その日が来る前に、
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#700 [愛華]
自己紹介のとちゅうで
目があったので軽く会釈。すると
返事なのかウインクされた。
「今ウインクされたぁー」
などと一部の女子が騒ぐ。
………はーぁ……眠い。
あたしはうとうとし始めた。
:10/09/10 20:44
:840SH
:bCLeNTMk
#701 [愛華]
ホームルームが終わり、
品野くんの周りには女子が集まる
「……すげ。品野くんすげ」
梓が人事のように呟く。
てゆーか人事なんだけど。
「……てゆかさっきさ、
那佑にむけてウインクしてた?」
「んー……さぁ?わかんない」
あたしは、というと
眠くてそれどころではない。
:10/09/10 23:49
:840SH
:bCLeNTMk
#702 [愛華]
………ダメだ。
「……梓、ごめん眠い。
一時間目サボる。寝てくる」
「えぇ!?どこで!?」
「天気いーからおくじょー」
あたしはそれだけ言うと、
ひざかけを手にとって
教室を出ていった。
屋上までゆっくりと上がる。
:10/09/10 23:53
:840SH
:bCLeNTMk
#703 [愛華]
…今日ははやく寝なきゃなぁ…
屋上に雪はつもってなかったけど
やっぱり寒い。
でも持ってきたひざかけは
けっこう大きめ。ひざかけと
いうよりは大きい毛布。
あたしは毛布を広げ、中に入り
ぱたんっと毛布をたたんだ。
オムレツの要領で毛布に包まる。
………あったかいなー……
日差しが気持ちいいや……
:10/09/10 23:58
:840SH
:bCLeNTMk
#704 [愛華]
あたしは少しずつウトウトとなり
夢の世界に入っていった。
夢を見ていた。
悲しい夢。
心が引き裂かれるような…
:10/09/11 00:00
:840SH
:1ddPhulE
#705 [愛華]
夢の中であたしは泣いてる。
泣き叫んでいる。
でもなんで泣いてるの?
なんで止まらないの?
あ、隆則がいる。
隆則、どこ行くの?
一人にしないって言ったじゃん
帰ってくるってゆったじゃん。
隆則………どこに行くの
どうして隆則も泣いているの
:10/09/11 00:03
:840SH
:1ddPhulE
#706 [愛華]
隆則はゆっくりと歩く。
あたしから離れていく。
やだ、行かないで
行かないで
置いていかないでよ
約束したじゃんか
だって隆則も泣いてるじゃんか
「………ごめんな、那佑」
どうして、 謝るの
:10/09/11 00:06
:840SH
:1ddPhulE
#707 [愛華]
「………行かなっ…………」
あたしは飛びおきた。
なに、今のゆめ。
呼吸が乱れる。
頬をさわると涙が流れてた。
止まらない。止まらないの。
「はっ……はぁっはぁっ…」
涙が止まらない。
あたし、どうしちゃったの?
:10/09/11 00:10
:840SH
:1ddPhulE
#708 [愛華]
「………だいじょうぶ?」
声のするほうを振り向いた。
「………品……野くん…」
そこには転校生の品野くんが。
「サボろうとして屋上
きたんだけど……ごめんな?」
品野くんの言葉は耳にはいらない
だって涙が止まらないから。
呼吸の乱れもおさまらない。
息がくるしい。
:10/09/11 01:37
:840SH
:1ddPhulE
#709 [愛華]
「はっはっ……はぁっ」
品野くんはゆっくりとあたしに
近づいてきて背中をさすった。
「……怖い夢みたのか?
だいじょうぶだよ、怖くない」
優しい声………
初めて見た時から感じてた何か。
このひと………
隆則に似てるんだ。
:10/09/11 01:40
:840SH
:1ddPhulE
#710 [愛華]
「……うっうぇ……うぁぁん…」
あたしは泣き崩れた。
なんで泣いてるんだろう。
さっきの夢はなんだったの?
見えない何かに押し潰されそうで
ただ怖くて怖くて
まるでさっきの夢は
これからの未来を
私の未来を暗示しているようで。
:10/09/11 01:43
:840SH
:1ddPhulE
#711 [愛華]
あたしが泣き止むまで
品野くんは側にいてくれた。
「………落ち着いた?」
「……うん。だいじょーぶ…
ごめん、なんか変なとこ見せて」
「別にそれはいーけどさ…
どんなこわい夢みたの?」
あたしは夢を思いだそうとする。
でも、その行為を脳が拒否した。
:10/09/11 01:47
:840SH
:1ddPhulE
#712 [海]
:10/09/11 04:47
:SH902iS
:☆☆☆
#713 [海]
すみません失敗しました
次はどうだ!>>700-800
できたかな?
