記憶を売る本屋 2
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#85 [我輩は匿名である]
「(…あの後何日かして2人とも死んだとか…言えねぇしなぁ…)」
無言で、眉間にしわを寄せる。
「…2人とも、今も仲良くやってると思いますよ」
そう言ったのは、飛鳥だった。
直人と奏子が、同時に飛鳥を見る。
飛鳥は小さく笑みを浮かべている。
「…そうだな」
彼女を見て、直人もニッと笑う。
:10/04/24 12:49
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#86 [我輩は匿名である]
「俺も、2人とも元気にやってると思うぜ」
「…そうねぇ、あの男の子なら、元気にやってそうね」
おばあさんは、安心したようににっこり笑う。
「(…水無月…何か一瞬変だった…?)」
奏子は直人を見ながら首を傾げる。
「あなたたちにも言っとくわ。あの男の子にも言ったんだけどね」
おばあさんは3人に言う。
:10/04/24 12:49
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#87 [我輩は匿名である]
「人との間に、壁を作っちゃダメなのよ。
仲良くなりたければ、一歩踏み出さなきゃ。
わかった?」
「あぁ…」
「はい」
「前も聞いたけどな」と思いながら、直人は相づちをうつ。
飛鳥もそれを聞くのは2度目だったが、素直に返事をした。
「…あ、着いたよ。あたしん家」
奏子は目の前の一軒家を指差す。
:10/04/24 12:50
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#88 [我輩は匿名である]
「おぅ。意外と近かったな」
「ありがとうねぇ、2人とも」
おばあさんは直人と飛鳥に笑いかける。
「どういたしまして」
2人はそろって返事をする。
「ありがとう。ここまで来たらもう大丈夫」
家のドアの前まで来て、奏子も2人に言った。
「いいのか?」
「うん」
奏子に言われ、直人と飛鳥は、ドアのそばに買い物袋を置く。
:10/04/24 12:50
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#89 [我輩は匿名である]
「お茶でも飲んでいったら?」
「いえ、私たちはこのまますぐに帰りますから」
おばあさんの申し出を、飛鳥が丁寧断る。
「あら、そう?じゃあまた遊びに来てね」
おばあさんはニッコリ笑った。
「んじゃ、俺たちはこれで」
「さよならー」
2人はおばあさんと奏子に手を振って、並んでその場を後にした。
:10/04/24 12:51
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:23VVxZiA
#90 [我輩は匿名である]
「いい子達だねぇ」
おばあさんは笑って奏子に言う。
奏子は「うん」と返事をしつつ、帰っていく2人の背中を、複雑な気持ちで見つめていた。
:10/04/24 12:52
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:23VVxZiA
#91 [我輩は匿名である]
「優しそうなおばあちゃんだったね」
帰り道、飛鳥が何気なく言った。
「そうだな。元気そうで嬉しかったなぁ」
直人も満足そうに笑う。
「まぁ言われてみれば、面影がないこともないな」
「1日しか会ったことないのに、面影とか覚えてんの?」
「ま、まぁ何となく…」
直人は目を泳がせる。
:10/04/27 08:33
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:n39Qyhsk
#92 [我輩は匿名である]
それを呆れて見た後、飛鳥はふと、こんな事を言った。
「…うちにも、あんなおばあちゃんがいたら良いのに」
直人は「へ?」と、飛鳥を見る。
「……お前、相変わらず親とは口きいてないんだっけ?」
「きいてない。バイトしてるのも知らないし」
飛鳥は苦笑して答える。
「そうか…」
「まぁ、ちょっと平気になってきたけどね」
「うーん…」
直人は「何かいい方法はないかな」と首をひねる。
:10/04/27 08:33
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:n39Qyhsk
#93 [我輩は匿名である]
「いいよ、そんなに頑張って考えてくれなくても」
飛鳥は小さく息をつく。
「そのうちどうにか出来れば良いかなってぐらいだし」
「そうか?…まぁ、今は香月とか安斎とか、友達いるもんな、お前」
「うん」
飛鳥は笑って頷く。
「…あんたのおかげ、かな」
:10/04/27 08:34
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:n39Qyhsk
#94 [我輩は匿名である]
「…は?」
飛鳥に言われて、直人はびっくりして彼女を見る。
飛鳥は少しだけ頬を赤らめて顔を背ける。
「(…あれ、なんか、変な感じする)」
直人は恥ずかしいような照れるような、なんだかわからない感覚に襲われた。
2人はそれぞれ同じような事を考えながら帰っていった。
:10/04/27 08:34
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