浮 き 世 の 諸 事 情 。
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#270 []
 
今までの経験上
ちゃんとした返答があるのは
極々稀なことだから‥はは


「女性らしく、か」

何か引っかかるものがあるのか
壱助さんは
"なるほど"やら"はい、はい"やら
ぶつぶつ呟いている

⏰:11/01/26 13:22 📱:D905i 🆔:MmQRKSWw


#271 []
 
その内
彼の横顔が見えるようになる

気のせいかな?
何だか楽しそうに見えた


仏頂面にも一応
喜怒哀楽があることを発見
宝物を発見したかのように
何故かわくわくした

⏰:11/01/26 13:23 📱:D905i 🆔:MmQRKSWw


#272 []
 
「もう、
十九になったんですから‥」

呟くように、しかし手は止めず


少し開いた唇が色っぽく
着崩した襟元から覗く胸板は
男らしさを漂わせ

壱助さんは
人類最強な気がするもんです

⏰:11/01/26 13:23 📱:D905i 🆔:MmQRKSWw


#273 []
 
「ちょいと、手をかけるだけで
‥十分に魅力はあります、よ」


急に此方を向くから
どきっとしてしまう

何をするにも急だ
振り向く時に随時報告されても
おかしな話だけれど

⏰:11/01/26 13:24 📱:D905i 🆔:MmQRKSWw


#274 []
 
目を合わせて、あまりに彼が
真っ直ぐ見つめるものだから
急に恥ずかしくなって

あたしの視線は
彼と自分の手元に行ったり来たり

壱助さんは、微笑む
恐ろしいくらい美しかった

⏰:11/01/26 13:25 📱:D905i 🆔:MmQRKSWw


#275 []
 
瓶の中には黄金の液体
綺麗に伸びたあの指がそこに沈む

包み込むように
まとわり付くように
待ちわびて居たかのように
たっぷり黄金が絡みつく


そして、もう片方の手が
あたしを引き寄せた

⏰:11/01/26 13:25 📱:D905i 🆔:MmQRKSWw


#276 []
 
「冬は‥乾燥しますから、ね」

「ん‥」

黄金を纏った人差し指が
あたしの唇を優しく撫でた


甘ったるい香りと
ぬめっと貼り付くような感覚
隙間から流れ込んだものは
春が溶け込んだ甘みをおびて

⏰:11/01/26 13:26 📱:D905i 🆔:MmQRKSWw


#277 []
 
「はちみつ‥?」

囲炉裏の熱に温められて
丁度人肌と同じくらいの心地よさ

どうやら‥
これを溶かしていたらしい

「保湿効果があるようで、ね」

十分にあたしの唇に塗りたくって
指に絡み付いた余りを
舌で丁寧に舐めとっていた

官能的で、胸騒ぎ

⏰:11/01/26 13:27 📱:D905i 🆔:MmQRKSWw


#278 []
 
「保湿‥
確かに最近、乾燥してたかも」

「まぁ、関係あるのは
私だけですから‥
別に、乾燥していようがいまいが
どうってこと、ないのですが‥」


そう言い終わる前に
あっさり抱き寄せられてしまう

⏰:11/01/26 13:28 📱:D905i 🆔:MmQRKSWw


#279 []
 
この人はいつも完璧で
何でもあっさりやってのけて
あたしの心を何度も奪う
‥時々、憎らしい


「ちょいと、
塗りすぎちまったようで‥」

柔らかい吐息が頬をかすめて
口元をゆっくり垂れる甘い蜜に
引き寄せられるようにして
彼の舌が唇の横を這う

⏰:11/01/26 13:28 📱:D905i 🆔:MmQRKSWw


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