その日が来る前に、
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#701 [愛華]
ホームルームが終わり、
品野くんの周りには女子が集まる
「……すげ。品野くんすげ」
梓が人事のように呟く。
てゆーか人事なんだけど。
「……てゆかさっきさ、
那佑にむけてウインクしてた?」
「んー……さぁ?わかんない」
あたしは、というと
眠くてそれどころではない。
:10/09/10 23:49
:840SH
:bCLeNTMk
#702 [愛華]
………ダメだ。
「……梓、ごめん眠い。
一時間目サボる。寝てくる」
「えぇ!?どこで!?」
「天気いーからおくじょー」
あたしはそれだけ言うと、
ひざかけを手にとって
教室を出ていった。
屋上までゆっくりと上がる。
:10/09/10 23:53
:840SH
:bCLeNTMk
#703 [愛華]
…今日ははやく寝なきゃなぁ…
屋上に雪はつもってなかったけど
やっぱり寒い。
でも持ってきたひざかけは
けっこう大きめ。ひざかけと
いうよりは大きい毛布。
あたしは毛布を広げ、中に入り
ぱたんっと毛布をたたんだ。
オムレツの要領で毛布に包まる。
………あったかいなー……
日差しが気持ちいいや……
:10/09/10 23:58
:840SH
:bCLeNTMk
#704 [愛華]
あたしは少しずつウトウトとなり
夢の世界に入っていった。
夢を見ていた。
悲しい夢。
心が引き裂かれるような…
:10/09/11 00:00
:840SH
:1ddPhulE
#705 [愛華]
夢の中であたしは泣いてる。
泣き叫んでいる。
でもなんで泣いてるの?
なんで止まらないの?
あ、隆則がいる。
隆則、どこ行くの?
一人にしないって言ったじゃん
帰ってくるってゆったじゃん。
隆則………どこに行くの
どうして隆則も泣いているの
:10/09/11 00:03
:840SH
:1ddPhulE
#706 [愛華]
隆則はゆっくりと歩く。
あたしから離れていく。
やだ、行かないで
行かないで
置いていかないでよ
約束したじゃんか
だって隆則も泣いてるじゃんか
「………ごめんな、那佑」
どうして、 謝るの
:10/09/11 00:06
:840SH
:1ddPhulE
#707 [愛華]
「………行かなっ…………」
あたしは飛びおきた。
なに、今のゆめ。
呼吸が乱れる。
頬をさわると涙が流れてた。
止まらない。止まらないの。
「はっ……はぁっはぁっ…」
涙が止まらない。
あたし、どうしちゃったの?
:10/09/11 00:10
:840SH
:1ddPhulE
#708 [愛華]
「………だいじょうぶ?」
声のするほうを振り向いた。
「………品……野くん…」
そこには転校生の品野くんが。
「サボろうとして屋上
きたんだけど……ごめんな?」
品野くんの言葉は耳にはいらない
だって涙が止まらないから。
呼吸の乱れもおさまらない。
息がくるしい。
:10/09/11 01:37
:840SH
:1ddPhulE
#709 [愛華]
「はっはっ……はぁっ」
品野くんはゆっくりとあたしに
近づいてきて背中をさすった。
「……怖い夢みたのか?
だいじょうぶだよ、怖くない」
優しい声………
初めて見た時から感じてた何か。
このひと………
隆則に似てるんだ。
:10/09/11 01:40
:840SH
:1ddPhulE
#710 [愛華]
「……うっうぇ……うぁぁん…」
あたしは泣き崩れた。
なんで泣いてるんだろう。
さっきの夢はなんだったの?
見えない何かに押し潰されそうで
ただ怖くて怖くて
まるでさっきの夢は
これからの未来を
私の未来を暗示しているようで。
:10/09/11 01:43
:840SH
:1ddPhulE
#711 [愛華]
あたしが泣き止むまで
品野くんは側にいてくれた。
「………落ち着いた?」
「……うん。だいじょーぶ…
ごめん、なんか変なとこ見せて」
「別にそれはいーけどさ…
どんなこわい夢みたの?」
あたしは夢を思いだそうとする。
でも、その行為を脳が拒否した。
:10/09/11 01:47
:840SH
:1ddPhulE
#712 [海]
:10/09/11 04:47
:SH902iS
:☆☆☆
#713 [海]
すみません失敗しました
次はどうだ!>>700-800
できたかな?
