしい…って」
「…どゆ事…?」
奏子は理解できず、頭を抱える。
:10/04/09 08:50
:N08A3
:D1zW908U
#426 [我輩は匿名である]
「薫はあの時、『俺が好きなのは長谷部今日子だけだ』って言ったでしょ?
…後から考えたら、何か悔しくなってきてね。
…私も最初は、霜月優也で頭がいっぱいだった。
でもね、過去の記憶がなくても、前世で関わりがなかったとしても、
私はきっといつか、月城薫を好きになったんじゃないかって思って…」
「言っちゃ悪いけど…薫はそれはなかったと思うぞ」
直人はあっさり断る。
あまりにもデリカシーのない直人に、奏子が頭をたたく。
「いてぇなぁ!」
「女心がわかんないバカは黙ってな」
:10/04/09 08:51
:N08A3
:D1zW908U
#427 [我輩は匿名である]
「いいよ、私もわかってたから」
響子は笑って言う。
「だから薫に言ってやったの。
『私が長谷部今日子を越える女になって、私の事しか考えられないようにしてやる』って」
「お前ってそんなに男前なキャラだっけ…?」
「男前とか言わないの」
「まぁ真の男前はお前だけどな。男前っつーか、男?」
「女だよ。あんたどこ見てんの?」
「お前なんか見てねーよ」
2人はまた、言い合いを始めてしまった。
懲りない2人に、響子は横で1人、ため息を吐いた。
:10/04/09 08:51
:N08A3
:D1zW908U
#428 [我輩は匿名である]
家に帰り、直人は大きくため息を吐く。
「(…1人になっちまったなぁ…)」
事情を知る人がいてくれないと、気分が落ち込んで仕方がない。
誰かと話して騒いでいる方が、気が紛れてちょうど良かったのに。
直人は黙って靴を脱ぎ、「ただいま」の声もなしに部屋に入る。
それを、違う部屋の角から母と妹が見つめていた。
:10/04/09 12:33
:N08A3
:D1zW908U
#429 [我輩は匿名である]
「…ねぇ、あの子どーしちゃったかなぁ?」
「お兄ちゃん、昨日変な悲鳴あげてトイレに引きこもってたよ」
「うつ病にでもなっちゃった?」
母の言葉に、2人は顔を見合わせる。
「あの変人お兄に限ってそんな事…」
「…あるわけないわよねぇ〜!」
2人はそう言いながら、大声で笑ってリビングに戻っていった。
:10/04/09 12:33
:N08A3
:D1zW908U
#430 [我輩は匿名である]
直人はそんな事も知らず、机に鞄を置く。
その拍子に、机の置いたままの本が目についた。
直人は何気なくそれを手に取る。
そして、ゆっくりと開いてみた。
しかし…もう、何も起こらなかった。
『前世の自分が死んだ時が、本の終わり』
響子の言葉は、本当だった。
「(…本当に…死んじまったのか…あいつ…)」
直人は静かに本を閉じる。
:10/04/09 12:34
:N08A3
:D1zW908U
#431 [我輩は匿名である]
今思えば、いつの間にか愛着みたいなものが湧いていたのかもしれない。
晶にも、…要にも。
「(…そういえば、晶はどうなったんだろ…?
何も書いてないって事は…大丈夫だったのか…?)」
本には、晶がどうなったのかは一言も書かれていない。
要の中から見た最後の情景では、晶が向こう側の横断歩道くらいまで弾き飛ばされていた。
「(…あいつは、要にかなり腹を立ててた。
もう会いたくもなさそうだったし…。
……もっといい奴に出会って、今も元気に生きてるはずだ…)」
:10/04/09 12:34
:N08A3
:D1zW908U
#432 [我輩は匿名である]
生きていれば、もう60歳近くになっているだろう。
「…もうおばあさんじゃん…」
直人は小さく笑う。
それでも構わない。要の事も忘れていてもいいから、ただ幸せでいてくれたら。
直人はそう、願うように思った。
その日はやっと、4時間ほど眠ることが出来た。
:10/04/09 12:35
:N08A3
:D1zW908U
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