*- エロチュウ -*
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#351 [亜夢]
:10/06/22 07:46
:F02B
:y0EXPsFg
#352 [亜夢pc]
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お墓参りを終えた後の龍紀は黙り込んだまま、ただ、煙草を不味そうに吸ってた。
あたしは状況の整理が出来ないままだ。 正直よく分からない。 理解出来ない。
かといって今龍紀に質問しても無駄なことくらいわかってた。
「ごめんな、亜夢。」
弱々しく溢れた龍紀の声。
大丈夫だよ、と言ってあたしは龍紀の手をぎゅうっと握りしめる。
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:10/06/23 07:46
:PC
:gsVfLdww
#353 [亜夢pc]
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龍紀は華さんよりあたしを選んだ。 それは華さんが目覚めてても必然的にそうなるはずだった。 形が違うとも、華さんが目をさましたのはあたし達が結ばれてしまったあと。
仕方ない、のかもしれない。
華さんにはフェアではないのかもしれない。
けれどもう「今」がある限り、あたし達のこの形は邪魔がないかぎり崩れることがない。
なんででも龍紀は動揺したの?
マナブさんの双子の弟さんの言われたことについて心配してるの?
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:10/06/23 07:48
:PC
:gsVfLdww
#354 [亜夢pc]
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「ほんと、ごめん。」
龍紀はその日はそれしか言わなかった。
帰り道の車の中も耳にはいるのは音楽だけ。 でもあたしも無理強いして話を聞きたくなかったし、龍紀の頭の中で整頓が終わったらすべてを話してもらおうとおもってた。
龍紀の実家に帰省して、こちらに戻ってきて一週間。
龍紀は出勤していない。
鳴りっぱなしの電話をも取らないようにしている。 あたしは何度も質問してもボーとした顔であたしを見つめる。
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:10/06/23 07:50
:PC
:gsVfLdww
#355 [亜夢pc]
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朝日は【響皐月】の同期で
親友マナブの双子の弟。
そのかわり全く似ていない。
マナブの弟、忍(朝日)は
華のことがずうっと好きだった。
でも
マナブが好きなことを知って身をひいたというか、応援するようになった。
マナブが亡くなってーー
その親友である龍紀が華と付き合いだしたときいたときは発狂しそうだった。
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:10/06/23 07:52
:PC
:gsVfLdww
#356 [亜夢]
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マナブが亡くなって一回忌のときに弟、忍はそれを知った。
喪服に身を包んだ顔が整ったふたりが並んで座ってる。 時折泣き出す華を抱き寄せる龍紀。
許せなかった…
忍は確信していた、龍紀はマナブが華を好きだったこと知っていたと。
憎しみしかあふれてこなかった。
マナブが生きていればこんなことにはならなかったんだろう…
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:10/06/27 14:56
:F02B
:.KPl7Ugs
#357 [亜夢]
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生前前から言ってた。
「―華はやっぱり龍紀が好きなんだよ。 俺が好きだから好きな女の見てる…目で追いかけてるものがいやってくらいわかる。」
だからつき合えよ、遠慮せずに…それがマナブがいつも龍紀に言ってたことば。
すっきりしないからと言ってマナブは華に告白しにいく途中だった―…
でも今想えば華が助かったのは奇跡だ。 マナブが守ってくれたのかもしれない……
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:10/06/27 14:59
:F02B
:.KPl7Ugs
#358 [亜夢]
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―――
出勤しなくなった龍紀は見る度になんだか痩せた。 もともと筋肉がいい具合についてて、ガタイはいいほうだったのに、長身痩せ型になってしまっていた。
「なあ、亜夢…」
たまに口を開いたかとおもうと首を横に振って"なんでもない"とだけ言う。
あたしもどうしていいかわからない。
「龍紀…あたし実家かえるね?」
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:10/06/27 15:04
:F02B
:.KPl7Ugs
#359 [亜夢]
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ご無沙汰の更新です