:10/09/11 04:58
:SH902iS
:☆☆☆
#714 [海]
:10/09/11 04:59
:SH902iS
:☆☆☆
#715 [愛華]
>>714海様
気にしないでください

アンカーありがとうございます

:10/09/11 09:10
:840SH
:1ddPhulE
#716 [愛華]
思い出そうとすると涙が溢れる。
心が破かれるみたいに痛い。
襲ってくる孤独感。絶望。
「……ごめん。言いたく、ない」
「……そっか。うんわかった。
気にしなくていーから」
あたしはコクンと頷くと
毛布に顔をうずめた。
:10/09/11 09:15
:840SH
:1ddPhulE
#717 [愛華]
「……名前、なんてゆーの?」
「んと……白石那佑、だよ」
あたしは下を向いたままじゃ
失礼なので、ちょっとだけ
顔をあげて答えた。
「なゆ?かわいー名前だね」
「そう?でも直純ってゆーのも
武将みたいでかっこいいじゃん」
「あはは、そんなことねーよ」
:10/09/11 09:20
:840SH
:1ddPhulE
#718 [愛華]
あぁ……やっぱり。
このひと隆則に似てる。
なんてゆーか…笑い方とか。
喋り方とか雰囲気とか。
なんとなく………似てる。
「品野くんてさ……」
「あ、直純でいーよ」
「じゃ、直純くんて呼ぶね」
「うん。なんかいーね」
:10/09/11 09:38
:840SH
:1ddPhulE
#719 [愛華]
ニコッと直純くんは笑った。
すごくキレイな笑顔だった。
「…転校初日からサボり?」
「あは、まーね。いい天気だし。
昨日もめんどくさくなって結局
いかなかったんだよな。」
………なんだ、そりゃ。
「自、自由人だね……」
「いいことでしょ。人生さ
自由に生きなきゃダメじゃん」
:10/09/11 19:40
:840SH
:1ddPhulE
#720 [愛華]
「じゆう……?」
「うん、そう。
今は幸せでも明日は幸せ
じゃなくなってるかもしれない。
もしかしたら明日は
来ないかもしれないだろ?
だから、今好きなことをして
好きなもの食べて…
好きなものを手にいれる。」
……自由ってそういうことなの?
:10/09/11 19:48
:840SH
:1ddPhulE
#721 [愛華]
「あたしは…違うと思う」
「…ん?」
「自由になりたくたって
そうなれない人もいるんだよ。
毎日恐怖と戦ってる人もいる。
でも、そんな人たちは……
自分が自由か?なんて考えない。
考えたら前に進めないじゃない」
「……白石?」
:10/09/11 19:52
:840SH
:1ddPhulE
#722 [愛華]
「あたしは…自分が何かのために
自分から動けた時とかに
あぁ…自分は自由なんだなって」
「白石……どうしたの?」
あたしはハッとする。
なにいってんだろ……あたし。
「ごめん…なんでもない」
「………白石って変だな」
:10/09/11 19:59
:840SH
:1ddPhulE
#723 [愛華]
そういって直純くんは笑った。
「…ごめん、気にしないで」
「別にいーって。気にしてない。
……ね、白石って彼氏いる?」
「な、なにいきなり……」
「いる?いない?」
な、なんか答えは決まってるのに
答えるの恥ずかしいな……
慣れてないからかな?
:10/09/11 21:59
:840SH
:1ddPhulE
#724 [愛華]
「いるよ?……2個上だけどね」
「ふーん…2個上…大学生?」
「うん。すぐそこの大学生」
直純くんは複雑そうな顔をして
ちょっとだけ笑った。
私に見えないくらいの
小さい笑みだった。
「好きなの?彼氏のこと」
「なななななんで!?」
好きじゃなかったら
つきあうわけないじゃんか!!
:10/09/11 22:14
:840SH
:1ddPhulE
#725 [愛華]
「あーごめん、聞き方悪いね。
んーと…どれくらい好きなの?」
どれくらい………好き?
「えーとえーと……
大好き、よりもっと好き、だよ」
あたしは顔が赤くなっていくのが
わかった。 ひゃー…
:10/09/11 23:35
:840SH
:1ddPhulE
#726 [愛華]
「……白石、顔まっか」
「え、ほんと!?うわ、はず…」
あたしは顔をあおぐように
毛布で顔をパタパタ。
「ふぅーん。大好きなんだ」
「う、うんまぁね」
「…俺も負けてないと思うけど」
:10/09/11 23:38
:840SH
:1ddPhulE
#727 [愛華]
「それってどういうこと……」
ガタン!!
