もぅえぇわ!
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#351 [だーいし]
キヨシはいつもの公園のベンチにいた。


『お父さんが明後日から急に家に帰る事になったからお父さんにも家庭訪問に参加してもらいますから。』

『その時、聞かせてね。塾を辞めた理由を。』


母親のこの言葉が何度も脳裏をよぎる。
その度にキヨシはため息をついた。


『よし。』


キヨシは重い腰をあげ、家に向かった。

⏰:12/01/17 01:13 📱:S003 🆔:m/J5Jhcc


#352 [だーいし]
18時すぎ。
キヨシはリビングに向かった。すると、玄関が開いた。

『と、父さん。』

スーツ姿にオールバックのキヨシの父「鈴木正十郎」が帰ってきた。
約1年ぶりの対面にも関わらず、一言も発せずにリビングに向かった。

『あなたおかえりなさい。もうすぐ先生がくるわ。』

『あぁ。時間は1時間しかない。車も待たしてあるからな。』
正十郎はソファーに腰掛け、葉巻をくわえた。

⏰:12/01/17 01:31 📱:S003 🆔:m/J5Jhcc


#353 [だーいし]
『大きな家だな。』
周辺の家とは比べものにならない大豪邸に圧倒される今田。

ピンポーン。

チャイムを鳴らす。

『はい。』

『あっ私、キヨシ君の担任をしております今田と申します。』

インターホン越しにそう言うと、大きな門が自動で開き中から人が出てきた。


『夜分遅くにすいません。お母様。』

靴を脱ぎながら今田は言う。

『いえ、私は家政婦です。』

『か、家政婦??』

⏰:12/01/17 01:38 📱:S003 🆔:m/J5Jhcc


#354 [だーいし]
今田は家政婦に案内されリビングへ。
高級そうなソファーには母親・正十郎が隣通し、テーブルを挟んで前にキヨシが座っていた。
『あなたがキヨシの担任ですか?』
母親がたずねる。

今田は緊張しながら自己紹介をすませた。

『悪いが時間がないんだ。手短に簡潔に頼むよ。』

『な!?』

今田は正十郎の顔を見て、やっと緊張の意味が分かった。

⏰:12/01/17 01:49 📱:S003 🆔:m/J5Jhcc


#355 [だーいし]
『キヨシの親父って「鈴木正十郎」?あの、国会議員の!?』
ヒロシはイスから飛び上がった。

『何よそんな驚くことないじゃない。』

マヤは髪をいじりながら言う。
『超超超有名人やん!だって次期総理大臣の呼び声高い人やで!?』

『んー、そう言われても私は小さい頃から知ってるから…ただのおじさんって感じ♪』

『「ただのおじさんって感じ♪」やないわ!!!』

⏰:12/01/17 01:54 📱:S003 🆔:m/J5Jhcc


#356 [だーいし]
『多分、キヨシお父さんには塾やめた事言ってないんじゃないかな。もちろん漫才をやってる事も。最悪、……漫才出来なくなるかもね。』

マヤは真剣な面持ちで言った。
『なっ………。がんばってくれ!キヨシ。』

ヒロシは天井を見上げた。

⏰:12/01/17 06:21 📱:S003 🆔:m/J5Jhcc


#357 [だーいし]
『このようにキヨシ君は授業態度も優れており、学校でも成績は常にトップの優等生です。』
今田の言うことに頷く正十郎。
『もちろんです。キヨシには私と妻のように東大に入り、我が国に貢献できるような人間にいずれなりますから。あぁ、もうこんな時間だ。先生すいません。もうよろしいですか。』

正十郎は腕時計に目をやり言う。今田は焦りながら

『あっ、そうですね。では私もこれで失礼します。』

立ち上がる正十郎と今田。

『待って下さい。先生。』

⏰:12/01/17 06:30 📱:S003 🆔:m/J5Jhcc


#358 [だーいし]
母親が今田を引き留める。

『この子、最近塾を勝手に辞めたんです。なぜか先生理由を知っていますか?』

リビングのドアに手をかけていた正十郎がピタッと止まる。

『どういう事だ。キヨシ。』

正十郎は再びソファーに腰をかけた。と、同時に今田もただならぬ空気を感じソファーに座る。

『どうしてなんだと聞いているんだ、キヨシ。』

正十郎は葉巻をくわえた。

⏰:12/01/17 06:35 📱:S003 🆔:m/J5Jhcc


#359 [だーいし]
しばらく沈黙が続く。
両親は黙ったまま。キヨシは下を向いている。

『部活を始めたんだ…』

キヨシは切り出した。
思わぬ回答に両親は顔を見合わせた。

『部活?小中と勉強一筋だったあなたに?』

母親は少し笑いながら言う。

正十郎は葉巻の火を消した。

『なんの部活だ。』

キヨシは唇を噛み締めた。

⏰:12/01/17 17:16 📱:S003 🆔:m/J5Jhcc


#360 [だーいし]
『………ざ……い。』

『何?』

母親が問う。

『ま、漫才。』


間もなく時刻は19時半になる所だった。

『ま、ま、ま、漫才?キヨシあなた何言ってんの?』

母親は立ち上がった。

『あの学校にそんな部活ないはずよ!』

『作ったんだよ。僕が。』

⏰:12/01/17 17:21 📱:S003 🆔:m/J5Jhcc


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