その日が来る前に、
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#651 [愛華]
冷たい空気が身にしみる。
でもそんな寒さも気にならない。
「たっだいまぁー」
「おー隆則ーおはへひー」
ソファの上でフライドチキンを
食べながら、目も向けずに
誨が言った。
相変わらずムカつく……
:10/09/06 21:08
:840SH
:MHBXlxoo
#652 [愛華]
「………てかお前はやくね?
まだ4時だぞ?
那佑ちゃんはどうし……」
誨が振り向き、俺の頭に巻かれた
包帯を見て固まった。
「……あ、えとな、いろいろ
あってな。三針縫いました、頭」
「………はぁぁぁ?
お前イヴにケンカしたのか?
ばかじゃねーの?
なんでよりによって今日!!」
:10/09/06 21:17
:840SH
:MHBXlxoo
#653 [愛華]
どうして那佑もこいつも
俺のケガ=ケンカになるんだ?
いや、間違ってないけどさ。
間違ってねぇけど……
俺+ケガ=どーせまたケンカだろ
みたいな公式、勝手に
たてないでほしいよな………
「そいで?こんなはやくに?」
「あ、うん。病院行けって。
でもプレゼントは渡せた♪」
「渡せた♪ じゃねーよばか。
馬鹿なことして心配かけんなよ」
:10/09/06 21:26
:840SH
:MHBXlxoo
#654 [愛華]
ほんとに容赦ない誨の言葉。
グサグサくるぜ……くそぅ。
「あ……そっか。
梓ちゃんが言ってたのって…」
「ん?なに?」
「あ、やー…もしかしてさ
ケンカ止めにきたのって
梓ちゃんだったりする…?」
「え、なんで知ってんの?
てゆか…梓に会ったの?」
「んーまぁ……」
:10/09/06 21:31
:840SH
:MHBXlxoo
#655 [愛華]
「お前、まさか夜の予定って…」
「あ、や、なくなったから。
昼一緒にいってきちゃったから」
……ちょっとまて。
頭の中で状況を整理。
そうした結果……
「…てめぇ梓に手だしたんか!?」
「手ぇ出すとはなんだ!!
俺は純粋な気持ちで……」
:10/09/06 21:40
:840SH
:MHBXlxoo
#656 [愛華]
「純粋!?よく言うぜてめぇ!
高校時代、街中で俺の写真
売った金で彼女とデートしてた
くせに!!悪の極みだろ!!」
「うるせー!!
てめぇの取り柄は顔だろーが!
それを親友が利用して
何がわりぃんだよ!!
ムカつくんだよお前、
カッコイイ顔しやがって!!」
いや、最後のは褒め言葉…
というのは頭に血がのぼった
二人は気づくはずもなく。
:10/09/06 21:47
:840SH
:MHBXlxoo
#657 [愛華]
ぎゃーぎゃー騒いだ末……
「………腹へった」
「………へったな」
しょーがないので男ふたりで
クリスマスパーティーを
することに。情けな……
酒を買ってきて騒ぎまくる。
誨はかなり酒には弱い。
なのに今日はいつもの倍以上
飲んでいた。
あ、お酒は20歳からね。
良い子のみんなは
真似しないよーにね。
:10/09/06 21:55
:840SH
:MHBXlxoo
#658 [愛華]
夜も更けてゆき
俺はほろ酔い、誨は泥酔。
「うぅ……気持ち悪いよぅ…
苦しいよぅ……しくしく」
「泣くな!しくしくとか言うな!
ってゆーか飲み過ぎだろ…」
「でけぇ声だすなよ…うー…」
……全く。困ったやつだな。
ほんとにしょーもない……
:10/09/06 21:59
:840SH
:MHBXlxoo
#659 [愛華]
「………なぁ隆則ぃ」
「ん?なんだよ」
「…那佑ちゃんのことさぁ
大事にすれよーちゃんとさ」
「いきなり何いってんだよ?」
俺はぐぃっと酒を飲み込む。
「や、あーゆー女の子はさ。
流されやすいじゃん?
だから油断するとカーンタンに
持ってかれちまうわけよ」
……油断なんか、してないけど。
:10/09/06 22:03
:840SH
:MHBXlxoo
#660 [愛華]
「だからちゃんとつかまえとけ」
つかまえとく…?どーやって?
でも誰かにやるつもりなんか
全くない。絶対やだ。
「……結婚、したい」
口からとっさに出た言葉。
言った瞬間、どうしようもない
恥ずかしさに襲われて
クッションに顔を埋めた。
「あ、そーゆーのはよくない。
それは逃げ、だろ?ただの」
:10/09/06 22:14
:840SH
:MHBXlxoo
#661 [愛華]
「誰かにとられなくて済むから
結婚するってのは違うだろ?