「こーゆーこと?」
……なにがおこったの?
目の前には直純くんの顔。
下にはあたしの毛布。
あたし……押し倒された!?
:10/09/11 23:53
:840SH
:1ddPhulE
#728 [愛華]
「な……おずみくん?
なんかの……冗談?」
「冗談じゃないよ。本気。
俺さ……白石のこと好きだよ」
「……なにいってるの…?」
かすれた声しか出ない。
だって昨日会ったばっかじゃん。
「白石はさ……一目惚れって
どう思う?やっぱムリ?」
:10/09/12 00:28
:840SH
:VI0xE8fM
#729 [愛華]
「ムリってゆーか……え?
なに?どーいうこと?」
頭の中はパニック。
この状況と直純くんのセリフ。
「俺、一目見て白石が好きに
なった。本気だよ。
彼氏がいても関係ないよ。
…好きになるのに時間なんて
関係ないと思わない?」
「え……だって……その…」
なに!?なにいってんのこの人!
全く理解できない!!
:10/09/12 00:33
:840SH
:VI0xE8fM
#730 [愛華]
直純くんは鼻がくっつくくらいの
距離で囁く。
「白石さぁ……俺にしない?」
頭がクラクラする。
こんなかっこいい男の子に
色っぽい声でこんなこと…
まるで麻酔みたいにぼーっとする
「ひ…一目惚れなんて
顔が好きになったって事じゃん!
よく知りもしない相手を好きに
なるなんてありえない!
あたしはそんなのムリ!
わかったらどいて!はやく!」
:10/09/12 00:38
:840SH
:VI0xE8fM
#731 [愛華]
第一、あたしには隆則がいるし!
そう言おうとしたら、
直純くんとあたしの鼻が
くっついた。ち…近すぎっ…
「……べつにいーじゃん…」
直純くんはフッとあたしの
首筋に息を吹き掛ける。
「ひっ……」
「あれ、なれてないの?
……俺が色々教えてあげよっか」
:10/09/12 00:42
:840SH
:VI0xE8fM
#732 [愛華]
「なっっ………」
直純くんの唇が首に落ちる。
………やだ!やだやだ!
次の瞬間。
どかっっ!!
「なにすんのよ!!
こんのスケベやろー!!」
あたしは言葉よりも先に
手と足がでていた。
:10/09/12 00:48
:840SH
:VI0xE8fM
#733 [愛華]
「いってぇ……」
直純が(もはやくんづけナシ)
痛がって頭をさすっているけど
そんなことはどうでもいい!!
「さいっってい!!
ちょっとでも心ゆるしたあたしが
馬鹿だった!二度と近づくな!」
あたしはそれだけ言うと
屋上を飛び出した。
:10/09/12 00:52
:840SH
:VI0xE8fM
#734 [愛華]
さいていさいていさいてい!!
隆則にちょっと似てるかも、
とか思ったあたしが馬鹿!!
超ばか!!
あんなやつ、隆則になんか
ぜんっぜん似てない!!
「似てねんだよ、このやろー!」
あたしは叫んだ。
あんなやつ大っっきらいだ!!
:10/09/12 00:55
:840SH
:VI0xE8fM
#735 [愛華]
′
「あー……いたたた」
あの女、思い切り殴りやがって…
でもやっぱ、そう簡単には
いかねぇか……
「…あんな顔すんだもんなぁ…」
あんな真っ赤になるくらい
好きなんだろう。
:10/09/12 00:57
:840SH
:VI0xE8fM
#736 [愛華]
知らない男にホイホイ
ついていくほど馬鹿じゃねぇか。
……めんどくせぇなぁ……
でも俺は白石を手にいれる。
それでも手にいれる。
あの男から………
大事なものを奪ってやる。
「……白石……那佑だっけか」
:10/09/12 01:01
:840SH
:VI0xE8fM
#737 [愛華]
顔はかわいいけど、キレっぽいし
たいした女じゃない。でも……
あいつが好きそうなタイプだな。
……絶対手にいれる。
欲しいものは絶対に
奪いとってやる。
あんたが……そうしたように。
「そうだろ…………?
………………………隆兄」
:10/09/12 01:06
:840SH
:VI0xE8fM
#738 [愛華]
′
「………あー!!ムカつく!!」
あたしはばんっと教室の戸をあけ
机にどかっと座った。
「わ、那佑どーしたの?」
「なんでもないっっ!!」
教室のみんなが
「いや、絶対なんかあったやろ」
的な視線を送ってくる。
:10/09/12 11:52
:840SH
:VI0xE8fM
#739 [愛華]
そんな視線の中、直純くんが
教室の中にはいってきた。
「品野くん、どこいってたの?」
「あーちょっとね」
直純くんは女子たちにそう言うと
あたしのところに歩いてきた。
「…………なんか用」
「これ、忘れてっただろ」
直純くんの手にはあたしの毛布。
:10/09/12 13:21
:840SH
:VI0xE8fM
#740 [愛華]
「………あ、忘れてた」
「ごめんな、あんなことして…
痛かっただろ?」
…………はぁ!?
