浮 き 世 の 諸 事 情 。
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#111 []
 
溢れんばかりの笑み
この先の言葉に
だいたいの検討はつきますが‥


「それがさ、もう‥
可愛くて可愛くて仕方ないんだ!」

そんな事を言われて
抱き寄せられた私に
あんたは何を求めてるんだ‥

⏰:10/05/02 20:56 📱:D905i 🆔:sxqRlBYk


#112 []
 
「ほぉう」

「もう今年で十になるんだが
最近じゃあお姉さんになって‥」

「へぇ、はぁ」

「ほんとに何というか‥
いい子でなぁ、」

その瞬間
父親の目つきになった
力強く、その上暖かい

⏰:10/05/02 20:57 📱:D905i 🆔:sxqRlBYk


#113 []
 
「危なっかしい所もあるが、
責任感と正義感が強くて‥
唯一の‥励みなんだ」

少しばかり低くなった声
読みとれるのは
暗闇に埋もれた絶望


娘を語る口調は
暖かくも悲しみに濡れていた

⏰:10/05/02 20:57 📱:D905i 🆔:sxqRlBYk


#114 []
 
「そりゃあ‥いい娘さん、ですね」

「‥」

その男は突っ伏したまま
ぴくりともしなかった

人々の騒がしさに埋もれた姿は
たった独りだけ
取り残されたような
別の空気をまとって見えた

⏰:10/05/02 20:58 📱:D905i 🆔:sxqRlBYk


#115 []
 

酔いつぶれた‥か


ため息ひとつ
猪口を持ち上げ飲み干す液体

普段よりも苦味を感じた

⏰:10/05/02 20:58 📱:D905i 🆔:sxqRlBYk


#116 []



「なぁ‥あんちゃん。」

‥起きてたんですか

「あんた、名前は?」

「壱助‥と申します」


突っ伏したままの頭に答えれば
"ふぅん"と弱々しく唸った

⏰:10/05/02 20:58 📱:D905i 🆔:sxqRlBYk


#117 []
 
「なぁ‥壱助」

「何、か」

「頼みが‥あるんだ」


少しばかり嫌な予感がした
酔った勢いだと
投げてしまえばそれまでだが

口調は先ほどより
はっきりしている

⏰:10/05/02 20:59 📱:D905i 🆔:sxqRlBYk


#118 []
 
「俺に‥もしものことがあったら」

「娘を頼む‥とでも?」

否定を求めて問ったんですが、ね

「あぁ‥何でわかった?
やっぱりあんた、徒者じゃないな」

「‥奥さんは?」

⏰:10/05/02 20:59 📱:D905i 🆔:sxqRlBYk


#119 []
 
「死んだよ。娘を産んですぐに‥
今は‥別の女と暮らしてんだ」


そしてまた酒を口にした
小刻みに震えていた手が
苦しみのあまり
酒に逃げ続けた事を物語っていた

⏰:10/05/02 21:00 📱:D905i 🆔:sxqRlBYk


#120 []
 
「娘には、その女が母親だって
‥そう言ってある。」

「何、故」


「可哀想だった‥。
何も知らずに"お母さんは?"って

‥"死んだ"なんて、言えなかった」

⏰:10/05/02 21:00 📱:D905i 🆔:sxqRlBYk


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