お待ちしてくれてた方、
申し訳ありませんでした。
これからまた
コツコツ出来る限り
更新していきます


よろしくお願いいたします

亜夢

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:10/07/14 05:35
:F02B
:u5edCtoU
#360 [亜夢]
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>>002-358***
実家に帰ると言ったことは、あたしにとって精一杯の優しさだった。
あたしの存在=龍紀の彼女であることが思考回路の妨げになるなら、離れてあげればいいと思えた。
仕事に対する意欲や自分へのプライドの高さがトップレベルの彼が、なにも考えれないくらい落ち込んでるんだ。
―…過去を知らない部外者は、そっとしてあげるのがいい、と勝手に判断した。
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:10/07/14 05:40
:F02B
:u5edCtoU
#361 [亜夢]
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家からでるときにおでこに軽くキスを残してあたしは部屋を後にした。
ひさびさに実家に帰ってきた。
「…ただいまあ。」
連絡もせず帰宅したのにも関わらず、家族みんな喜んで突然おかえりパーティみたいになってた。
喧嘩したの?とかさんざん聞かれたけど、恋しくなったから少しこっちにいる、と理由をつけておいた。
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:10/07/14 05:42
:F02B
:u5edCtoU
#362 [亜夢]
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「あ、あたしコンビニ行ってくる〜」
夜中にふと愛読してる雑誌が先日発売したことを思い出して近所のコンビニに走った。
コンビニの前でたむろしてる人たちにどこか見覚えがあった。
と同時に「あっ!!!!」と声がそろう。
「えっ…亜夢だよな?」
「わっ!!!! 夏川くん?」
高校の同級生の夏川力(りき)とその友達だった。
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:10/07/14 05:49
:F02B
:u5edCtoU
#363 [亜夢]
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「何年振りだろっ…」
コンビニの外で思い出話をたくさんして、今××くんはだれだれと付き合ってるとか誰かが結婚したとか、いろんな話をした。
「俺も亜夢に振られたしなあ〜〜」笑
夏川くんが頭をぽりぽりかきながら言う。
あたしの記憶が確かなら体育祭の日だ。 係で同じになった夏川くんからの突然の告白…あたしはもちろん受けることはできなかった。
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:10/07/14 05:52
:F02B
:u5edCtoU
#364 [亜夢]
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「俺は仲良くしてくれてたから完全に舞い上がってたなあ。 実は俺に気あるんじゃないかって。」
バカだろ、と笑いながら夏川くんは言った。
あたしは首を横に振る。
確かにクラスも3年間一緒で、隣の席になる率も高かったし、親しい男の子の友達部類にははいってた。
あたしはあのころ恋なんてものの意味さえも知らなかった。
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:10/07/14 06:02
:F02B
:u5edCtoU
#365 [亜夢]
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「今彼氏は?」
すぐさま返事をしようとするとメールが受信した。
送信者:龍紀
《別れよう。》
今彼氏はの答えは、現在別れ話をしてる感じと答えたほうがいいの?
「ちょっとごめんっ……」
あたしは少し離れてから電話をかけた。 もちろん龍紀にだ。
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:10/07/14 06:05
:F02B
:u5edCtoU
#366 [亜夢]
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「もしもし龍紀?」
「…うん。」
かすれて聞こえにくい声。 この間まであたしの誕生日やマナブさんに相談するといってた元気のある雰囲気はもちろんない。
「…どういうこと?」
「やっぱマナブは裏切ることができない…別れて欲しい…」
華さんはあたしと別れてもらいたい。 当然、あたしが現れなかったら目を覚ました華さんと結ばれるのは必然的に龍紀だもの。
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:10/07/14 06:25
:F02B
:u5edCtoU
#367 [亜夢]
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でも思った。
じゃあ、あたしはあのとき手を取る人間を間違ったということ?
「…で責任とるために華さんと付き合うの?」
「それもしない…俺は天涯孤独だよ。」
龍紀のマイナス面をこれほどみれる機会なんてない。
「あたしを幸せにしないの?」
……と沈黙が続く。
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:10/07/14 06:28
:F02B
:u5edCtoU
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