教室がざわつく。
梓は口があいたまま。
「ちょっ!あんたなにいって…」
「もうあんなことしないから」
な、なにいってんのコイツ!!
教室は騒然。
:10/09/12 13:25
:840SH
:VI0xE8fM
#741 [愛華]
「だから!あんたなにいって…」
「あ、じゃあね。那 佑」
……あンのやろ!
名前強調しやがった!!
ぱたん。教室のドアがしまる。
…………………………………
訪れる沈黙
:10/09/12 13:28
:840SH
:VI0xE8fM
#742 [愛華]
「ちょ……………那佑!!
今のなに!?どーゆーこと!!」
「白石さん!いつから品野くんと
あんなこんな関係に!?」
「1時間目に品野くんと
なにしてたの!?ねぇ!!」
女子からの質問攻め。
男子は見て見ぬフリ。
俺ら、なんも知りません…マジで
みたいな目。
:10/09/12 13:32
:840SH
:VI0xE8fM
#743 [愛華]
「いや……なんもなかった!!
………わけじゃないんだけど
あんなこととかこんなことは
しなかった!!ほんとに!!」
「うそだ!!だって品野くん、
痛かっただろ……って!!
…………うわぁぁぁん!!」
「ミキ泣かないで!!
白石さんひどいよ!!ミキは
品野くんに一目惚れしたのに!
品野くんとあんなこと……」
「するかー!!隆則とだって
まだしてないのにー!!」
:10/09/12 13:35
:840SH
:VI0xE8fM
#744 [愛華]
「………たか……のり??」
あたしは、しまった! という顔。
梓は頭をかかえている。
「ちょ…たかのりさんて誰!!
まさか二股!?白石さん、
品野くんとその隆則さんて人と
二股かけてるの!!」
「白石さん、ひどいよー!!
隆則さんがかわいそーだよ!!」
:10/09/12 13:39
:840SH
:VI0xE8fM
#745 [愛華]
「だから!!直純くんとは…」
「名前で呼んでるぅー!!
どっち!?どっちが本命なの!」
「いや、だから名前は……
…もういいかげんにしてー!!」
アア……女子ってコワイ……
あ、あたしも女子だ……ハハ
:10/09/12 13:45
:840SH
:VI0xE8fM
#746 [愛華]
「………疲れた……」
女子の誤解をとくのにかなりの
時間がかかった。
押し倒されたことはさすがに
言えなかったけど……
「ほんとびっくりさせないでよ、
二股なんて知ったら、隆則
気絶しちゃうよ、多分」
「かけてないからね!二股!」
「わかったってば……」
:10/09/12 18:37
:840SH
:VI0xE8fM
#747 [愛華]
「………ね、品野くんと
本当はなにがあったの?」
ぎくっっ
「な…なにも……」
「隠すんだ?親友のあたしに?
タカに言っちゃおっかなー…
那佑が浮気してるって……」
「ちょ、梓!!わかったから!」
……くそぅ。
:10/09/12 18:49
:840SH
:VI0xE8fM
#748 [愛華]
「………ま、マジで?」
「うん………。
隆則にちょっと似てるかもって
油断してた……不覚」
「タカに……似てる?
いや………でも…………うん」
「梓?」
「あ、いや…なんも
されなかったんだよね?」
「うん、まだね…逃げたし」
「そっか……」
:10/09/12 19:30
:840SH
:VI0xE8fM
#749 [愛華]
「梓…なしたの?」
「……実はあたしもちょい前から
タカに似てるな、とは思ってて。
ね、直純って珍しい名前かな?」
「そうでも…ないと思うよ?
頑張って捜せばいそうな名前
だと思うけど……」
「そう……だよね、うん。
苗字もちがうし……うん」
:10/09/12 19:35
:840SH
:VI0xE8fM
#750 [愛華]
「え、なに?ごめん、
よくわかんないんだけど」
「あ、いや知り合いに似てた
ってゆーかなんてゆーか。
でも苗字ちがうし多分ちがうよ」
「知り合いって……?」
「ん、ちょっと……タカと
あたしの……」
……なんか歯切れわるいな。
なんなんだろ?