:10/09/11 04:58
:SH902iS
:☆☆☆
#714 [海]
:10/09/11 04:59
:SH902iS
:☆☆☆
#715 [愛華]
>>714海様
気にしないでください

アンカーありがとうございます

:10/09/11 09:10
:840SH
:1ddPhulE
#716 [愛華]
思い出そうとすると涙が溢れる。
心が破かれるみたいに痛い。
襲ってくる孤独感。絶望。
「……ごめん。言いたく、ない」
「……そっか。うんわかった。
気にしなくていーから」
あたしはコクンと頷くと
毛布に顔をうずめた。
:10/09/11 09:15
:840SH
:1ddPhulE
#717 [愛華]
「……名前、なんてゆーの?」
「んと……白石那佑、だよ」
あたしは下を向いたままじゃ
失礼なので、ちょっとだけ
顔をあげて答えた。
「なゆ?かわいー名前だね」
「そう?でも直純ってゆーのも
武将みたいでかっこいいじゃん」
「あはは、そんなことねーよ」
:10/09/11 09:20
:840SH
:1ddPhulE
#718 [愛華]
あぁ……やっぱり。
このひと隆則に似てる。
なんてゆーか…笑い方とか。
喋り方とか雰囲気とか。
なんとなく………似てる。
「品野くんてさ……」
「あ、直純でいーよ」
「じゃ、直純くんて呼ぶね」
「うん。なんかいーね」
:10/09/11 09:38
:840SH
:1ddPhulE
#719 [愛華]
ニコッと直純くんは笑った。
すごくキレイな笑顔だった。
「…転校初日からサボり?」
「あは、まーね。いい天気だし。
昨日もめんどくさくなって結局
いかなかったんだよな。」
………なんだ、そりゃ。
「自、自由人だね……」
「いいことでしょ。人生さ
自由に生きなきゃダメじゃん」
:10/09/11 19:40
:840SH
:1ddPhulE
#720 [愛華]
「じゆう……?」
「うん、そう。
今は幸せでも明日は幸せ
じゃなくなってるかもしれない。
もしかしたら明日は
来ないかもしれないだろ?
だから、今好きなことをして
好きなもの食べて…
好きなものを手にいれる。」
……自由ってそういうことなの?
:10/09/11 19:48
:840SH
:1ddPhulE
#721 [愛華]
「あたしは…違うと思う」
「…ん?」
「自由になりたくたって
そうなれない人もいるんだよ。
毎日恐怖と戦ってる人もいる。
でも、そんな人たちは……
自分が自由か?なんて考えない。
考えたら前に進めないじゃない」
「……白石?」
:10/09/11 19:52
:840SH
:1ddPhulE
#722 [愛華]
「あたしは…自分が何かのために
自分から動けた時とかに
あぁ…自分は自由なんだなって」
「白石……どうしたの?」
あたしはハッとする。
なにいってんだろ……あたし。
「ごめん…なんでもない」
「………白石って変だな」
:10/09/11 19:59
:840SH
:1ddPhulE
#723 [愛華]
そういって直純くんは笑った。
「…ごめん、気にしないで」
「別にいーって。気にしてない。
……ね、白石って彼氏いる?」
「な、なにいきなり……」
「いる?いない?」
な、なんか答えは決まってるのに
答えるの恥ずかしいな……
慣れてないからかな?
:10/09/11 21:59
:840SH
:1ddPhulE
#724 [愛華]
「いるよ?……2個上だけどね」
「ふーん…2個上…大学生?」
「うん。すぐそこの大学生」
直純くんは複雑そうな顔をして
ちょっとだけ笑った。
私に見えないくらいの
小さい笑みだった。
「好きなの?彼氏のこと」
「なななななんで!?」
好きじゃなかったら
つきあうわけないじゃんか!!
:10/09/11 22:14
:840SH
:1ddPhulE
#725 [愛華]
「あーごめん、聞き方悪いね。
んーと…どれくらい好きなの?」
どれくらい………好き?
「えーとえーと……
大好き、よりもっと好き、だよ」
あたしは顔が赤くなっていくのが
わかった。 ひゃー…
:10/09/11 23:35
:840SH
:1ddPhulE
#726 [愛華]
「……白石、顔まっか」
「え、ほんと!?うわ、はず…」
あたしは顔をあおぐように
毛布で顔をパタパタ。
「ふぅーん。大好きなんだ」
「う、うんまぁね」
「…俺も負けてないと思うけど」
:10/09/11 23:38
:840SH
:1ddPhulE
#727 [愛華]
「それってどういうこと……」
ガタン!!
「こーゆーこと?」
……なにがおこったの?
目の前には直純くんの顔。
下にはあたしの毛布。
あたし……押し倒された!?