もっと違う方法あるだろ」
「違う方法……て何?」
「そりゃぁ………フフ」
おい、なんだ今の笑い。
めちゃくちゃ嫌な予感。
「まずはだね、那佑ちゃんの
服のボタンをひとつひと…」
「あー俺コンビニいってくるわ」
逃げるが勝ち。
:10/09/06 22:22
:840SH
:MHBXlxoo
#662 [愛華]
「隆則ぃー酒よろしくー
氷もなー酒にいれてなー」
「あーハイハイ」
ぐでぐでのくせに何いってんだ。
氷のかわりにドライアイス
いれてやる。
外はいいかんじに涼しくて
酒でほてった体を冷ました。
足元がふらふらする。
………俺もけっこう酔ったな。
:10/09/06 22:26
:840SH
:MHBXlxoo
#663 [愛華]
コンビニは、深夜ということも
あって人は少なかった。
酒を買い終えて帰ろうとした時。
突然誨の言葉が浮かんだ。
「違う方法あるだろ?」
ガラガラガラ!!
やらかした……
酒を地面にぶちまけてしまった。
:10/09/06 22:33
:840SH
:MHBXlxoo
#664 [愛華]
あんにゃろー……
誨に恨みごとを言いながら
酒をひとつひとつ拾う。
最後のひとつを拾おうと
しゃがんだ時。
「………はい、どーぞ」
目の前には男が立ってた。
176くらいある。高校生か?
「あー……ども」
酒を受け取り、袋に戻す。
:10/09/06 22:38
:840SH
:MHBXlxoo
#665 [愛華]
「滑るので気をつけて下さい」
そういってにこっと男は笑った。
去っていく男の後ろ姿を
黙って見ていた。
………なんだ?この感じ……
頭の中ではまた誨の言葉が
ゆっくりとこだましていた。
「カーンタンに持ってちまうぞ」
:10/09/06 22:43
:840SH
:MHBXlxoo
#666 [愛華]
:10/09/06 22:53
:840SH
:MHBXlxoo
#667 [愛]
:10/09/06 23:24
:SH902iS
:☆☆☆
#668 [愛]
:10/09/06 23:26
:SH902iS
:☆☆☆
#669 [愛]
:10/09/06 23:28
:SH902iS
:☆☆☆
#670 [愛華]
:10/09/07 00:19
:840SH
:Tqqz7u3s
#671 [愛華]
-那佑side-
:10/09/07 16:29
:840SH
:Tqqz7u3s
#672 [愛華]
新学期です。
寒さはまだまだ深いし
楽しい行事は全部終わった
1月の半ば。
なんとなく気分がダラダラ…
人はそれを正月ボケと呼んだ。
………あー……しんどい……
:10/09/07 16:33
:840SH
:Tqqz7u3s
#673 [愛華]
「じゃーお正月は家族で??」
「うん。久しぶりにね」
今はお昼休み。
梓と久しぶりの学校での昼食。
「…てゆかさ、なんで
両親いないなんて嘘、タカに
ついてたの?」
「え…………あー!!」
そうだ…隆則と出会いたての頃、
あたしは両親がいないって嘘
ついてたんだっけ。
両親との関係いいたくなくて…
:10/09/07 16:45
:840SH
:Tqqz7u3s
#674 [愛華]
「ていうか梓がなんで?え?」
「タカがけっこう前にさ
『那佑はなんでかしらないけど
両親いないとか嘘ついてる。
でも隠すってことはなにかしら
理由があるだろーから
知らないふりしとけよ』ってさ」
隆則は気づいてたんだ…
ずーっと前から。
「まぁ、今ならべつにいーか、
と思ってさ。ダメだった?」
:10/09/07 21:30
:840SH
:Tqqz7u3s
#675 [愛華]
「ううん。今はもういいんだ。
ありがとね、梓」
「べーつにぃ」
梓はめんどくさそうに伸びをして
大きなあくびをした。
「…梓はクリスマスどうしたの」
「んー特に…誨さんとご飯した」
:10/09/07 21:44
:840SH
:Tqqz7u3s
#676 [愛華]
「誨さんて………えと…
隆則の友達だっていう…」
「そう、それ」
えぇ!?