:10/09/12 19:46
:840SH
:VI0xE8fM
#751 [愛華]
「でも今、那佑も同じこと
思ってたからもしかして…って
思ったんだけどさ」
「?????」
全くわけがわからない。
でも、いいずらいこと
なんだろうな……
「じゃあ聞いてみれば?」
「え?あ、うん。そだね。
それがてっとりばやいか」
:10/09/12 19:53
:840SH
:VI0xE8fM
#752 [愛華]
ちょうど直純くんが教室に
戻ってきていたので、
梓は直純くんの席に近づいた。
「し、品野くん」
「ん?えっと……速水さん…
だったかな?ごめんね、まだ
覚えてなくて……」
「あ、うん。速水であってる。
でさ……品野くん。
隆則…赤石隆則ってわかる?」
:10/09/12 20:03
:840SH
:VI0xE8fM
#753 [愛華]
「たか……のり?」
「うん。あたし、速水梓。
覚えて……るかな?」
「覚えてるってゆーか…え?
速水さんとは昨日初めて
会ったよな?あと……ごめん、
隆則って人も俺の知り合いには
いないよ?」
「あ……そっか。ごめんね。
人ちがいだったみたい」
「そう?よかったよ」
:10/09/12 20:07
:840SH
:VI0xE8fM
#754 [愛華]
「うん、それじゃあ」
梓が席から離れる瞬間。
「知り合いにはね……」
直純くんがそうつぶやいたこと。
この時のあたしには
知るはずもなかったのです。
:10/09/12 20:15
:840SH
:VI0xE8fM
#755 [愛華]
′
「………………なんなの?」
「え、なにが?」
目の前にはニコニコ微笑む
直純くん。………ムカつく。
「なんでずーっとあたしに
つきまとうのって聞いてんの!」
「好きだからっていったじゃん」
:10/09/13 00:07
:840SH
:nHthB5Cw
#756 [愛華]
あれから一週間。
毎日のように直純くんは
あたしにつきまとう。
女子たちも次第に
好意は直純くんからの一方的な
ものと気づき始めたみたいで
直純くんが好きならしょーがない
的な感じで、直純くんを
応援する流れになりつつある。
「……あたし彼氏いるって
いったよね?直純くんに」
「うん。言ったね」
:10/09/13 00:13
:840SH
:nHthB5Cw
#757 [愛華]
「二度と近づくな、とも言った」
「うん、言われたね」
「一目惚れなんてありえない…
とも言ったよね?」
「うん、ばっちり言われた」
「………じゃあ、なんで?」
何度このセリフを言っただろう…
あぁ………疲れた。
:10/09/13 00:16
:840SH
:nHthB5Cw
#758 [愛華]
「那佑のこともっと知りたい。
だから那佑に近づきたいんだ。」
「やめて。あんたキライだから」
「あはは、そゆとこ好き〜」
直純くんはあたしに抱き着く。
……はぁ。だめだこりゃ。
あたしはぺしっと軽く
直純くんを払いよける。
抱き着かれてたまるか!!
:10/09/13 00:20
:840SH
:nHthB5Cw
#759 [愛華]
「あんたらまたやってんの?」
「梓〜たすけてよー(泣)」
梓は呆れ顔で席についた。
「品野くん。この子はダメ。
だーいじな彼氏がいるから。」
「知ってる。でも好きでいる
ぶんには別にいーだろ?」
「……まぁ、気持ちは
どーしようもないけどさ……」
:10/09/13 00:24
:840SH
:nHthB5Cw
#760 [愛華]
「梓!!納得しないでよ!」
「あ、ごめんごめん。
まぁ大丈夫でしょ、那佑なら。
隆則がいるしね〜」
梓は妙に能天気。
多分、直純くんの告白を本気だと
思っていないらしい。
まぁ、あたしもそうだけど…
いつかは飽きるだろうと思っても
それまでつきまとわれると思うと
やっぱり気が重い……
:10/09/13 00:27
:840SH
:nHthB5Cw
#761 [愛華]
「……直純くんさぁ、
あたしのどこが好きなの?」
「最初は顔。今は全部?」
「………あ、そ」
ばかみたい。はぁ……
最近はお昼の時もべったりなので
必然的に、梓と三人でのお昼。
でも今日は梓が委員会でいない。
よって二人きりのお昼……
:10/09/13 20:03
:840SH
:nHthB5Cw
#762 [愛華]
ひどく憂鬱な昼ごはんだ。
はっきり言っちゃうと、
あたしは直純くんのことが嫌い。
嫌いな人につきまとわれる事ほど
嫌なことはない。
かかわらないでほしい。
ほうっておいてほしい。
でもそう言ったって、
聞いてなんかもらえない。
どうすればわかってもらえる?
