もぅえぇわ!
最新 最初 🆕
#356 [だーいし]
『多分、キヨシお父さんには塾やめた事言ってないんじゃないかな。もちろん漫才をやってる事も。最悪、……漫才出来なくなるかもね。』

マヤは真剣な面持ちで言った。
『なっ………。がんばってくれ!キヨシ。』

ヒロシは天井を見上げた。

⏰:12/01/17 06:21 📱:S003 🆔:m/J5Jhcc


#357 [だーいし]
『このようにキヨシ君は授業態度も優れており、学校でも成績は常にトップの優等生です。』
今田の言うことに頷く正十郎。
『もちろんです。キヨシには私と妻のように東大に入り、我が国に貢献できるような人間にいずれなりますから。あぁ、もうこんな時間だ。先生すいません。もうよろしいですか。』

正十郎は腕時計に目をやり言う。今田は焦りながら

『あっ、そうですね。では私もこれで失礼します。』

立ち上がる正十郎と今田。

『待って下さい。先生。』

⏰:12/01/17 06:30 📱:S003 🆔:m/J5Jhcc


#358 [だーいし]
母親が今田を引き留める。

『この子、最近塾を勝手に辞めたんです。なぜか先生理由を知っていますか?』

リビングのドアに手をかけていた正十郎がピタッと止まる。

『どういう事だ。キヨシ。』

正十郎は再びソファーに腰をかけた。と、同時に今田もただならぬ空気を感じソファーに座る。

『どうしてなんだと聞いているんだ、キヨシ。』

正十郎は葉巻をくわえた。

⏰:12/01/17 06:35 📱:S003 🆔:m/J5Jhcc


#359 [だーいし]
しばらく沈黙が続く。
両親は黙ったまま。キヨシは下を向いている。

『部活を始めたんだ…』

キヨシは切り出した。
思わぬ回答に両親は顔を見合わせた。

『部活?小中と勉強一筋だったあなたに?』

母親は少し笑いながら言う。

正十郎は葉巻の火を消した。

『なんの部活だ。』

キヨシは唇を噛み締めた。

⏰:12/01/17 17:16 📱:S003 🆔:m/J5Jhcc


#360 [だーいし]
『………ざ……い。』

『何?』

母親が問う。

『ま、漫才。』


間もなく時刻は19時半になる所だった。

『ま、ま、ま、漫才?キヨシあなた何言ってんの?』

母親は立ち上がった。

『あの学校にそんな部活ないはずよ!』

『作ったんだよ。僕が。』

⏰:12/01/17 17:21 📱:S003 🆔:m/J5Jhcc


#361 [だーいし]
『作ったって、そんなことの為に塾を辞めたの?』

『放課後練習をしたいからね。塾を辞めても勉強は出来る。』
キヨシはずっと下を向きながら答える。

『私が言ってるのはもっと重要な事です!!あなた漫才って何か知ってるの?あんなギャーギャー言って、笑われて、あんなの人間の底辺がやることなのよ!!』

今田が母親の顔を見た。

⏰:12/01/17 17:25 📱:S003 🆔:m/J5Jhcc


#362 [だーいし]
『すぐに辞めなさい!いい?』
キヨシは立ち上がり

『絶対に辞めない!』

と言い放った。

『あなたね、そんな事したら鈴木家の血が汚れる事になるのよ!考えただけで虫酸が走る!』
『そこまででいいですか?』

3人が今田の方を見る。

⏰:12/01/17 17:29 📱:S003 🆔:m/J5Jhcc


#363 [だーいし]
『「漫才」っていうのはお母様が考えていらっしゃる何十倍もすばらしいものです。「笑われる」のではなく、自分の話術だけで人を「笑わす・楽しませる」ものなんです。これ以上漫才をバカにしないで下さい。』

今田は下を向きながら言った。
『何?先生、昔やってたとか?』

『えぇ。』

母親は笑いだした。

『元漫才師が教師になるなんて、世も末ね!!口が上手いから不正でもしたんじゃないかしら。』

⏰:12/01/17 17:35 📱:S003 🆔:m/J5Jhcc


#364 [だーいし]
今田はももの上で握りこぶしを作り言い返そうとした。

『お前、よしなさい。人の職業をバカにするんじゃない。』

正十郎が母親に言う。

『キヨシ、お前その漫才をしてどうしたいんだ。「漫才師」になるのか。』

正十郎の思わぬ反応にキヨシは戸惑った。

『よし、なら質問を変えよう。お前は「東大」に進学するのか。』

『…………、東大には行く。まだ正直、自分でも将来何になりたいのか分からない。だけど今、一つだけ言えるのは「漫才」がしたいって事。』

⏰:12/01/17 17:41 📱:S003 🆔:m/J5Jhcc


#365 [だーいし]
正十郎は黙り込んだ。

『いいだろう。お前の好きなようにやりなさい。』

『えっ?』

『あ、あなた、キヨシに漫才なんかをやってもいいっていうの?』

『あぁ。だが東大には行ってもらう。もし東大に落ちたら、その時は親子の縁を切る。』

たまらず今田は

『お父様、何もそこまでは…』
『君には関係のない事だ。これが鈴木家に生まれた「宿命」なのだ。』

⏰:12/01/17 17:46 📱:S003 🆔:m/J5Jhcc


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194