もぅえぇわ!
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#301 [我輩は匿名である]
気になるぉ
:12/01/08 20:44
:K007
:☆☆☆
#302 [だーいし]
今田は急いで病院に向かった。走って走って、息が切れるのも忘れるぐらい走った。
病院に到着する。
階段をかけ上がり病室に向かう。
『たけちゃん!!!』
北野の病室は今朝と変わらなかった。
変わったと言えば北野の母親がいる事。
そして……
北野の顔に白い布が被せてあった事だった。
:12/01/08 21:19
:S003
:a9OFN8iY
#303 [だーいし]
:12/01/08 21:20
:S003
:a9OFN8iY
#304 [だーいし]
『そんな……ウソや………』
今田は北野のベッドに駆け寄り北野の身体を大きく揺さぶる。
『たけちゃん!!ウソやろ!!なぁ!!何とか言うてや!!なぁ!!約束したやん!!また、漫才するって言うたやん…』
今田は崩れ落ちた。
数日後、北野の葬儀が行われた。
:12/01/08 21:28
:S003
:a9OFN8iY
#305 [だーいし]
今田は泣いた。来る日も来る日も泣いた。
だが、葬儀の時だけは泣かなかった。何故だか分からない。
葬儀が終わり今田は遺影を眺めていた。遺影は真っ直ぐな笑顔を見せている大学時代のもの。
『今田くん…。』
北野の母親が話しかける。
:12/01/08 21:34
:S003
:a9OFN8iY
#306 [だーいし]
『おばさん…』
『いい顔してるでしょ。』
『はい。』
母親が今田の横に座る。
『たけしね、最期まで今田くんの事言ってたのよ。』
『えっ。』
ピピピピピーン
ピピピピピーン
『先生!心肺停止しました!』
:12/01/08 21:42
:S003
:a9OFN8iY
#307 [だーいし]
『どいて!電気ショックの準備を!150に上げて!』
ピッピッピッピッ…
『なっ…信じられん。心肺機能が蘇生した……』
『かぁ……ちゃん…』
『どうしたの!!たけし!!』
母がたけしの手を両手で掴む。
:12/01/08 21:46
:S003
:a9OFN8iY
#308 [だーいし]
『い、い…ま……だ…は……?』
『今田くんね、今、向かってるから!!ね!!』
『あ……い、かわらず………空気……読まれ……へんな……。また……迷惑………かけて………もうた……』
ピピピピピーン
ピピピピピーン
『先生!心拍数下がっていきます!!』
『たけしぃぃぃぃ!!!!』
:12/01/08 21:54
:S003
:a9OFN8iY
#309 [だーいし]
『これで……めい…わく………かけず……に……すむ。』
ピ─────
『たけしぃぃ!!!!!!!』
『たけしにとって今田くんは、母親の私よりも特別な存在だったのかもしれないわ…』
帰り道。
今田はたまらず泣きじゃくった。
:12/01/08 22:01
:S003
:a9OFN8iY
#310 [だーいし]
自分勝手な解散で北野は死んだ。なのに北野は最期まで自分の事を心配してくれた。
「何が何でも売れたい。」
今田はこの事しか考えていなかった。
『これでまた一緒に漫才できるな……』
『これは神様の手荒い祝福や思うねや。「もう1度今田と漫才やれて」いう。』
『あ……い、かわらず………空気……読まれ……へんな……。また……迷惑………かけて………もうた……』
『これで……めい…わく………かけず……に……すむ。』
『今田、ありがとな。』
:12/01/08 22:20
:S003
:a9OFN8iY
#311 [だーいし]
『うわぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!』
悔やんでも悔やみきれない思いにかられ、今田は叫んだ。 何度も叫んだ。
『そんな事があったんや。』
今田の過去を知りヒロシは何とも言えない気持ちになった。
『だから僕はもう漫才はしない。触れてはいけないんだ。また僕は人を傷つけてしまう。』
:12/01/08 22:27
:S003
:a9OFN8iY
#312 [だーいし]
ヒロシは今田の言葉を噛み締め口を開いた。
『北野さんは先生に漫才をしてほしいんやないかな。』
『そんな事はない!約束したんだ、たけちゃんと漫才やるって。』
『だからこそ、やってほしいねん!「今田、ありがとな」の本当の意味は「漫才を続けてくれてありがとう」って意味やと思うねん!北野さんと約束した以上、漫才続けなきゃ。』
:12/01/09 02:35
:S003
:VQpWnN9.
#313 [だーいし]
今田は涙を浮かべた。
『僕は、いつまでも自分を悲劇の主人公みたいに扱っていたのかもしれない……ごめん、先に帰るね。』
そういうと今田は会計をすまし出ていった。
ヒロシは天井を向いて考えた。
すると、ケータイに着信が。
キヨシからメール。
「大事な話がある。あの公園で待ってる。 キヨシ」
『大事な話?なんや?』
ヒロシは店を出た。
:12/01/09 02:45
:S003
:VQpWnN9.
#314 [だーいし]
公園に到着する。
ブランコに座っているキヨシの後ろ姿が見えた。
『キヨシ、何や話って。』
『あぁ、まぁ座ってよ。』
ヒロシは横のブランコに座る。
『ま、まさか解散か?何も活動してないからか?そんな水くさい事言うなよ〜。』
『ごめん、まだ「あぁ、まぁ座ってよ。」しか言ってないよ。しかも、違うし。』
『なんや〜よかった〜。で?』
:12/01/09 02:54
:S003
:VQpWnN9.
#315 [だーいし]
キヨシが大きく息を吐いて話す。
『実はね、……マヤ多分学校でいじめられてると思うんだ。』
『なっ……なんやて??』
ヒロシはおもむろに立ち上がる。
『多分だけどね。実はマヤ小学校の頃もいじめられてたんだ。』
『えっ??』
:12/01/09 03:06
:S003
:VQpWnN9.