:10/09/13 20:06
:840SH
:nHthB5Cw
#763 [愛華]
自分の気持ちを言っただけじゃ
わかってもらえないのかな。
昼。あたしは直純くんから
逃げるために中庭にいた。
すると知らないアドレスから
一通のメールが届いた。
『いい天気だね』
あたしは、それが直純くんから
だとわかったので当然無視。
:10/09/13 20:10
:840SH
:nHthB5Cw
#764 [愛華]
するとまたメールが。
『上』
上?あたしは上を見上げた。
すると屋上から直純くんが
手をふっているのが見えた。
その直後にメール。
『天気いい日は屋上へカモン!』
ぶっっ!!
あたしは思わず笑ってしまった。
カモンって……
:10/09/13 21:30
:840SH
:nHthB5Cw
#765 [愛華]
『なんでアドレス知ってるの』
あたしは直純くんにメールを
送った。
『速水から教えてもらった』
……梓のやろー…
屋上から直純くんが見えなく
なったので、あたしは
お昼を再開。
3分後。
「よかったーまだいた!!」
:10/09/13 22:38
:840SH
:nHthB5Cw
#766 [愛華]
直純くんが息をきらしながら
走ってきた。
屋上から…わざわざ来たの?
「お昼たべよー!!」
「……別にいーけど」
なんか直純くんって……弟?
人懐っこくて仔犬みたいな。
なんかそんなイメージ。
でもやっぱり男の子としては
見ることはできない。
:10/09/14 18:52
:840SH
:BRO8ELOY
#767 [愛華]
「〜♪」
お昼を直純くんと食べていると
あたしの携帯に電話が。
画面には『隆則』の文字。
わっ……めずらしいな。
少し緊張しながら電話に出る。
「もしもしー?」
「おー出た出た。何してた?」
「お昼ご飯食べてたよー。
てゆかなんか用?」
:10/09/14 18:58
:840SH
:BRO8ELOY
#768 [愛華]
「…用なきゃ電話しちゃダメ?」
「え?あ、いや…………ぷっ」
「オイ、なに笑ってんだよ?」
「ん?いーや。…ありがとう」
隆則かわいいな。
電話の声はいつもと違って新鮮。
となりでは直純くんが
じーって見つめてくる。
:10/09/14 19:03
:840SH
:BRO8ELOY
#769 [愛華]
「………かれし?」
直純くんがヒソヒソと聞いてくる
「………そこ、誰かいる?」
「え?あ、友達だよ」
「ふぅん?ま、いーけど。
んじゃ、切るな。またあとでー」
「うん、ばいばい」
プツッ
:10/09/14 19:08
:840SH
:BRO8ELOY
#770 [愛華]
「隆則……だとかいう名前の」
「うん。大事な人。すごく。
………多分、いちばん」
「ふぅん………」
あ、あたしのろけてた…?
いや、今のはなんてゆーか……
「……ね、さっき友達って。
あれ、ほんとう??」
「え?あ、さっきの?」
とっさに友達って言ったけど。
てゆーか、隆則に直純くんの事
話してないしなー…
:10/09/14 21:08
:840SH
:BRO8ELOY
#771 [愛華]
直純くんは満面の笑顔で。
「…すっげぇ嬉しかった!
嫌われてると思ってたし。
今は友達でも全然うれしい!」
いや、嫌いなんだけど……
なんてこの流れで言えるわけない
だってこんな笑顔で……
あぁやっぱり……隆則に似てる。
とか言ったら怒るんだろうな。
:10/09/14 21:11
:840SH
:BRO8ELOY
#772 [愛華]
隆則に直純くんのこと話した
ほうがいいのかな?
隠し事するなって言われたけど。
でも、押し倒されたなんて
言った日には……
次の日、直純くんは多分
学校には来ないだろう。
まぁ本人も反省(?)してるし…
友達ってことで……いっか。
:10/09/14 21:15
:840SH
:BRO8ELOY
#773 [我輩は匿名である]
:10/09/15 12:25
:W65T
:☆☆☆
#774 [愛華]
:10/09/15 18:18
:840SH
:HE8GW.p6
#775 [愛華]
「…あたし、直純くんあんま
好きじゃない。むしろキライ」
「……はっきり言うね」
「でも友達でいいなら…いいよ」
「………うん!!」
「名前で呼ばないで」
「……えー」
「いやなら友達やめる?」
「OKです!!白石!!」
:10/09/15 21:10
:840SH
:HE8GW.p6
#776 [愛華]
「あとベタベタしないで」
「……はい」
「スキンシップ禁止」
「………」
「やめる?」
「……スイマセン」
あたしは笑った。
なんだかんだ言って……
この人もふつーの人なんだな。
:10/09/15 21:40
:840SH
:HE8GW.p6
#777 [愛華]
「卒業生送別会??」
「うん。プチ学園祭?みたいな」
いつものように梓とお昼ご飯。
あれから直純くんはあまり
ベタベタしてこなくなった。
まぁ馴れ馴れしいけどさ。
「各クラスで出し物して。
まぁちっさいもんだから学校の中
だけのもんだけらしいけどー」
「ふーん……」
:10/09/15 23:05
:840SH
:HE8GW.p6
#778 [愛華]
クラスでの出し物。
みんなでやるおまつり。
生まれてはじめてだな、こんなの
「うちのクラスなにやんの?」
「え、さぁ?まだ話でてないし」
喫茶店とかかな?