:10/09/11 23:53
:840SH
:1ddPhulE
#728 [愛華]
「な……おずみくん?
なんかの……冗談?」
「冗談じゃないよ。本気。
俺さ……白石のこと好きだよ」
「……なにいってるの…?」
かすれた声しか出ない。
だって昨日会ったばっかじゃん。
「白石はさ……一目惚れって
どう思う?やっぱムリ?」
:10/09/12 00:28
:840SH
:VI0xE8fM
#729 [愛華]
「ムリってゆーか……え?
なに?どーいうこと?」
頭の中はパニック。
この状況と直純くんのセリフ。
「俺、一目見て白石が好きに
なった。本気だよ。
彼氏がいても関係ないよ。
…好きになるのに時間なんて
関係ないと思わない?」
「え……だって……その…」
なに!?なにいってんのこの人!
全く理解できない!!
:10/09/12 00:33
:840SH
:VI0xE8fM
#730 [愛華]
直純くんは鼻がくっつくくらいの
距離で囁く。
「白石さぁ……俺にしない?」
頭がクラクラする。
こんなかっこいい男の子に
色っぽい声でこんなこと…
まるで麻酔みたいにぼーっとする
「ひ…一目惚れなんて
顔が好きになったって事じゃん!
よく知りもしない相手を好きに
なるなんてありえない!
あたしはそんなのムリ!
わかったらどいて!はやく!」
:10/09/12 00:38
:840SH
:VI0xE8fM
#731 [愛華]
第一、あたしには隆則がいるし!
そう言おうとしたら、
直純くんとあたしの鼻が
くっついた。ち…近すぎっ…
「……べつにいーじゃん…」
直純くんはフッとあたしの
首筋に息を吹き掛ける。
「ひっ……」
「あれ、なれてないの?
……俺が色々教えてあげよっか」
:10/09/12 00:42
:840SH
:VI0xE8fM
#732 [愛華]
「なっっ………」
直純くんの唇が首に落ちる。
………やだ!やだやだ!
次の瞬間。
どかっっ!!
「なにすんのよ!!
こんのスケベやろー!!」
あたしは言葉よりも先に
手と足がでていた。
:10/09/12 00:48
:840SH
:VI0xE8fM
#733 [愛華]
「いってぇ……」
直純が(もはやくんづけナシ)
痛がって頭をさすっているけど
そんなことはどうでもいい!!
「さいっってい!!
ちょっとでも心ゆるしたあたしが
馬鹿だった!二度と近づくな!」
あたしはそれだけ言うと
屋上を飛び出した。
:10/09/12 00:52
:840SH
:VI0xE8fM
#734 [愛華]
さいていさいていさいてい!!
隆則にちょっと似てるかも、
とか思ったあたしが馬鹿!!
超ばか!!
あんなやつ、隆則になんか
ぜんっぜん似てない!!
「似てねんだよ、このやろー!」
あたしは叫んだ。
あんなやつ大っっきらいだ!!
:10/09/12 00:55
:840SH
:VI0xE8fM
#735 [愛華]
′
「あー……いたたた」
あの女、思い切り殴りやがって…
でもやっぱ、そう簡単には
いかねぇか……
「…あんな顔すんだもんなぁ…」
あんな真っ赤になるくらい
好きなんだろう。
:10/09/12 00:57
:840SH
:VI0xE8fM
#736 [愛華]
知らない男にホイホイ
ついていくほど馬鹿じゃねぇか。
……めんどくせぇなぁ……
でも俺は白石を手にいれる。
それでも手にいれる。
あの男から………
大事なものを奪ってやる。
「……白石……那佑だっけか」
:10/09/12 01:01
:840SH
:VI0xE8fM
#737 [愛華]
顔はかわいいけど、キレっぽいし
たいした女じゃない。でも……
あいつが好きそうなタイプだな。
……絶対手にいれる。
欲しいものは絶対に
奪いとってやる。
あんたが……そうしたように。
「そうだろ…………?
………………………隆兄」
:10/09/12 01:06
:840SH
:VI0xE8fM
#738 [愛華]
′
「………あー!!ムカつく!!」
あたしはばんっと教室の戸をあけ
机にどかっと座った。
「わ、那佑どーしたの?」
「なんでもないっっ!!」
教室のみんなが
「いや、絶対なんかあったやろ」
的な視線を送ってくる。
:10/09/12 11:52
:840SH
:VI0xE8fM
#739 [愛華]
そんな視線の中、直純くんが
教室の中にはいってきた。
「品野くん、どこいってたの?」
「あーちょっとね」
直純くんは女子たちにそう言うと
あたしのところに歩いてきた。
「…………なんか用」
「これ、忘れてっただろ」
直純くんの手にはあたしの毛布。
:10/09/12 13:21
:840SH
:VI0xE8fM
#740 [愛華]
「………あ、忘れてた」
「ごめんな、あんなことして…
痛かっただろ?」
…………はぁ!?