#316 [だーいし]
『小学校の頃に両親が離婚してからいじめられるようになったんだ。』
キヨシは話しはじめた。
小学校5年の冬のいつもの公園。
ブランコに乗る2人。
キヨシだけがブランコをこいでいた。
『マヤちゃん!僕お正月に家族で旅行に行くんだ〜!マヤちゃんは行くの?お正月』
『私は〜……行かない。』
:12/01/11 22:48
:S003
:w8pg4oKs
#317 [だーいし]
『そうなんだ。』
『キヨちゃん、今楽しい?』
『今?うん!楽しいよ!』
マヤは先ほどまでうかない顔をしていたが笑顔になった。
『そっか!キヨちゃんが楽しかったら私も楽しい!』
そう言うとマヤはブランコをこぎはじめた。
:12/01/11 22:51
:S003
:w8pg4oKs
#318 [だーいし]
『それでいじめが分かって解決したんだけど…この前言われたんだ。「今楽しい?」っていうのと「キヨシが楽しかったら私も楽しい」って。あのときと同じだった。』
ヒロシは黙ったままだった。
『ヒロシ、どうすればいいかな?』
キヨシは尋ねる。
ヒロシは口を開いた。
『決まってるやん。いじめをやめさす。』
:12/01/11 22:56
:S003
:w8pg4oKs
#319 [だーいし]
キヨシはうつむいた。
『いじめを無くしたって、傷ついた心は元に戻すのは難しいよ。』
ヒロシは立ち上がった。
『何弱気な事言うてんねん!オレにいい考えがある!マヤちゃんには学校に来てもらわな!部員なんやから!』
『そ、そうだよね。なんとかしないと…で、いい考えって?』
ヒロシはキヨシを手招きし、耳打ちをした。
:12/01/11 23:01
:S003
:w8pg4oKs
#320 [だーいし]
数日後。
マヤは2階の自分の部屋のベッドに横になって天井を見ていた。窓からは初夏の訪れを感じさす風がたまに入ってくる。
ふと視野に何かが動くのが分かった。
マヤはその方向に目をやる。
『紙飛行機…?』
床にあったのは紙飛行機。
すぐに外を見るが誰もいない。よく見ると翼の部分に矢印が書いてあった。
『開けって事?』
マヤは恐る恐る紙飛行機を開いた。
:12/01/12 02:12
:S003
:Qhdu4vGw
#321 [我輩は匿名である]
もう少しや頑張
:12/01/12 02:13
:W65T
:M5jJJskg
#322 [だーいし]
「玄関の横の鉢植えの下」
紙飛行機にはそう書いていた。誰かのイタズラだろうと思いながらもマヤは下に降り、母が大事に育てある鉢植えの下を見た。
『紙?』
そこには一枚の紙が。
「2丁目の駄菓子屋の公衆電話の下」
紙にはそう書いてあった。
:12/01/12 02:16
:S003
:Qhdu4vGw
#323 [だーいし]
マヤは駄菓子屋に向かった。 駄菓子屋の横には電話ボックスがある。
早速、電話の下を見ると何かがテープで固定してあった。
テープを剥がすと何かの鍵だった。
『駅のロッカーの鍵だ。』
マヤは近くの駅のロッカーに向かいロッカーをあける。
『また紙?』
その後、神社・橋の下・図書館など色々な所を回った。
そして、コンビニのゴミ箱の下で発見した紙にはこう書いていた。
「これで最後です。前を見て下さい。」
:12/01/12 02:28
:S003
:Qhdu4vGw
#324 [だーいし]
辺りはすっかり夜になっていた。
『前を見ろって…えっ?』
コンビニの前から見えたのは、帝都西高校の裏側だった。
『色々まわってたらこんなとこまで来てたんだ。いつも正面側しか行った事なかったから、コンビニなんてあったんだ。………で、なんだろ。』
マヤは紙をよく見てみた。
すると裏面に小さく
「※裏口開いてます」
と書いてあった。
:12/01/12 02:34
:S003
:Qhdu4vGw
#325 [だーいし]
マヤは恐る恐る高校の裏玄関へ。門は開いていた。
誰もいない夜の校舎。不気味なぐらい静かだった。
裏口を入ってすぐに矢印が書いてあるパネルがあった。
マヤはその方向に進む。 パネルは進む度にあった。
そして4枚目のパネル。
『ってこれ窓指してない?』
まさかと思い窓に手をやった。
『開いてる…』
マヤはよじ登り校舎へと入った。
:12/01/12 02:39
:S003
:Qhdu4vGw
#326 [だーいし]
マヤは少し不安だった。
もしかしたら今までの紙はいじめている誰かが自分をおびき寄せるために仕掛けたんじゃないかと。疑心暗鬼になりながらも校舎内にもあるパネルの通り進む。
『ここは…』
行き着いた先は、マヤのクラスだった。
ガラララ…
ドアを開けると教室には机が一切なく、中心にイスが置いてありその横にパネルがあった。
「お座り下さい。」
と書いてある。
:12/01/12 02:46
:S003
:Qhdu4vGw
#327 [だーいし]
教室は月明かりでうっすら明るいだけ。
マヤは教室の電気を着けようとした瞬間に腕を誰かに掴まれた。
『キャッ!誰?』
薄暗くて顔がよく見えない。 さらにマスクをしているのか誰だか分からない。
マスクをした人物はマヤをイスに座らすと教室を出た。
『どういう事?』
マヤが混乱していると、マスクの人物が教室に入り教室の電気を付けた。
:12/01/12 02:53
:S003
:Qhdu4vGw
#328 [だーいし]
『ちょっと!あんた誰よ!何がしたいのよ!』
マヤはマスクの人物を怒鳴りつけた。すると今度は別のマスクの人物が教室に入ってきた。
『誰…なのよ?』
別のマスクの人物は手に模造紙を持っていた。
最初にいたマスクの人物が後ろを指差す。
マヤは後ろを向いた。
:12/01/12 03:01
:S003
:Qhdu4vGw
#329 [だーいし]
後ろを見るが特に変わった様子はない。
『ちょっと!どういうこ…………あれ?』
マスクの人物が2人共いない。
『どこいったんだろ?えっ?』
マヤは黒板に目をやる。
先ほどマスクの人物が持っていた模造紙が磁石で貼られておりこう書いてあった。
「宮本マヤ限定漫才ライブ!」
テンポのいい出囃子が校内放送を通じて流れ出した。
:12/01/12 03:06
:S003
:Qhdu4vGw
#330 [我輩は匿名である]
感想板作らないのかな?