プリン食べれたりするかな?
なにげにちょっと楽しみだな。
:10/09/15 23:08
:840SH
:HE8GW.p6
#779 [愛華]
「なーにしてんの?」
ひょこっと直純くんが現れた。
「あ、送別会の話だよー」
「あー来月あるってゆーやつね」
なんだ知ってんだ……
あたしだけ?知らなかったの。
「…そだ、那佑。タカ呼べば?」
「「え!」」
直純くんとハモった。
:10/09/15 23:11
:840SH
:HE8GW.p6
#780 [愛華]
「卒業っていっても上にあがる
人がほとんどじゃん?
トナリの大学から歓迎会的な
意味で何人か手伝いに来る
んだって。
回る人もいるみたいだから
タカ呼んで一緒にまわれば?」
「え、いーのかな…」
「……………」
チラっと隣を見ると、
直純くんが気難しそうな顔を
していた。
……なしたんだろ??
:10/09/15 23:16
:840SH
:HE8GW.p6
#781 [愛華]
「直純くん……なしたの?」
「え、あーいや……」
なんか顔色わるそうだなー…
風邪ひいたのかなぁ?
あたしは直純くんのおでこに
手の平を当てた。
「……あれ、むしろ冷たい」
「……えっ…あ……」
「…なーんだ!風邪じゃないよ」
:10/09/15 23:20
:840SH
:HE8GW.p6
#782 [愛華]
「へ……あ、うん」
直純くんは真っ赤になって
教室から出ていった。
……?
「……意外と……本気…かな?」
「え、梓なんか言った?」
「いや…てゆか那佑、品野くん
キライっつってなかった??」
「うーん。普通?よく考えたら
あそこまでしてあげる
必要なかったな。」
:10/09/15 23:24
:840SH
:HE8GW.p6
#783 [愛華]
まぁ前はキライだったけど。
自分を好いてくれてる人を
邪険にするのって……
好きとかそーゆーの抜きにして
なんかダメなことなのかなって。
自分を否定してるみたいで。
「今はふつーの友達?くらい」
「そっか?ならいーけど」
あたしは食べかけだったプリンを
食べ終えて、ゴミ箱に投げた。
あ、外れた。ちくしょ。
:10/09/15 23:28
:840SH
:HE8GW.p6
#784 [愛華]
′
白石の手の平がふれた時。
今までに感じたことがない
感覚が全身に走った。
あったかい。心地好い。
そっか、俺……
今まで冷たいところにいたから
人の手の平がこんなに
あったかいって知らなかったな。
:10/09/15 23:31
:840SH
:HE8GW.p6
#785 [愛華]
あいつは……
このあたたかさに惹かれたのか。
だとしたら好都合だな。
俺が冷たいところまで
引きずりおとしてやるよ。
痛みも感じないところまで。
「……そろそろ、動き時かな」
:10/09/15 23:35
:840SH
:HE8GW.p6
#786 [愛華]
利用するものは全て利用する。
自分の目的のためなら
平気で人だって傷つける。
嘘だってつく。
笑いたくもないのに笑ってやる。
傷つけて傷つけて
ボロボロにして
あんたの目の前で捨て去ってやる
:10/09/16 00:30
:840SH
:tCwo9UR.
#787 [愛華]
-隆則side-
:10/09/16 18:27
:840SH
:tCwo9UR.
#788 [愛華]
『…………かれし??』
確かにそう聞こえた。
男の声。思ったより高い。
ただ………それだけのこと。
友達だと那佑は言ったけど…
でもやっぱり気になるもんは
気になってしまうんだ。
うーん……俺って……
:10/09/17 21:21
:840SH
:arJ9BkW6
#789 [愛華]
「やっぱり………独占欲
つぇえんかなぁ……」
独り言のようにつぶやく。
いつからだっけ。
那佑と出会ってからだっけ?