あたしも何度か会ったことは
あるけれど、なんていうか……
軽い。中身がない。淡泊。
そんな感じの人で、
初対面でニガテを感じた。
「……案外いい人だよ、あの人」
「へ、へぇ……」
:10/09/07 21:56
:840SH
:Tqqz7u3s
#677 [愛華]
まぁ梓が言うんなら……
実はそうなのかもしれないな。
「それよりさー、噂だけど
うちのクラスに転校生くる
らしいね。男の」
「転校生?男の?」
「うん。部活に来てた人が
見たらしい。けっこうイケメン」
ふーん…や、特に
興味もないけど。
:10/09/07 22:03
:840SH
:Tqqz7u3s
#678 [愛華]
「そーなんだーへー」
この日のあなたとの出会い。
それは私の運命を大きく変えて
周りを巻き込みながら大きくなり
あなたの運命も変えてしまった。
まるで嵐のように
あなたは私のもとへやってきた。
:10/09/07 22:24
:840SH
:Tqqz7u3s
#679 [愛華]
「……てゆか転校生ってフツー
朝にくるでしょ?今昼だけど」
あたしは不思議に思い、
ジュースをすすりながら梓に聞く
「あー…なんでだろーね?」
「嘘なんじゃないのかなぁ…」
そんなことを話しながら廊下を
歩いていると。
「………あ」
:10/09/08 00:18
:840SH
:lLLUK/aw
#680 [愛華]
突然、梓が声をあげた。
「なに?梓」
「………あれだよ、転校生」
前を見ると、向こうから
見たことのない制服をきた男子が
歩いてくるのが見えた。
……へー確かにかっこいいけど…
「…あ、同じクラスの子だよな?
よろしくなー」
:10/09/08 00:21
:840SH
:lLLUK/aw
#681 [愛華]
「…………はい!?」
まさか話しかけられるとは
思っていなかったし
何このフレンドリー感!!
まるで当たり前かのように
彼はあたしたちに挨拶をした。
「品野直純(しなのなおずみ)
ってゆーの。
あとでまた会うと思うけどさ」
「あ…はぁ。よろしくね」
梓とあたしもとりあえず挨拶。
:10/09/08 00:27
:840SH
:lLLUK/aw
#682 [愛華]
………なんだこの展開。
「あ、んじゃまたあとでねー」
そう言うと、転校生はどこかへ
行ってしまった。
………へんな人。すっごい。
それが第一印象だった。
なんていうか、うん。
今までにいないタイプだな。
:10/09/08 00:30
:840SH
:lLLUK/aw
#683 [愛華]
「なんつーか…フ、フレンドリー
な人だね……」
「うん……びっくりした…」
でも結局その日、彼がクラスに
やってくることはなかった。
………よくわからん。
別のクラスだったのかな?
うーん………謎だ。
:10/09/08 03:24
:840SH
:lLLUK/aw
#684 [愛華]
変だなぁとは思ったけども
そこまで興味もなかったし…
まぁ人間そんなものである。
「くぁっっ」
「………え、なにそのあくび」
「眠いんだよねーすっごい…
最近、夜更かししてるからかな」
「夜更かしぃ?なんでまた」
「ん?テレビ」
:10/09/09 18:44
:840SH
:upRrJ//M
#685 [愛華]
現在、隆則宅にてダラダラ中。
今、お父さんとお母さんは仕事で
いないので寂しかったり……
「お前な、体こわすぞ。だめ。
つーか病院いってんのか?」
「いってるよーちゃんと」
といっても、行ったって診察して
終わり。特になにも言われない。
運動は控えてね、くらい。
:10/09/09 20:10
:840SH
:upRrJ//M
#686 [愛華]
なにも変わらない毎日。
変わらなすぎて、自分が本当に
死んじゃうなんて
嘘なんじゃないかって思う。
嘘なんだって思いたいんだ。
「あんま無理すんなよ」
「わかってるよーだ。
薬だってちゃんと飲んでるもん」
隆則はゆっくり立ち上がって
あたしの隣にすわると
頭をナデナデしてくれた。
:10/09/09 20:17
:840SH
:upRrJ//M
#687 [愛華]
……おっきい手の平。
隆則の手は魔法の手。
すごく安心する……
隆則を間近で見上げると、
視線に気づいたのか目が合って
隆則はにっこり微笑んだ。
………ずるい。ずるいよ。
「…隆則ってさーなんでそんな
かっこいーの?」
「……はぁ?熱でもあんの?」
:10/09/09 20:25
:840SH
:upRrJ//M
#688 [愛華]
あれ、けっこう真面目に
言ったつもりだったんだけどな。
でも本当に隆則は、芸能人並に
かっこいい。
でも私が隆則を好きになったのは
そんなのが理由じゃないよ。
上手く言い表せない何かに
私は惹かれていったんだ。
「…隆則って何人くらいの人と
付き合ったの?」
:10/09/09 20:35
:840SH
:upRrJ//M
#689 [愛華]
「んーえーと…いない、よ?」
「うそ。今つまったじゃんけ」
「じゃんけ て何。どこの言葉」
……そっか。私ははじめてだった
ことも隆則ははじめてじゃない。
私以外の誰かと……
ん?それ、なんかやだな。
:10/09/09 21:45
:840SH
:upRrJ//M
#690 [愛華]
なんだこれ。胸がちくちくする…
針でつっつかれてるみたいな。
「………あっそ。別にいーけど」
あたしはぷぃっと後ろを向いた。
隆則が笑いをこらえてるのが
見てもいないのにわかった。
………ムカつくっっ!!