とっても面白いです
更新頑張って
:12/01/12 15:13
:K007
:☆☆☆
#331 [だーいし]
>>330感想ありがとうございます!感想板ありますので貼りますね。http://bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4975/
:12/01/12 15:16
:S003
:Qhdu4vGw
#332 [だーいし]
:12/01/12 15:17
:S003
:Qhdu4vGw
#333 [だーいし]
出囃子はザ・ハイロウズの「青春」
ガララララ!
勢いよく教室の扉が開く。
『『はいどーもー!!』』
マヤは呆気にとられていた。
『何?何?どういう事?キヨシとヒロシ君じゃん…』
ヒロシは持参していたセンターマイクを置いた。
『はい、どうもー!「小林鈴木」でーす。』
『お願いしまーす。』
:12/01/14 03:56
:S003
:tjTfrUHw
#334 [だーいし]
マヤはどうしていいかわからなかった。
『ねぇ、これなに?ねぇ!』
2人はマヤの言葉を受け流し、漫才を始める。
『ねぇ、鈴木君。今日は僕たちの初舞台、人がぎょうさんおるなー!』
『いないよ!1人しかいないよ!』
『えぇ!?そうかい??まぁでも1人でもいいやん!ねぇ、1人の客っていうのはあの人かな?』
『そうだよ。』
『まぁ、そうか、、まぁ、、べっぴんさん………か??まぁまぁ。』
『失礼だよ!』
:12/01/14 04:00
:S003
:tjTfrUHw
#335 [だーいし]
マヤは2人に話しかけ続けたが、しばらくして黙り、漫才を見ていた。
『てか、お前鈴木か?』
『そうだよ。』
『じゃあ、キヨシって事か?』
『どっちもそうだよ!紛れもなく僕だよ!!』
そして──
『もういいよ!』
『『どーもありがしたー。』』
数十分後、漫才は終わった。
:12/01/14 04:05
:S003
:tjTfrUHw
#336 [だーいし]
一息つきマヤは立ち上がり拍手をした。
『なかなかおもしかったよ!でも、……なんで?』
2人はフーッと息を吐いた。
『マヤ…お前、いじめられてるんだろ?』
『えっ??』
『僕に「楽しい?」とか「僕が楽しかったら私も楽しい。」とか言ってたから…学校もずっと休んでたみたいだし…』
マヤは窓の方を向いた。
『そ、そんな事ないわよ!!私が、そんな、い、いじめられるわ…』
『もういいだろ、マヤ!』
キヨシは一喝した。
:12/01/14 04:10
:S003
:tjTfrUHw
#337 [だーいし]
『無理するな。マヤ。』
マヤはキヨシの方を見た。
『き、キヨシ。』
『ヒロシがね、昨日マヤのクラスに乗り込んだんだ。』
『えっ??』
昨日──
朝のHR前
バーーーーン!!!!
C組の教室のドアを勢いよく開けるヒロシ。
『邪魔するでー!!』
クラス全員が唖然とする。
『あ、あなた誰ですか!?あっあのB組の小林君ですね!?』
:12/01/14 04:15
:S003
:tjTfrUHw
#338 [だーいし]
『あぁ、せや。自分は?』
教卓に両手を付き言う。
『学級委員の渡部ですけど。』
『あぁ、学級委員か。なら話は早い。この中にな、マヤちゃんをいじめとるヤツがおんねん!』
『なっ…』
渡部は立ち上がる。
『あなた何を言ってるの!このクラスにいじめなんてあるわけないじゃない!』
『それがあんねんな〜』
そういうとヒロシはカバンの中からあるものを出した。
:12/01/14 04:20
:S003
:tjTfrUHw
#339 [だーいし]
『これは、ゴミ箱にあったマヤちゃんのノートや。まぁこんな汚い言葉ばっか書かれて可哀想やなー。で、こっちにあるのはこのクラスの学級日誌や。えぇか?これとこれ!見比べたらな、誰が書いたか一目瞭然やねん!!』
ヒロシは2つのものを教卓に叩きつけた。
『なぁ、こんな汚い事すんなよ。オレらはこんな事する為に字習ってきたんか?なぁ、勉強しにきたんか?違うやろ!!言いたい事あるなら正々堂々面と向かって言え!!』
ヒロシは教室を出た。
その日の放課後何人かの生徒がヒロシの元を訪れて一連のイジメが自分でやった事を認めた。生徒達が言うには、明るく先生やクラスメイトに振る舞うマヤにイラついていた事が動機だった。
:12/01/14 04:28
:S003
:tjTfrUHw
#340 [だーいし]
『その生徒らなぁ、直接マヤちゃんに謝りたい言うてたわ。』
マヤは下を向いた。
『マヤちゃんは明るくて、気ぃ強いとこあるけど結局は可愛い「女の子」やねん。女の子はナイーブで傷つきやすい。その傷を癒すのが「男」やねん。』
『マヤ、マヤの為に漫才しようって提案したのヒロシなんだ。「少しでも笑顔になって欲しい、オレらの漫才の最初の客になって欲しい」って。』
マヤは下を向いたまま泣いた。
目から流れ落ちた雫が床を濡らしていた。
:12/01/14 04:35
:S003
:tjTfrUHw
#341 [だーいし]
そして、マヤは涙を拭きながら顔を上げた。
『あんた達の漫才、全っ然おもしろくない!さっきの「おもしろい」撤回ね!撤回!』
『な、なんでだよ。』
『漫才は笑いを与えるんでしょ!?な、泣かしてどうするのよ。』
ヒロシとキヨシは顔を見合わせる。
『これはやっぱり、マネージャーが必要ね!明日からビシビシ鍛えていくわよ!』
ヒロシとキヨシはたちまち笑顔になりマヤの手をとりバンザイをし喜びあった。
:12/01/14 04:40