いや、違う。もっともっと前。
あのころ俺はなにもかもを
自分のものにしたくて
欲しいものも食べたいものも
自由さえも
:10/09/17 21:31
:840SH
:arJ9BkW6
#790 [愛華]
「………隆則??」
「え……わっっ!!
なに、いつ来てた!?」
「今さっき…ピンポン鳴らしても
出ないからさ。鍵あいてたから
入っちゃった。 誨さんは??」
「誨?レポート終わってねぇって
残ってるらしいけど……」
あ、あせった……
すげ、ぼーっとしてたんだな俺。
:10/09/17 23:15
:840SH
:arJ9BkW6
#791 [愛華]
「うん、そぃでね。隆則さー
今度の送別会くる??」
「あー…文化祭みたいなやつか。
そういえば俺のとこの大学からも
けっこう手伝いにいったり
回るやつもいるみたいだな」
「隆則てつだいに来るの?」
「んー多分。どこのクラスかは
わかんねぇけどな」
てつだいに行くやつらは
手伝うクラスが割り当てられる。
誰が決めたわけでもないけど
いつのまにかそういう決まり。
:10/09/18 01:06
:840SH
:ezr.uR82
#792 [愛華]
「じゃあさ、時間あったら
一緒にまわろーよ」
那佑はそういいながら
俺の隣にポスッと腰をおろした。
「那佑のクラスなにやんの?」
「まだきまってないんだー。
喫茶店とかそーゆーのじゃん?」
………喫茶店?
この流れは…………
:10/09/18 01:09
:840SH
:ezr.uR82
#793 [愛華]
「メイド喫茶とかでは………
ないよなぁ?」
「はぁ!?メイド!?
んなの女子が反対するよー」
「こーゆー催しではメイド喫茶が
なんとなくお約束になってんの!
絶対やめろよ!!」
那佑のそんなカッコは
他の男子には見せたくない!!
那佑はフツーにかわいいし……
:10/09/18 01:13
:840SH
:ezr.uR82
#794 [愛華]
「メイド喫茶ってきまった
わけじゃないじゃんー
隆則ばかだなぁー」
那佑はそういうと俺の頭を
ヨシヨシと撫でた。
いつもなら俺がやることなのに。
ガキみてぇだな…俺……
俺は那佑の手を掴んだ。
:10/09/18 01:16
:840SH
:ezr.uR82
#795 [愛華]
「隆則……?」
那佑は不思議そうな顔で
俺を見上げる。 かわいい……
「………んっ……」
俺は無意識のうちに
那佑にキスをしていた。
最初は優しく。
だんだん深く。
那佑は苦しそうな顔をする。
:10/09/18 01:20
:840SH
:ezr.uR82
#796 [愛華]
でも、やめられない。
理性がきかない。
俺は唇をはなすと
ゆっくりと那佑のシャツの
ボタンに手をのばした。
ひとつボタンを外す。
「ちょ………隆則?」
ハッ!!
那佑の声で我に返る。
:10/09/18 01:22
:840SH
:ezr.uR82
#797 [愛華]
「わり、ごめん俺……」
「え、いやそうじゃなくて…
なんかいつもと違ったから……」
なにしてた?俺、今。
なんか知らないあいだにこう…
勝手に体が動くっつーか……
……那佑を傷つけるとこだった。
「……隆則?」
「え、あ、ごめんな?
もうしないから。嫌だったよな」
:10/09/18 01:25
:840SH
:ezr.uR82
#798 [愛華]
「………」
あれ?なんで悲しそうな顔?
だって……怖かっただろ?
「嫌なんかじゃ…ないもん」
「……へ?」
「隆則あたしといても、あんま
手ださないじゃん。
大事にしてくれてるのは
わかるけど……でもさ……」
那佑はそう言うと、赤くなり
俯いたままになってしまった。
:10/09/18 01:28
:840SH
:ezr.uR82
#799 [愛華]
「嫌じゃない………の?」
「あたりまえ、じゃん……」
理性が飛ぶって、こういうことを言うのかもしれない。
俺は那佑をソファに押し倒す。
那佑は驚くほど素直に倒れた。
首にゆっくりキスをする。
何度も、何度も。
:10/09/18 10:48
:840SH
:ezr.uR82
#800 [愛華]
顔をあげて那佑を見る。
那佑は潤んだ目で俺を見ていた。
う……やべーかわいい……
制服をちょっとずつ脱がせると
那佑の白い肌がだんだんと
見えてくる。
「隆則……ちょ、はずかしい…」
そんな那佑の声も聞こえない。
:10/09/18 10:52
:840SH
:ezr.uR82
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