:10/09/09 23:36
:840SH
:upRrJ//M
#691 [愛華]
「那佑ーなにおこってんの」
「うるさい、ばか隆則」
隆則はくっくっと笑いながら
あたしの頭をわしゃわしゃした。
「……那佑が初めてだけど。
つきあうのも、本気なのも」
「………うそだ」
「ほんとほんと。女が苦手
だったからさ。あ、那佑は平気」
:10/09/09 23:40
:840SH
:upRrJ//M
#692 [愛華]
「………ほんと?」
あたしはちょっとだけ振り向いた
「ほんとほんと!!」
ニコニコしながら隆則がいう。
あたしはくるっと振り向いて
隆則によしかかった。
「……ネコみたいだな、那佑」
「え、どこらへんが?」
:10/09/09 23:44
:840SH
:upRrJ//M
#693 [愛華]
「んーやきもち妬くとことか
こーゆー人懐っこいとことか」
……そっか。あたしさっき…
やきもち妬いてたんだ。
妬いたことないからなぁ……
「じゃー隆則だけの
ネコになるにゃ☆」
「にゃ☆ じゃねーよ。
バカなのばれるからやめなさい」
「隆則が!隆則が言ったのに!」
:10/09/09 23:51
:840SH
:upRrJ//M
#694 [愛華]
「俺は、似てるなって言っただけ
ネコの声出せなんて言ってない」
「なんだよー!恥かいたじゃんー
あたしバカみたいじゃんー」
「ばかとはつきあえませーん」
「すいませんー!!
もう にゃ☆ とか言いませんー」
:10/09/09 23:58
:840SH
:upRrJ//M
#695 [愛華]
くだらないことで笑いあって
ささいなことがうれしくって
そんな毎日に溢れてる小さな幸せ
それが少しずつ重なり合って
いつのまにかあたしにとっての
大きな大きな幸せになっていた。
ただ、それがすべてだった。
:10/09/10 00:10
:840SH
:bCLeNTMk
#696 [愛華]
この時は思ってなかった。
予想なんかもしてなかった。
こんな幸せな日々は
神様の意地悪で簡単に
いとも簡単に
崩れ去っていくこと。
隆則。
あなたはわかっていたのかな?
:10/09/10 20:11
:840SH
:bCLeNTMk
#697 [愛華]
次の日、クラスでは。
「うちのクラスに来るって!」
「転校生でしょ!?
かっこいーらしいじゃん!!」
……そう言って昨日も
来なかったじゃん。
ま、別にいーけどさ…
………あー眠い。
「おっはよ、那佑!!」
「あ、梓おはよー…ふぁ〜」
:10/09/10 20:22
:840SH
:bCLeNTMk
#698 [愛華]
「なに、眠そうな顔して〜
てゆか噂すごくない?昨日より」
「あー…別に興味ないけどさ。
てゆかなんで今日?
昨日学校いたのに来なかったし」
なんだかんだ話してるうちに
朝のホームルームになった。
クラスのみんなの視線が
自然と教壇に集まっていく。
:10/09/10 20:29
:840SH
:bCLeNTMk
#699 [愛華]
「……………わぁ」
………ほんとに来た。
先生と一緒に昨日会った
転校生がはいってきた。
改めて見るとやっぱりイケメン。
「えーと…今日からうちの
クラスメイトになる
品野直純くんだ。自己紹介して」
「品野直純です。よろしく」
女子の目がハートになる。
漫画みたいなかんじ。
:10/09/10 20:35
:840SH
:bCLeNTMk
#700 [愛華]
自己紹介のとちゅうで
目があったので軽く会釈。すると
返事なのかウインクされた。
「今ウインクされたぁー」
などと一部の女子が騒ぐ。
………はーぁ……眠い。
あたしはうとうとし始めた。
:10/09/10 20:44
:840SH
:bCLeNTMk
★コメント★
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