:S003
:tjTfrUHw
#342 [だーいし]
ガララララ…
教室のドアが開く。
『あの〜そろそろ〜…』
マスクの人物だった。
『うわっ!で、誰なのよ!』
『B組の蔵野と』
『板尾です。』
『この2人にも協力してもらってん!』
蔵野と板尾はマヤに一礼をする。
:12/01/14 04:42
:S003
:tjTfrUHw
#343 [だーいし]
『あんたたちも、ありがとね!』
マヤは2人に笑顔を振り撒いた。
その天使のような笑顔に2人はとろけるような表情を浮かばせる。
『じゃあ〜腹減ったしたこ焼き食いにいっか!』
『あの店だね。前行った。』
『いいね〜♪』
『僕たちも行って』
『いいですか?』
こうして、マヤのいじめ事件は解決した。
:12/01/14 04:47
:S003
:tjTfrUHw
#344 [だーいし]
5人はヒロシとキヨシが前に行ったたこ焼き屋に向かった。
再び静けさに包まれる校舎。
『人に勇気を与える漫才……か。たけちゃん……僕らはそんな漫才してたかな……』
教室の真ん中に1つだけポツンとある椅子に寄りかかり、今田は呟いた。
:12/01/14 04:53
:S003
:tjTfrUHw
#345 [だーいし]
『えっ?まだ顧問が決まらないの?』
放課後の部室にキヨシの声が轟く。
『そんな大きい声だすなよー。』
『大きい声も出るよ!これじゃ文化祭に出られないよ〜。』
頭を抱えるキヨシと頭を掻くヒロシ。見かねたマヤがこう切り出す。
『今田先生はダメなの?ほら、元漫才師だって。』
『今田先生は〜もう、いいねん。』
『いいって?』
『ほ、ほら、臨時の人やし。な、急におらんようになってもやし。』
『そうだよね。』
『そっか。』
ヒロシはごまかした。
:12/01/14 05:08
:S003
:tjTfrUHw
#346 [だーいし]
『今田先生はあんな辛い過去があったんや。それは自分で乗り越えなアカン壁や。キヨシ、マヤちゃん、ごめん。これはオレだけが知っとく。』
ヒロシは心の中で言った。
『明日から家庭訪問始まるね!』
マヤが枝毛を気にしながら言った。
『えっ?そうなん?』
『何よー。知らなかったの?』
『うへーマジかー。』
ヒロシとマヤは話続けている。キヨシは上の空だった。
:12/01/14 05:14
:S003
:tjTfrUHw
#347 [だーいし]
それは昨日の夜の事。
母親とキヨシは夕食をしに高級レストランへ。
『キヨシ、明後日から家庭訪問が始まるわね。』
母親はワインを飲みながら言う。
『う、うん』
『お父さんが明後日から急に家に帰る事になったからお父さんにも家庭訪問に参加してもらいますから。』
『えっ?』
『その時、聞かせてね。塾を辞めた理由を。』
そう言うと母親はトイレに立った。
『ヒロシ、ごめん。もぅ漫才出来ないかも…』
キヨシは呟いた。
:12/01/14 05:22
:S003
:tjTfrUHw
#348 [我輩は匿名である]
アリアリ
:12/01/15 02:18
:SH01B
:qzTLcuHk
#349 [だーいし]
『どうやった?家庭訪問。』
『ちょっと周りより個性が強いだってさ。』
放課後部室でヒロシとマヤが話していた。
『まぁ、この学校で髪染めてんのマヤちゃんだけやもんな。』
マヤは肩まで伸びた茶髪を触る。
『でもママがさ「これは個性の一つです!!」って一喝したの。』
『ハハハ!マヤちゃんのオカンらしいな。』
『ちょっと、どういう意味?』
:12/01/17 00:57
:S003
:m/J5Jhcc
#350 [だーいし]
『キヨシは確か今日だったよね?』
『う、うん。』
キヨシはお笑いDVDを見るのをやめた。
『も、もうすぐだから行くね。』
『えっまだじ…』
ヒロシが最後まで言う前にキヨシは出ていった。
『いっちゃった。。』
『何時からなの?キヨシの家庭訪問。』
『確か………18時半。』
2人は時計を見た。
時刻は16時を少し過ぎた頃だった。
:12/01/17 01:03
:S003
:m/J5Jhcc
#351 [だーいし]
キヨシはいつもの公園のベンチにいた。
『お父さんが明後日から急に家に帰る事になったからお父さんにも家庭訪問に参加してもらいますから。』
『その時、聞かせてね。塾を辞めた理由を。』
母親のこの言葉が何度も脳裏をよぎる。
その度にキヨシはため息をついた。
『よし。』
キヨシは重い腰をあげ、家に向かった。
:12/01/17 01:13
:S003
:m/J5Jhcc
#352 [だーいし]
18時すぎ。
キヨシはリビングに向かった。すると、玄関が開いた。
『と、父さん。』
スーツ姿にオールバックのキヨシの父「鈴木正十郎」が帰ってきた。
約1年ぶりの対面にも関わらず、一言も発せずにリビングに向かった。
『あなたおかえりなさい。もうすぐ先生がくるわ。』
『あぁ。時間は1時間しかない。車も待たしてあるからな。』
正十郎はソファーに腰掛け、葉巻をくわえた。
:12/01/17 01:31
:S003
:m/J5Jhcc
#353 [だーいし]
『大きな家だな。』
周辺の家とは比べものにならない大豪邸に圧倒される今田。
ピンポーン。
チャイムを鳴らす。
『はい。』
『あっ私、キヨシ君の担任をしております今田と申します。』
インターホン越しにそう言うと、大きな門が自動で開き中から人が出てきた。
『夜分遅くにすいません。お母様。』
靴を脱ぎながら今田は言う。
『いえ、私は家政婦です。』
