浮 き 世 の 諸 事 情 。
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#71 []
 
そんなこと知らない
期待できるような理由じゃない

何故だかそんな気がして
知りたいのに、知りたくない


ゆっくり振り向き
横目で此方を見下げ
鋭い視線に殺されそうだった

⏰:10/04/15 21:26 📱:D905i 🆔:pJU1XkOc


#72 []
 
黙って首を振れば
また前を向いてため息

「なら‥その内」

「その内?その内って何ですか?」

思わず立ち上がり
ぶつかりそうな所で体が止まる

壱助さんはずるい
いつもそうやって秘密を作る

⏰:10/04/15 21:26 📱:D905i 🆔:pJU1XkOc


#73 []
 
「まぁ‥いいじゃあ、ないですか」

きっとまた
その艶容な口が笑ってる
対等になろうなんて思わないけど
悔しくてたまらないよ


「ちょっと‥!!
逃げないでくださいよ
そうやって‥
いつもはぐらかして!!」

逃げ出す背中を追う
足が重たい

⏰:10/04/15 21:27 📱:D905i 🆔:pJU1XkOc


#74 []
 
自分の気持ちに気づいてから
体が重い気がする

「逃げる、か」

「そうです!!
ちゃんとあたしと向き‥」


あれ‥ちょっと待って

⏰:10/04/15 21:27 📱:D905i 🆔:pJU1XkOc


#75 []
 
此方を向いた壱助さん
腕を組んで
眉間にしわを寄せて‥


「いた‥っ」

頭に走る激痛
刃物で一突きされたような
鋭い痛みが吐き気を催す

⏰:10/04/15 21:28 📱:D905i 🆔:pJU1XkOc


#76 []
 
『助けて‥!!』

乱れる呼吸
崩れた体が悲鳴をあげる

『‥お父さん!!』

だめ‥違う、違うの
そうじゃない

『香夜‥!!』

⏰:10/04/15 21:28 📱:D905i 🆔:pJU1XkOc


#77 []
 
視界が揺れた
走馬灯のようにあの日の記憶だけ
丁寧に繰り返される


壱助さんが見下ろす
歯を食いしばって険しい顔で

⏰:10/04/15 21:29 📱:D905i 🆔:pJU1XkOc


#78 []
 
『お父さあぁあん!!』


潰れかかった自分の悲鳴が
脳裏にへばりついて
雨のように降ってきた
血液の匂いが蘇って
鼻の奥をくすぐった


嘘‥どうして?

壱助さん‥

⏰:10/04/15 21:29 📱:D905i 🆔:pJU1XkOc


#79 []
 
「や‥いやぁ‥」

冷ややかな地面の砂が
はだけた着物の隙間から
蝕むように侵入してくる

「どう‥して
何で、何で壱助さん‥」

隠しきれない動揺が渦を巻いて
気づかぬ内に頬を濡らした

⏰:10/04/15 21:30 📱:D905i 🆔:pJU1XkOc


#80 []
 
「そろそろ‥ですか、ね」

目を細めてそう呟いた声
その姿をあの日、あの時‥


壱助さん
あたしを拾ったのには
訳があるのでしょう?

⏰:10/04/15 21:30 📱:D905i 🆔:pJU1XkOc


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