教室がざわつく。
梓は口があいたまま。
「ちょっ!あんたなにいって…」
「もうあんなことしないから」
な、なにいってんのコイツ!!
教室は騒然。
:10/09/12 13:25
:840SH
:VI0xE8fM
#741 [愛華]
「だから!あんたなにいって…」
「あ、じゃあね。那 佑」
……あンのやろ!
名前強調しやがった!!
ぱたん。教室のドアがしまる。
…………………………………
訪れる沈黙
:10/09/12 13:28
:840SH
:VI0xE8fM
#742 [愛華]
「ちょ……………那佑!!
今のなに!?どーゆーこと!!」
「白石さん!いつから品野くんと
あんなこんな関係に!?」
「1時間目に品野くんと
なにしてたの!?ねぇ!!」
女子からの質問攻め。
男子は見て見ぬフリ。
俺ら、なんも知りません…マジで
みたいな目。
:10/09/12 13:32
:840SH
:VI0xE8fM
#743 [愛華]
「いや……なんもなかった!!
………わけじゃないんだけど
あんなこととかこんなことは
しなかった!!ほんとに!!」
「うそだ!!だって品野くん、
痛かっただろ……って!!
…………うわぁぁぁん!!」
「ミキ泣かないで!!
白石さんひどいよ!!ミキは
品野くんに一目惚れしたのに!
品野くんとあんなこと……」
「するかー!!隆則とだって
まだしてないのにー!!」
:10/09/12 13:35
:840SH
:VI0xE8fM
#744 [愛華]
「………たか……のり??」
あたしは、しまった! という顔。
梓は頭をかかえている。
「ちょ…たかのりさんて誰!!
まさか二股!?白石さん、
品野くんとその隆則さんて人と
二股かけてるの!!」
「白石さん、ひどいよー!!
隆則さんがかわいそーだよ!!」
:10/09/12 13:39
:840SH
:VI0xE8fM
#745 [愛華]
「だから!!直純くんとは…」
「名前で呼んでるぅー!!
どっち!?どっちが本命なの!」
「いや、だから名前は……
…もういいかげんにしてー!!」
アア……女子ってコワイ……
あ、あたしも女子だ……ハハ
:10/09/12 13:45
:840SH
:VI0xE8fM
#746 [愛華]
「………疲れた……」
女子の誤解をとくのにかなりの
時間がかかった。
押し倒されたことはさすがに
言えなかったけど……
「ほんとびっくりさせないでよ、
二股なんて知ったら、隆則
気絶しちゃうよ、多分」
「かけてないからね!二股!」
「わかったってば……」
:10/09/12 18:37
:840SH
:VI0xE8fM
#747 [愛華]
「………ね、品野くんと
本当はなにがあったの?」
ぎくっっ
「な…なにも……」
「隠すんだ?親友のあたしに?
タカに言っちゃおっかなー…
那佑が浮気してるって……」
「ちょ、梓!!わかったから!」
……くそぅ。
:10/09/12 18:49
:840SH
:VI0xE8fM
#748 [愛華]
「………ま、マジで?」
「うん………。
隆則にちょっと似てるかもって
油断してた……不覚」
「タカに……似てる?
いや………でも…………うん」
「梓?」
「あ、いや…なんも
されなかったんだよね?」
「うん、まだね…逃げたし」
「そっか……」
:10/09/12 19:30
:840SH
:VI0xE8fM
#749 [愛華]
「梓…なしたの?」
「……実はあたしもちょい前から
タカに似てるな、とは思ってて。
ね、直純って珍しい名前かな?」
「そうでも…ないと思うよ?
頑張って捜せばいそうな名前
だと思うけど……」
「そう……だよね、うん。
苗字もちがうし……うん」
:10/09/12 19:35
:840SH
:VI0xE8fM
#750 [愛華]
「え、なに?ごめん、
よくわかんないんだけど」
「あ、いや知り合いに似てた
ってゆーかなんてゆーか。
でも苗字ちがうし多分ちがうよ」
「知り合いって……?」
「ん、ちょっと……タカと
あたしの……」
……なんか歯切れわるいな。
なんなんだろ?
:10/09/12 19:46
:840SH
:VI0xE8fM
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