『か、家政婦??』
:12/01/17 01:38
:S003
:m/J5Jhcc
#354 [だーいし]
今田は家政婦に案内されリビングへ。
高級そうなソファーには母親・正十郎が隣通し、テーブルを挟んで前にキヨシが座っていた。
『あなたがキヨシの担任ですか?』
母親がたずねる。
今田は緊張しながら自己紹介をすませた。
『悪いが時間がないんだ。手短に簡潔に頼むよ。』
『な!?』
今田は正十郎の顔を見て、やっと緊張の意味が分かった。
:12/01/17 01:49
:S003
:m/J5Jhcc
#355 [だーいし]
『キヨシの親父って「鈴木正十郎」?あの、国会議員の!?』
ヒロシはイスから飛び上がった。
『何よそんな驚くことないじゃない。』
マヤは髪をいじりながら言う。
『超超超有名人やん!だって次期総理大臣の呼び声高い人やで!?』
『んー、そう言われても私は小さい頃から知ってるから…ただのおじさんって感じ♪』
『「ただのおじさんって感じ♪」やないわ!!!』
:12/01/17 01:54
:S003
:m/J5Jhcc
#356 [だーいし]
『多分、キヨシお父さんには塾やめた事言ってないんじゃないかな。もちろん漫才をやってる事も。最悪、……漫才出来なくなるかもね。』
マヤは真剣な面持ちで言った。
『なっ………。がんばってくれ!キヨシ。』
ヒロシは天井を見上げた。
:12/01/17 06:21
:S003
:m/J5Jhcc
#357 [だーいし]
『このようにキヨシ君は授業態度も優れており、学校でも成績は常にトップの優等生です。』
今田の言うことに頷く正十郎。
『もちろんです。キヨシには私と妻のように東大に入り、我が国に貢献できるような人間にいずれなりますから。あぁ、もうこんな時間だ。先生すいません。もうよろしいですか。』
正十郎は腕時計に目をやり言う。今田は焦りながら
『あっ、そうですね。では私もこれで失礼します。』
立ち上がる正十郎と今田。
『待って下さい。先生。』
:12/01/17 06:30
:S003
:m/J5Jhcc
#358 [だーいし]
母親が今田を引き留める。
『この子、最近塾を勝手に辞めたんです。なぜか先生理由を知っていますか?』
リビングのドアに手をかけていた正十郎がピタッと止まる。
『どういう事だ。キヨシ。』
正十郎は再びソファーに腰をかけた。と、同時に今田もただならぬ空気を感じソファーに座る。
『どうしてなんだと聞いているんだ、キヨシ。』
正十郎は葉巻をくわえた。
:12/01/17 06:35
:S003
:m/J5Jhcc
#359 [だーいし]
しばらく沈黙が続く。
両親は黙ったまま。キヨシは下を向いている。
『部活を始めたんだ…』
キヨシは切り出した。
思わぬ回答に両親は顔を見合わせた。
『部活?小中と勉強一筋だったあなたに?』
母親は少し笑いながら言う。
正十郎は葉巻の火を消した。
『なんの部活だ。』
キヨシは唇を噛み締めた。
:12/01/17 17:16
:S003
:m/J5Jhcc
#360 [だーいし]
『………ざ……い。』
『何?』
母親が問う。
『ま、漫才。』
間もなく時刻は19時半になる所だった。
『ま、ま、ま、漫才?キヨシあなた何言ってんの?』
母親は立ち上がった。
『あの学校にそんな部活ないはずよ!』
『作ったんだよ。僕が。』
:12/01/17 17:21
:S003
:m/J5Jhcc
#361 [だーいし]
『作ったって、そんなことの為に塾を辞めたの?』
『放課後練習をしたいからね。塾を辞めても勉強は出来る。』
キヨシはずっと下を向きながら答える。
『私が言ってるのはもっと重要な事です!!あなた漫才って何か知ってるの?あんなギャーギャー言って、笑われて、あんなの人間の底辺がやることなのよ!!』
今田が母親の顔を見た。
:12/01/17 17:25
:S003
:m/J5Jhcc
#362 [だーいし]
『すぐに辞めなさい!いい?』
キヨシは立ち上がり
『絶対に辞めない!』
と言い放った。
『あなたね、そんな事したら鈴木家の血が汚れる事になるのよ!考えただけで虫酸が走る!』
『そこまででいいですか?』
3人が今田の方を見る。
:12/01/17 17:29
:S003
:m/J5Jhcc
#363 [だーいし]
『「漫才」っていうのはお母様が考えていらっしゃる何十倍もすばらしいものです。「笑われる」のではなく、自分の話術だけで人を「笑わす・楽しませる」ものなんです。これ以上漫才をバカにしないで下さい。』
今田は下を向きながら言った。
『何?先生、昔やってたとか?』
『えぇ。』
母親は笑いだした。
『元漫才師が教師になるなんて、世も末ね!!口が上手いから不正でもしたんじゃないかしら。』
:12/01/17 17:35
:S003
:m/J5Jhcc
#364 [だーいし]
今田はももの上で握りこぶしを作り言い返そうとした。
『お前、よしなさい。人の職業をバカにするんじゃない。』
正十郎が母親に言う。
『キヨシ、お前その漫才をしてどうしたいんだ。「漫才師」になるのか。』
正十郎の思わぬ反応にキヨシは戸惑った。
『よし、なら質問を変えよう。お前は「東大」に進学するのか。』
『…………、東大には行く。まだ正直、自分でも将来何になりたいのか分からない。だけど今、一つだけ言えるのは「漫才」がしたいって事。』
:12/01/17 17:41
:S003
:m/J5Jhcc
#365 [だーいし]
正十郎は黙り込んだ。
『いいだろう。お前の好きなようにやりなさい。』
『えっ?』
『あ、あなた、キヨシに漫才なんかをやってもいいっていうの?』
『あぁ。だが東大には行ってもらう。もし東大に落ちたら、その時は親子の縁を切る。』
たまらず今田は
『お父様、何もそこまでは…』
『君には関係のない事だ。これが鈴木家に生まれた「宿命」なのだ。』
:12/01/17 17:46
:S003
:m/J5Jhcc
#366 [だーいし]
『わかったか、キヨシ。』
キヨシは黙り込んだ。
『わかったか!!!!』
正十郎は怒鳴った。
『分かりました。』
『よし。時間だ。これで失礼するよ。先生、ありがとうございました。』
正十郎は立ち上がり玄関の方へ向かった。
『先ほどは生意気な事を言ってしまいすいませんでした。それではお先に失礼します。』
今田は駆け足で正十郎より先に出ていった。
:12/01/17 17:51
:S003
:m/J5Jhcc
#367 [だーいし]
『フッフ、まだこの世にはあのような教師がいるんだな。』
母親は窓から見える門を閉める今田を睨み付けた。
正十郎は靴べらを使い靴を履いている。
『あなた、本当にあれでいいんですか?』
『初めてかもしれない…キヨシのあんな真っ直ぐな目を見たのは…。まぁ約束を果たしてくれればいいさ。』
正十郎はそう言うと家をあとにした。
母親は腑に落ちない顔をしている。
:12/01/17 17:57
:S003
:m/J5Jhcc
#368 [だーいし]
『お待ちしておりました。』
正十郎のドライバーが車の扉を開ける。
腕時計を見る。
時刻は20時5分前。
『間に合うか。』
『そうですね、なんとか。』
正十郎は流れる景色を見ながら呟いた。
『キヨシ、今の内に味わっておけ。「絶望」と「挫折」を。そして強くなれ。』
:12/01/17 18:14
:S003
:m/J5Jhcc
#369 [だーいし]
キヨシは部屋に戻るやいなや、何度も何度もガッツポーズをした。
「これで漫才が出来る。」
今はそう思っていた。
今田は帰り道にある河川敷に腰をかけていた。
どこを見るわけでもなく遠くを見ていた。
『たけちゃん……やっぱり僕は………』
その時、季節外れの突風が吹き、青々しい葉っぱが今田の手の甲に張り付いた。
『たけちゃん……』
今田はある決意を胸に、おもむろに立ち上がった。
:12/01/18 10:23
:S003
:NHL4oj6Y
#370 [だーいし]
『やったぁぁぁぁ!!これで心置き無く漫才が出来んねんな!?』
『うん!』
バンザイをしながら喜ぶヒロシとマヤに笑顔でお辞儀をするキヨシ。
『あとは、本当に顧問だけだ。』
キヨシの発言に一気に現実に戻されるヒロシとマヤ。
ガラララ…
部室の扉が開く。
:12/01/18 11:43
:S003
:NHL4oj6Y
#371 [だーいし]
『ここは理科準備室じゃないのかい?』
『い、今田先生!?』
今田は扉を閉め中に入ってきた。
『テレビまで置いて…ここは本来生徒は立ち入り禁止のはずじゃ…』
3人はごまかす素振りをみせた。
『いや〜これはその〜。』
ヒロシが言い訳を考えていると、キヨシがこう切り出した。
:12/01/19 07:15
:S003
:QMI5OXXI
#372 [だーいし]
『ここは「漫才部」の部室なんです。まだ顧問もいなくて正式に部活動としては動けていないのですが…。今田先生は顧問は無理と聞いてますので、ここは目を閉じてもらえないでしょうか。』
今田は人体模型をずっと黙ったまま触っていた。
『先生??』
疑問に思ったマヤが尋ねる。
『顧問………か。よし、今日から漫才部の顧問はこの僕が受け持つよ。』
:12/01/19 07:21
:S003
:QMI5OXXI
#373 [だーいし]
3人は状況を把握出来ずにいた。
『い、今、なんて?』
『だから、今日から僕が顧問だ。』
3人は開いた口が閉まらない。
『小林君と鈴木君を見てると、ほんと漫才をしてた頃の僕たちを見てるみたいなんだ…。この前、学校で漫才をしてただろ?』
ヒロシとキヨシはマヤを見る。
:12/01/19 07:25
:S003
:QMI5OXXI
#374 [だーいし]
『あれ見てさ、自分の中で勝手に閉めてた心の鍵がさパーンッて開いた気がしてね。』
今田はキヨシの方を見る。
『鈴木君、君の漫才に対する情熱はすばらしいよ。昨日の君を見て思った。』
次はヒロシの方を見る。
『最近ね、たけちゃんの声が聞こえる気がするんだ。「漫才やれー」って。でもそれは君の声なのかもしれない。』
今度は3人を見る。
『でも僕はもう漫才は出来ない。教師として今は生きているから。だけど、僕が持っている知識のすべてを教える事は出来る!どうかな?』
:12/01/19 07:34
:S003
:QMI5OXXI
#375 [だーいし]
3人は一瞬、何が起こったのかわからなかった。
『ほ、本当に………』
『今田先生が………』
『漫才部の顧問やるて』
『イェーイ!!!!!!』
3人はやっと状況を把握し大喜びした。
『キヨシ、昨日の事って何?』『いやヒロシ、「たけちゃん」て誰?』
『『まぁいいか!イェーイ!』』
今田はほくそ笑んだ。
:12/01/19 18:19
:S003
:QMI5OXXI
#376 [だーいし]
『さぁさぁ、落ち着いて。』
今田は3人をイスに座らす。
『で、君たち「コンビ名」は考えてあるの?』
ヒロシとキヨシは考えた。
というのも以前、マヤの前で漫才をした時のコンビ名「小林鈴木」は急遽のもの。
2人はもっといいコンビ名を模索中だった。
『考えてんねんけど…、いいん浮かばんくてな。』
『そうか……。コンビ名って結構大事だからね。』
:12/01/19 18:28
:S003
:QMI5OXXI
#377 [だーいし]
『あぁせや!先生、考えてや!なんかいいの!』
『えっ!?僕がかい?』
『なぁキヨシ!それでいいよな?』
『確かに、その方がいいかも!』
『えぇぇ、コンビ名っていうのはね…』
『はいっ!決まりやな!』
2人の強引な誘いに今田は頷くしかなかった。
しかし、内心はとてもうれしかった。
:12/01/19 18:31
:S003
:QMI5OXXI
#378 [だーいし]
ある日の事。
帝都西高校 学校長 『井本(いのもと)』は校長室の盆栽の手入れをしていた。
コンコン…
『はい。どうぞ。』
井本校長は時計を見た。そろそろ帝都東高校との合同会議に行く時間だった。
ノックの相手は教頭の井上。
『校長、教育委員会の委員長が…』
『これから会議に行くんだ。電話だろ?会議終わりに電話するよ。』
:12/01/19 18:38
:S003
:QMI5OXXI
#379 [だーいし]
『いえ、お、お見えなっております。』
『なっなに、…』
コツコツと聞こえるハイヒールの音。
『失礼します。』
『こ、これはこれは。教育委員長。』
教育委員長は校長室のソファーに何も言わず座る。
:12/01/19 18:41
:S003
:QMI5OXXI
#380 [だーいし]
『ど、どうされました。教育委員長。』
井本校長は焦りながら尋ねる。
『まぁ、お掛けになって。』
ハンカチで汗を拭いながら座る井本校長。
『どうです?最近、帝都西高校の様子は。』
いきなりの質問に困惑する井本校長。
『そ、それはですね……、勉学・部活動ともに都内トップの成績を残しておりまして…。』
:12/01/19 18:45
:S003
:QMI5OXXI
#381 [だーいし]
教育委員長はカバンから何やら資料を出す。
『これを見ていただけますか。これは先日の中間テストの学年平均です。こちらが帝都西でこちらが帝都東。テストの内容は同じと聞いております。見て下さい、平均点が東と比べ7点しか変わらない……。』
井本校長は2枚の紙を見比べる。
『このままでは、成績が東に抜かれるのは時間の問題です。帝都西高校は全国でも屈指の進学校…。これが、東となれば……どういう事か分かりますよね?』
:12/01/19 20:35
:S003
:QMI5OXXI
#382 [だーいし]
井本校長は下を向く。
『で、私はこちらを提案したい。』
教育委員長はまた何やら資料を出す。
その表紙を見て、井本校長は言葉を失った。
『部活動の廃止!私は帝都西高校にこれを提唱します。』
『なっ……、、しかし、部活動は我が校の伝統ある…』
『もちろん、それは重々承知の上です。』
:12/01/19 20:41
:S003
:QMI5OXXI
#383 [だーいし]
教育委員長は続ける。
『伝統あるもの成績がよい「陸上部」などは残します。それ以外のものは廃止する方向で。これは成績の向上及び部費の削減に繋がります。』
『し、しかし…』
教育委員長は立ち上がり帰り支度を始める。
『これはまだ私が提唱しているだけです。今度の教育委員会会議には話し合いたいと考えております。』
:12/01/19 20:55
:S003
:QMI5OXXI
#384 [だーいし]
『しかし、委員長!』
教育委員長は最後にこう言った。
『それと、最近集会で「漫才」をしたいと言った人がいるとか。』
『は、はぁ。』
『もしかしたら「漫才部」とやらが勝手に発足しているのかもしれないですね。そちらは早急に確認お願い致します。では。』
そういうと教育委員長は部屋から出た。
井本校長は頭を抱えた。
遠退くハイヒールの音。
教育委員長 鈴木薫子
東京都教育委員会のトップに君臨する、キヨシの母親だ。
:12/01/19 21:11
:S003
:QMI5OXXI
#385 [だーいし]
『合宿??』
ある日の昼休みの中庭。
パンを食べながらヒロシは叫んだ。
『そう、合宿よ!夏休みそろそろ近いでしょ?私の知り合いがね毎年、江ノ島で海の家をやってるの。そこで、バイトしながら合宿やるのよ!』
マヤの提案にキヨシは疑問を抱いた。
『合宿は分かるけど、なんでバイトなの?』
:12/01/20 01:15
:S003
:O08yZv8Y
#386 [だーいし]
『いい質問ね!いい、海の家は接客業よ。人と触れ合う事で人前で緊張しなくなるのよ!キヨシ、人前で緊張するでしょ?』
『確かに。』
『で、休憩中にはお客さん相手に漫才をするっていうね!』
『めっちゃいいアイデアやな!!』
マヤの考えに賛同するヒロシ。
『でも、夏休みは夏期講習があるよ。』
帝都西高校では学年に関係なく夏休みは夏期講習があり、強制参加である。
:12/01/20 01:21
:S003
:O08yZv8Y
#387 [だーいし]
『土日は休みでしょ?土日に行くのよ!』
『なるほど。』
『決まりね♪』
『合宿か〜。いいね。』
今田がおにぎりを片手に現れた。
『あっ先生もきてや!合宿!』
『行きたいけどね、夏期講習中は土日関係なく忙しいんだ。』
『そっか。。そらしゃあないなぁ。よし!キヨシ、夏休み中にもっともっとおもろくなろ!』
『うん!』
:12/01/20 01:24
:S003
:O08yZv8Y
#388 [だーいし]
夏休みが一週間と迫ったある日、事件は起きた。
放課後、ヒロシとキヨシは部室に向かっていた。
『ちょっと!出てってよ!』
『なっ、誰に向かって言っているんだ!』
部室から声が聞こえる。
2人が中に入るとマヤがテレビを抱えていた。
:12/01/21 22:53
:S003
:C//8JWAw
#389 [だーいし]
『マヤ!?』
『あぁ!キヨシ、助けてよ!』
マヤからテレビを取ろうとしていた人物は教頭と東野だった。
『君たち、ちょっと職員室に来なさい。』
ヒロシとキヨシは職員室に呼び出された。
:12/01/21 22:55
:S003
:C//8JWAw
#390 [だーいし]
『どういう事か説明して欲しいね〜。成績優秀な二人が、えぇ、勝手に視聴覚室からテレビを持ち出して、ましてやあそこの理科準備室は生徒は立ち入り禁止だぞ!』
教頭の赤羽は凄い剣幕で二人を怒る。
『あそこで何をしていたんだ?』
二人は下を向いたままだった。
『答えなさい!鈴木君!』
:12/01/21 23:00
:S003
:C//8JWAw
#391 [だーいし]
キヨシは赤羽教頭を見ながら言った。
『ま、漫才です。』
『なっ…ま、漫才!?』
『理科準備室を勝手に使っていたのはすいません。しかし、僕たちは「漫才部」として文化祭公演を目指しているんです。』
『何をバカな!顧問はいるのかね。』
赤羽は笑いながら言う。
『顧問は私です。』
後ろから現れたのは今田。
:12/01/21 23:04
:S003
:C//8JWAw
#392 [だーいし]
職員室で他の教師達がざわめく。
『今田先生、あなた自分の立場がお分かりですか?あなたは今、「臨時採用」なんですよ!』
『えぇ、それは重々承知の上です。しかし、臨時採用の教師が部活動の顧問になってはいけないとは「生徒手帳図鑑」には記載されていませんでした。』
『なっ何ぃ!?……まっこの事は校長先生に報告します!そして、理科準備室は今後立ち入り禁止!』
こうして、漫才部の部室はなくなった。
:12/01/21 23:09
:S003
:C//8JWAw
#393 [だーいし]
夏休み初日。
ヒロシとキヨシは共に学校に向かっていた。
『まさか、部室が無くなるとは…』
『ホンマやな。』
『でも、どうしていきなりバレたんだろ。あんなとこ誰も近寄らないはずだよ。』
普段は誰も近寄らない理科準備室。なぜ急に教頭にバレたのか、キヨシは疑問を抱いていた。それとは裏腹にヒロシは笑顔だった。
『何笑ってんの?』
:12/01/22 04:00
:S003
:vWQ077nY
#394 [だーいし]
『いやね、新しい部室候補が見つかったのよ〜!』
『ホントに!?』
『おん!早速夏期講習終わりに行こうや〜!』
『分かった!』
2人は教室に向かった。
:12/01/22 04:02
:S003
:vWQ077nY
#395 [だーいし]
『部室候補ってここ?』
夏期講習終わり、キヨシとマヤはヒロシに疑問を投げかけた。
『そやで〜。さぁ入って!』
そう言うとヒロシは中に入っていった。
『キヨシここ知ってるの?』
『あぁ。ヒロシと初めてデートした「たこ焼き屋」だよ。』
:12/01/22 04:51
:S003
:vWQ077nY
#396 [我輩は匿名である]
おもしろい(*^o^*)
:12/01/22 16:43
:N07A3
:XD754Qn6
#397 [だーいし]
>>396ありがとうございます!
感想板もありますので是非そちらにも!
:12/01/22 23:28
:S003
:vWQ077nY
#398 [だーいし]
ガラララ…
たこ焼き屋に入るキヨシとマヤ。するとヒロシは店長と楽しそうに話していた。
『お!兄ちゃんはヒロちゃんと前来たことあるよな?姉ちゃんは初めてやな!?』
少し困惑するキヨシに軽く会釈するマヤ。
『鈴木キヨシと申します。』
『宮本マヤです。』
『おぅ!礼儀正しいね〜』
:12/01/22 23:31
:S003
:vWQ077nY
#399 [だーいし]
『今から旨いん焼くさかい、ちょっと待っといて!!』
そういうと店長はたこ焼きの生地を鉄板に流し込んだ。
『てか、すごく仲良くなってない?』
『ここな、キヨシと来てからたまに一人で来ててん!で、店長と話してたらななんと地元が同じで中学の先輩やってん!』
『まっ、15年以上先輩やけどな!』
店長は焼きながら言う。
『で、意気投合して「漫才部」の事も言うて、部室が無くなった事も言うたら「ここを使ったらえぇやん!」って言うてくれたわけよ!』
:12/01/22 23:36
:S003
:vWQ077nY
#400 [だーいし]
『まっお前らしかあんま客こんしな!』
たこ焼きを回しながら店長は言う。
『ここやと先生にバレへんやろ?』
『ま、まぁ確かに。』
『ソースの臭いが制服につくんじゃ…』
店長がマヤを睨む。
『なんか言うたか?』
『い、いや何も。。』
:12/01/22 23:39
:S003
:vWQ077nY
#401 [だーいし]
『まぁ、たこ焼き食いながら練習出来るからええやろ?』
2人がたこ焼きを頬張りながら笑顔で頷く。
ガラララ…
入口が開く。
『ここが、新しい部室かぁ!』
『あっ今田先生!』
『らっしゃい!』
:12/01/24 03:48
:S003
:Wq8zui02
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